June 13, 2010

イコノグラフィー的に見るアップルのロゴマーク

先日の「なぜ『クラウド』か?」で、「クラウド」というのは普通の日本人にとっては「モヤモヤした得体の知れないところ」など、あまりポジティブなイメージをもたれないんじゃないかと思われるのに、なんでこんな言葉を使うのかしらん?という話をいたしました。

つまり、いただいたコメントを引用させていただくと、キリスト教イコノグラフィー的教養がある欧米の方々にとっては、

文庫クセジュのキリスト教シンボル事典で「雲」を引いてみたところ、「空にあって、明るくも暗くもあり、近づきがたく、漠としてとらえがたい雲は、目には見えずに偏在[ママ]する神の象徴である」とありました。

とおっしゃるとおりであり、「クラウド」の志向するイメージは、「虫が食う事も、さび付く事もなく、また、盗人が忍び込む事も盗み出す事もない」(マタイ6:19-21)、「富を積む場所」として最適のイメージなのではないか、ということです。

「遍在 (ubiquitous)」というのも、まさにクラウドと接続環境が普及した時代のコンピューティングと表裏一体の概念でありますな。

 

そして話は変わりますが、(本日ツイッターで、これこれこれこれなどの あほ話をしておりまして思ったのですが)、

日本で「リンゴと言えば何を連想しますか?」と聞いたら「青森」「長野」「赤い」とかだと思いますが(例えばこちらご参照)、

欧米では恐らくかなりのパーセンテージで、「創世記で、神の言いつけに背いて食べてしまい、エデンの園を追い出された原因になってしまった、あの善悪の知識の木の実」を連想するのではないかと思います。

つまり、「かじられたリンゴの実」というのは、「犯してしまった禁断」または「手に入れてしまった知性」を表すはずですね。

 

そう考えると、この「半分のイチジクの葉」


201006131714.jpg

のロゴと、アップルの「齧られたリンゴ」のロゴは、表裏一体にしか見えなくなってきます :-)。

 

ところが、Wikipediaを見てみてびっくり。

日本語版のロゴの説明では、

Apple が創業されたときのロゴマークは、ニュートンがリンゴの木に寄りかかって本を読んでいるところをモチーフにした絵(ロン・ウェインのデザイン)であった。
しかしこれでは堅苦しいと考えたスティーブ・ジョブズは、レジス・マッケンナ社のアートディレクターロブ・ヤノフに新しいロゴマークのデザインを依頼する。
ヤノフは、シンプルな林檎の図案の右側に一かじりを加えた。「一かじり」を意味する “a bite” とコンピュータの情報単位の “byte” をかけたのだという。

とあり、「ニュートン」とか「byte」とかは出て来るけど、アダムやイヴが一言も出てきません。まったく触れていないのが、かえって怪しくないですか?

 

ちなみに英語版の説明は下記の通り。

Apple's first logo, designed by Jobs and Wayne, depicts Sir Isaac Newton sitting under an apple tree. Almost immediately, though, this was replaced by Rob Janoff's "rainbow Apple", the now-familiar rainbow-colored silhouette of an apple with a bite taken out of it. Janoff presented Jobs with several different monochromatic themes for the "bitten" logo, and Jobs immediately took a liking to it. While Jobs liked the logo, he insisted it be in color to humanize the company.
The Apple logo was designed with a bite so that it would be recognized as an apple rather than a cherry. The colored stripes were conceived to make the logo more accessible, and to represent the fact the monitor could reproduce images in color.

こちらも、「cherryではなくappleに見えるように歯形を付けた」とか、そらぞらしいことが書いてありますが、アダムもイブも出てきません。

 

こういうイコノグラフィー的な教養はアメリカ人にはあまり無いのか、そういうのは宗教美術が少ないプロテスタント系の社会ではあまりイメージされないのか?(でも「Adam's apple」という言葉は使うんですよね?)、それとも宗教臭さを前面に出さない広報の方針なのか、はたまた、アップルにはゼーレやネルフのように何か裏の使命があって、あえてそれを隠しているのかw。

 

このロゴをデザインしたRob Janoff氏についての情報もネット上にはほとんど何も無いのですが、英語版のWikipediaによると、その他の説として、

It has also been suggested (notably by Sadie Plant in her book Zeroes and Ones) that the idea for the Apple logo may have come from the story of the death of Alan Turing who was found dead after he had taken a bite of an apple laced with cyanide.
Another theory is that the missing bite is a reference to the Fall of Man, representing the acquisition of knowledge.

アラン・チューリング(数学者)が青酸化合物のついた?リンゴを一齧りして死んだ、ということに基づく、という説も紹介されてます。
また、アダムとイブの話も出てきますね。

 

ところが、

These theories are however all discounted by Rob himself, who says the stripes were included in line with design trends at the time, and the bite was included so that people didn't mistake the apple for a tomato or some other fruit.

と、これらの説はデザイナー自身によってdiscountされたとありまして、「cherry」ではなく「tomatoなど他のフルーツと間違えないように歯形を付けた」とあります。

(Rob Janoff氏のサイトはこちら
音が割れてて聞きにくいですが、ロゴに関するラジオのインタビューのMP3もこちらにあります。)

 

しかし。

やはり、「なぜ歯形を付ければcherryやtomatoと間違えないか」というと、「齧られた果物」といえば「(アダムとイブの)リンゴ」だから、ということが前提にあるからですよね?

つまり、(特に欧米で)アダムとイブの話を聞いた事が無い人がいるとも思えないので、なぜWikipediaに記載されていないかというと「あまりに当たり前だから」説が有力なんではないかと思います。

 

ただし、上記のラジオインタビューでも、アップルの創業者2人は「パンク」だった、とあるとおり、このロゴマークができた当時に、ジョブス氏等が、深い意味合いを持たせた、というのも、あんまり説得力が無いかも知れません。

 

週末のあほ話でございました。

 

(ではまた。)

 


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June 7, 2010

週刊isologue(第62号)ソフトバンクのファイナンス(中編)

今週の週刊isologueもソフトバンクのファイナンスについて取り上げます。

先週に引き続き、問題意識も下記の通りになります。

 

ネット上でも、結構な識者の方々が、

「また何百億円も社債を発行してる!この会社、どうなっちゃうの?」
とか、
「ソフトバンクは借金まみれになって沈んでいく。登りゆくドコモと対照的。」
とか、
「溺れるものは藁をもつかむで、光の道に飛びついちゃって・・・」

等、ソフトバンクに対して悲観的なことをおっしゃっているので、
ソフトバンク、大丈夫かしらん?
と思ってる方も多いのではないかと思います。

 

一方、孫社長の決算説明会のプレゼンを素直に見ると、

  • 今回の決算は、三社(NTT、KDDI、SB)の中で1社だけ増収増益
  • ARPU(ユーザーの平均利用単価)が伸びてるのは3社中(そして世界でも)ソフトバンクだけ。
  • ボーダフォン買収以降、有利子負債は計画を超えて9000億円近くも減少
  • 今の計画だと、あと数年でソフトバンクは実質無借金経営になる。
  • 営業利益、フリーキャッシュフローで日本の全上場企業中3位、4位に入る優良企業
    (NTTとかトヨタに次いで。KDDIは既に抜いた。)
  • さらにウィルコムにも出資して基地局数倍増、
    (フェムトやホームアンテナなどをセコくカウントしてかと思いきや、なんとそれは含めずに。)
  • 設備投資はつながりにくい電波に応急処置をする後ろ向きなものではない。
    次世代の高速通信のためには「小セル化」が必須。ネットワークの設計思想を先取りした先進的な投資。

と「景気がいいにもほどがある」状態にも見えます。

いったい、どちらのイメージがソフトバンクの実態として正しいのか。

 

例えば、信用リスクを取り扱うCDSの参考値を見ても、(一見)ソフトバンクの信用リスクは急上昇しているように見えます。

 

201006062338.jpg
図表1.ソフトバンクのCDS参考値(出所:東京金融取引所
(参考:CDS Q&A )  

 

CDS市場が効率的でソフトバンクの信用リスクを仮に正しく盛り込んでいると仮定するなら、これはソフトバンクが破綻するリスクが実際に高まっていることを反映しているようにも思えますが、どうなんでしょうか?

 

今週は、ソフトバンクの2010年3月期決算説明会での孫社長のプレゼンをベースにソフトバンクの財務内容について考えてみたいと思います。

 

先週「前後編で」と申し上げたんですが、今回のがまた結構なボリュームになってしまったので、今回を「中編」とさせていただき、来週「後編」ということでよろしくお願い致します。

 

今週の目次とキーワード:

  • 決算説明会の概要
  • 携帯3社中、唯一の「増収増益」を考える
  • 昨年と今年のスタンスの差異
  • 「EBITDA、5期連続過去最高」
  • 契約数の動向
    (「MNP2年連続純増No1」の意味)
  • 契約当たり単価(ARPU)の動向
  • 「iPhone」の伸びの意味
  • スティーブ・ジョブスの気持ちになって考える
    「ソフトバンクと組んで何のメリットがあるのか?」
  • 固定もヤフーも好調
  • 有利子負債の減少
  • 設備投資の大増額計画
  • ソフトバンクのCDS参考値の意味
  • 「通話」「非通話」と回線品質
  • 「5年で40倍」の通信量の時代は来るのか?
  • 「小セル化」投資は、後ろ向き?前向き?

 

ご興味のある方は、下記からお申し込みいただければ幸いです。

次週は、もうちょっとディープなところ、

  • ソフトバンク株式会社の持株構造と、少数株主持分、優先株主への優先配当金等の関係
  • ウィルコムなどを含む投資
  • 今回発行した社債、グループ全体の負債構造

等について、図解して分析してみたいと思います。

 

(ではまた。)

 

 


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June 3, 2010

なぜ「クラウド」か?の文化的考察+スキャナの効用第二弾

私は(そしてみなさんの多くも)「クラウド」という言葉に「ん?」という違和感を感じたことがあるのではないかと思います。

ご案内のとおり、クラウドというのは、インターネット上にあるコンピュータリソースを使う、使い方の呼び名です。
(SaaSとかASPとかといった概念と何が違うのといった話を含めて、詳しいことはネットでお調べいただければと思います。例えばWikipediaの記述はこちら。)

 

クラウドの説明図に、


201006020941.jpg

といった図もよく出て来るわけですが、普通の日本人だったら、こんなモヤモヤした得体の知れないところに大事な処理を依頼したり重要なデータを保存したりするというのは、気持ち悪い以外の何物でもないのではないかと思います。

なぜ「クラウド」なんて言葉を選んだのだろうか(ネットワークをこうした「雲」で表すというのは、今の「クラウド」が出て来るはるか以前から行われていましたが、なぜ今後も使う気になったのだろうか)、「クラウド」というイメージは欧米人にとってはイケてるんだろうか?と考えていて、もしかして、新約聖書に下記のように書いてあることが欧米人の潜在意識に作用してる面もあるかも知れないなあ、と、ふと思った次第であります。

 

あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食う事も、さび付く事もなく、また、盗人が忍び込む事も盗み出す事もない。あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。
(マタイによる福音書6:19-21)

 

擦り切れることのない財布を作り、尽きることのない富を天に積みなさい。 そこは、盗人も近寄らず、虫も食い荒らさない。
(ルカによる福音書 12:33)

 

つまり「クラウド」=「天」と考えると(または「天」とまで行かなくても、「地上」ではない「天」に近い存在、と考えると)、アメリカを中心とするキリスト教が文化の土台にある国の人達にとっては、まさに「クラウド」こそが財産を蓄える場所だ、ということが感覚的に違和感なく受入れられやすいのかも知れないなあ、と思いました。

特に小さいころからキリスト教の教育をしっかり受けているお金持ちの人達(含むIT系の成功者達)は、「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。(マタイ19:24他)」と聞かされているはずなので、「地上」に富があることに対して、意識するかどうかにかかわらず、心の片隅で負い目を感じているのではないかと思います。

そういう人達にとっては「クラウド」に投資するというのは、心理的に非常に心地がいいかも知れませんね。

そう考えると、グーグルがウェブだけでなく地理情報や書籍といったすべてのものをデータ化し、それをサーバーにどんどん蓄えて公開していっているのも、金儲けやビジネスを超えた、何やら宗教的なパッションが背後にあるようさえ思えて参ります。

 

---

 

さてそんな中、先日ブログに書いた「ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版」には大変な反響をいただきまして、ありがとうございました。

 

この記事では、日本の出版社が行う「電子出版」はどうも待っていてもラチがあかなさそうなので、自分で書籍をスキャンして電子化(「自炊」)してしまおう、ということをご提案させていただきました。

実は私ほどモノグサな人間もいないので、他の人がネット上で「自炊」の技をご披露されてるのを見て、「スキャン?それホントに人件費まで考えたコストパフォーマンス的に見合う話なの?」と思っていたわけでありますが、実際やってみると、今のテクノロジーの下では、これが驚くほど簡単だったわけです。

たとえば「コピーを取る」という作業は「そんなのオレがやる仕事じゃないよ。オレの時給を考えたらアシスタントの子にやらせるに決まってるでしょ。」てなことをおっしゃる方が多いかと思います。しかし、「CDをiTunesに読み込むのが面倒」という人は、かなり数が減るんじゃないでしょうか。

書籍のスキャンというのは、今や、CDをiTunesに落とすのよりちょっと面倒なくらいでできると言っていいのではないかと思います。

 

そして本日の本題は、その書籍のデータをどこに置くか、であります。

 

そこで「クラウド」登場なわけですね。

私は、パソコン間を同期するのは「DropBox」、同期しない古いデータを取っておく場所として(Macを使っているので)AppleのMobileMeというサービスについている「iDisk」を使うことにしました。

スキャンしたデータをパソコンの「DropBox」内のフォルダに入れておくと、他の(例えば持ち歩き用の)パソコンなどとも自動的に同期してくれますし、iPhoneのアプリもあるので、外出しているときにもファイルを見る事ができます。

(もちろん、スキャンしたデータじゃないとダメなわけではなくて、仕事のファイルでも写真でも何でもいいわけです。)

 

また、iPhoneやiPadのアプリもあります。
「パソコン」でなくても、外出先でちょろっと資料を見るということが可能になるわけですね。

さらに、Goodreaderというアプリ(Dropboxとの親和性もいいです)にデータをダウンロードしておけば、電波が届かないところでもpdfファイルなどをサクサクと読む事ができます。

ちなみにネット上で評価が高かった「SugarSync」ですが、私はMacを使っているので、古い情報などをアーカイブするならiDiskでいいし、常に他のパソコンやiPhoneから見たい情報については、「DropBox」の方が優れている気がしたので、SugarSyncは1日で解約してしまいました。

(Sugarsyncは、インターフェイスも直感的にわかりづらくイケてない気がしました。でも、アップルのMobileMeを使ってない人とか、パソコン間で同期させるフォルダを自由に選びたい、といった人には、Sugarsyncはいいんじゃないかと思います。)

 

実は、データが数GB単位で存在すると、最初にそのデータを「クラウド」上に持って行くのは1日がかりになります。
しかし、毎日地デジの録画データをアップロードしたりしない限り、1日あたりのアップロード量は、せいぜい百MB程度が普通になると思いますので、一度初めてしまえばさほど不自由は無いはずです。

とにかく、「光の道」でもなんでもいいので、インターネットが数十Gbpsといった実効速度になって、「ネット上でも手元のパソコンでもあまり体感速度が変わらない」ということになってほしいところであります。そこまで行けば、世界がいろいろ変わって来るはずじゃないかと思います。

 

こうして、徐々にではありますが、私は本棚の書籍を「クラウド」に移し始めています。

冒頭にのべた「クラウド」なんてわけのわからないところにデータを置いてしまって大丈夫?という気がする方も多いと思いますが、こちら(How secure is Dropbox?)に、Dropboxのセキュリティについて書かれていますので、ご参考まで。

今どき当たり前のことではありますが、

  • 保管されたデータはバックアップされている
    (間違って削除してしまったデータも復元してくれるサービスもある。)
  • ネット上のやりとりはすべて「SSL」による暗号化が行われている。
  • サーバーに保管されているデータは「AES-256」により暗号化されている。
  • Dropboxの従業員といえども、利用者のファイルにアクセスすることはできない。
  • ただし、トラブルシューティングの際に、ファイル名、ファイルサイズ、などのファイルのメタデータにはアクセスすることがある。しかしファイルの中身を見る事は従業員でも行えない。

といった感じになってます。

つまり、今後は、

  • 「間違ってファイルを消しちゃった」
  • 「パソコンを落として壊しちゃった」
  • 「家が火事にあった」
  • 「近所一帯が大雨で水没」

といったことで慌てることもなくなるし、泥棒に入られてパソコンが盗まれることはあっても、中のデータまで失って、明日から仕事ができない、なんてこともないわけです。

 

まさに「さび付いたりする」こともなく「盗人が忍び込んで盗み出したり」もできないわけですね。

 

また、上記のセキュリティについての説明を読むと、Dropboxが使っているサーバーは、アマゾンのクラウドサービスである「Simple Storage Service (S3)」であり、それはここに説明があるように、非常に robustなsecurity policyを持っているようであります。

 

つまり今どきは「駆け出し」のベンチャーであっても、技術力さえあれば、大量のサーバーを購入したり、地盤のいいところに頑強な建物を建設したり、物理的な入退館システム等を構築しなくても、利用料を払って、非常に高度な物理的なセキュリティをいくらでも簡単に手に入れることができるわけですね。

 

もう一つ。
昨日気付いた、書籍や雑誌をスキャンしてみていいこととして、

  • 古い本を久しぶりに開いたら、上にホコリがたまってたり、
  • 酸性紙で黄ばんだりボロボロになってたり、
  • ちっちゃいムシがこそこそっと歩いてたり、

といったことが一切なくなるということが挙げられます。

虫が食ったり」もしないわけですね。

私、アレルギー体質ではないんですが、図書館に行ったり、本棚の掃除をしたりすると、なんとなく目や鼻がむずむずするので、これはありがたい。

 

また、私、生まれてこのかた机の上をきれいに整頓できた試しがなかったのですが、苦節48年、会議で使った資料でも送られて来た書籍や雑誌でも、何でもスキャナで電子化するようになって、先週あたりから、ついに机の上が毎日スッキリした環境で仕事ができております。

 

「『クラウド』に富を積む。」・・・まさに私にとって福音であります。

 

以上、ご参考まで。

 

(ではまた。)

 


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May 31, 2010

週刊isologue(第61号)ソフトバンクのファイナンス(前編)

先週の週刊isologueでは、ソフトバンクが総務省に提出した「アクセス回線会社収支試算結果説明資料」(いわゆる「光の道」への提言の一部)を題材に、本当に孫社長が言うように国費の投入ゼロで光ファイバーを全家庭に引く事ができるのかどうか、また、ソフトバンクが考える次世代光インフラの考え方やその実現可能性はどうか、等について考えてみました。

 

今週は、そのソフトバンク自体のファイナンスについて考えてみたいと思います。

 

ネット上でも、結構な識者の方々が、

「また何百億円も社債を発行してる!この会社、どうなっちゃうの?」
とか、
「ソフトバンクは借金まみれになって沈んでいく。登りゆくドコモと対照的。」
とか、
「溺れるものは藁をもつかむで、光の道に飛びついちゃって・・・」

等、ソフトバンクに対して悲観的なことをおっしゃっているので、
ソフトバンク、大丈夫かしらん?
と思ってる方も多いのではないかと思います。

 

一方、孫社長の決算説明会のプレゼンを素直に見ると、

  • 今回の決算は、三社(NTT、KDDI、SB)の中で1社だけ増収増益
  • ARPU(ユーザーの平均利用単価)が伸びてるのは3社中(そして世界でも)ソフトバンクだけ。
  • ボーダフォン買収以降、有利子負債は計画を超えて9000億円近くも減少
  • 今の計画だと、あと数年でソフトバンクは実質無借金経営になる。
  • 営業利益、フリーキャッシュフローで日本の全上場企業中3位、4位に入る優良企業
    (NTTとかトヨタに次いで。KDDIは既に抜いた。)
  • さらにウィルコムにも出資して基地局数倍増、
    (フェムトやホームアンテナなどをセコくカウントしてかと思いきや、なんとそれは含めずに。)
  • 設備投資はつながりにくい電波に応急処置をする後ろ向きなものではない。
    次世代の高速通信のためには「小セル化」が必須。ネットワークの設計思想を先取りした先進的な投資。

と「景気がいいにもほどがある」状態にも見えます。

 

いったい、どちらのイメージがソフトバンクの実態として正しいのか。

今週と来週は、ソフトバンクの財務上の数字等を見ながら考えていきたいと思います。

 


201005312218.jpg

今週は、最近発行された社債等の話に入る前に、ヤフー株式を使ったファイナンスを読み解いていきます。

今週の目次とキーワードは以下の通り。

  • SPV(=Special Purpose Vehicle、特別目的事業体)を使った巨額ファイナンス
  • SPVの概要
  • 有限責任中間法人、一般社団法人とは
  • スキームの概要
  • どういう名目でフィーを受渡し?
  • 取引の履歴
  • なぜ、他の会社が混じってる?
  • 名義や議決権をソフトバンクに残すのはどうやっている?
  • ソフトバンクは、なぜこのスキームを採用したか?
  • マニアックな方のための付録その1:一般社団法人等を使った他の例
  • マニアックな方のための付録その2:担保の掛け目(グラフ)

 

ご興味のある方は、下記からお申し込みいただければ幸いです。

(次週は、平成22年3月期のソフトバンクの決算説明会の内容の検証と、今回発行された社債、そして、ソフトバンク全体の財務状況をどう見るか、について、の予定。)

 

(ではまた。)

 

 


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May 26, 2010

広告の歴史を変える?「iogous(イオゴス)」

月曜日に「Fringe81(フリンジ ハチイチ)株式会社」の新サービス「iogous(イオゴス)」の発表会

プレスリリースはこちら。
http://www.fringe81.com/detail.php?id=21

に呼ばれて行って参りました。

 

これはスゴい。

 

これは広告の歴史を変えるかも知れません。

 

「iogous(イオゴス)」は、文字・背景色などの要素を自在に組み替えて、非常に多くの種類のバナー広告を自動的に生成し、それのクリック率(CTR=Click Through Rate)を見ながら、自動的にCTRの高い最適なバナー広告を表示する、というシステム。

これによって、バナーのクリック率は「数倍」に上がるそうで、つまり、広告主にとって、広告効果が上がるわけです。

 

201005260746.jpg
ジャストシステム社と行っている実験的な広告の例。
(背景色、画像、コピー等の組み合わせ、配置等で、多様なパターンを生成している。)
(クリックで拡大)

 

しかし、それだけ聞くと、

それって、あたりまえじゃん?
だって、そういうインタラクティブなことができるのがウェブでしょ?

と、思いますよね?

 

ところが、今までのバナー広告(ディスプレイ広告)の世界では、デザイナーが文字や画像の配置、背景色等を人間の経験と勘によって決めており、結果による見直しはほとんど行われてこなかった、とのこと。

広告の差し替えを行う場合も、ネットの広告を掲載している会社に代理店等から電話がかかってきて、

「 今出してもらってる広告、クリック率がよくないようなので、今から送るのに差し替えてもらえますか?」

等、「手作業」で人間が差し替えていた、とのことであります。
(そうした「媒体」側の会社の手間・コストも非常に大きかったわけです。
結果として、当然、一つのキャンペーン期間中に変更できる回数は、数回といったオーダーになってしまうかと思われます。)

 

私も今回聞いて始めて知って、非常にビックリしました。

 

しかし、この 「iogous(イオゴス)」では、文字・背景色・画像などを組み替えて配置換えをしたバナー広告を、自動的に数千から数万種類発生させ、それを表示した結果、CTRのよかったバナーを自動的に生き残らせて行きます。

 

201005260804.jpg
(クリックで拡大)

 

上図のように、CTRは単純に直近のCTRだけでなく、累積CTRなども考慮して多変量解析で決めているようです。

遺伝的アルゴリズム」にちょっと似てますね。

 

アメリカだと個人情報が結構簡単に手に入るそうで、それとの組み合わせでウェブの広告の最適化が行われたりもするそうなのですが、日本だとそもそも個人情報が手に入らない。

結果として、今までは「デザイナー」にすべてを依存していて、クリック率が悪いと
「おまえのセンスが悪い」
と責められて、精神的に参ってデザイナーが辞めちゃったりもしたらしいのですが(笑・・・ごとじゃない・・・)、そもそも
「20代女性向けのこれこれの商品の場合、どういう背景色にするとクリック率が高いか」
といったデータが無く、PDCAサイクルを行うしくみすら存在しなかったんだとしたら、そりゃデザイナーがかわいそうというもんですわな。

 

そして、そういう「真っ当なPDCA」は、テレビ・新聞・雑誌といった既存のメディアでも、もちろんやられてこなかったわけです。
グーグルのAdwordsなど、ネットのテキスト広告でやっとそういうPDCAが行えるようになり始めて、それがグーグルをはじめとする広告系のネットベンチャーの成長要因になったわけですが、それが、「画像」の広告の世界でも行えるようになった。

これは画期的なことじゃないかと思います。

ちなみに、「iogous(イオゴス)」というのは「SUGOI (すごい)O」ptimizationのアナグラムだそうで。

 

Fringe81社長の田中弦氏、取締役の川崎裕一氏は、私の昔の勤務先の同僚で、グリーの田中社長やミクシィの笠原社長などといっしょにネットの研究をしていた、いわゆる「76世代」の経営者。
私は、彼らが大学を卒業してすぐの2000年前後にいっしょに仕事をしたのですが、おっさんには感じ取れない「何か」を感じ取る能力をもった「ニュータイプ」というか、私は彼らを見て、アムロの能力を見たブライト中尉的な気持ち(こいつらのフィールドで戦ってもちょっと勝てそうにない)になったもんでした。

 

よく、ネット系のベンチャー企業でも、ネットに関連したことをやっているにもかかわらず、ビジネスモデルは労働集約的で「人間の努力とセンスでがんばります」というものがよくあります。

それが絶対悪いとは申しませんが、ネットの世界では、グーグルを例に引くまでもなく、今まで手作業で行われて来たことをコンピュータで自動的処理することにより、従来のコストの何分の一でサービスが提供出来たり、従来の何倍ものパフォーマンスをあげることができる、「破壊的イノベーション」がしばしば発生するわけです。
人間の力やセンス、人間関係といったもので他社よりも優越的な地位を築くということは、一見、活気にみなぎっているように見えても、実は「おまえはもう死んでいる」状態だったりするわけで。

 

このiogousの発表会でも、

Data is King

という言葉が何度か出ましたが、ネットのベンチャーは基本的にはそういう「データやアルゴリズムを蓄積して破壊的イノベーションを起こす」側に回ることを目指すべきであり、そうでないビジネスモデルの採用は、それでも長期的に勝ち残っていけるのか、破壊的イノベーションを起こす企業が現れて負ける可能性は無いのか、ということをシビアな上にもシビアに見つめた上で行うべきでしょう。

 

社名「Fringe81」の「81」は、日本の国コード。
日本から世界に飛び出すような会社になろうという意味を込めたそうですが、ぜひ、そうなるようがんばってください。

 

(ではまた。)

 


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May 24, 2010

週刊isologue(第60号)ソフトバンクの「分離案」(「光の道」関連)を読む

「ベンチャー企業の株主を『追い出す』方法」シリーズが2回目でまだ途中なのですが、池田信夫さんからご要望があって、今話題でもあり日本の将来にも関連しそうなので、今週の週刊isologueは、このソフトバンクが総務省に提出した「アクセス回線会社収支試算結果説明資料」を読み解いて行きたいと思います。

 

この「アクセス回線会社」というのは、メタルの回線をやめて光ファイバーを100%にするいわゆる「光の道」に対してソフトバンクが「国費の投入無しで可能」として提案している収支試算結果です。

検討が行われている総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース - 電気通信市場の環境変化への対応検討部会」のホームページは下記です。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/global_ict/kankyou_henka.html

この5月14日に行われた第11回会合で提出された、「ソフトバンク株式会社提出資料(アクセス会社収支試算)PDF」について検討していきたいと思います。

 

ただし、昨日から検討をはじめただけで、孫さん佐々木さんの対談のUSTREAMの中継やその書き起こしなども全部は拝見しておりませんし、私が電話や光ファイバーの技術や原価データを持っているわけではないので、さすがに1日で、この内容が妥当かどうかを検証するなんてことはできるわけはありません。(すみません。)

 

ということで、わからないことはわからないとして、今回は、この「アクセス回線会社収支試算結果説明資料」の全体構成がどうなっているか、ざっくり見ていくことにしたいと思います。

こうした計画書がどのように作られているか、どういった点に注意しなければならないかについては、ベンチャー企業の創業や大企業の新規事業などでビジネスプランを作って行く際の基本の勉強にもなるかと思います。

また、上記のとおり時間がなかったこともあり、全世帯に光ファイバーを引くのがいいのかどうか、光ファイバー事業だけを分社化するのが適切なのかどうか、なぜソフトバンクがそんなことを言う必要があるのかどうか、といった政治的・技術的なことは横に置かせていただいており、主として財務的な側面から、この資料について検討をしております。

 

ということで、今週はちょっと多めで、仮に印刷すると27ページほどになっちゃいました(汗)。

 

今週の目次&キーワードは以下の通り。

  • ソフトバンク提出資料の内容
  • 事業計画と前提条件
  • 貸借対照表が無い
  • 固定電話の契約数の減少状況、ARPU
  • NTTのブロードバンドサービスの契約の増加状況、ARPU
  • (ソフトバンク松本副社長の考える)レイヤー別の競争
  • ブロードバンドサービスの需要の価格弾力性
    (競争で価格が下がったら需要は上がるか?)
  • 競争でスピードやサービスが向上するか?
  • 契約数の目標は適切か?
  • 減価償却費が定率法から定額法に変更
  • このプロジェクトの税務戦略
  • 引き継がれる資産量が不明?
  • NTTからの分割スキーム、資金調達をどうするか?
  • 本当に国費は不要なのか?

 

ご興味のある方は、下記からお申し込みいただければ幸いです。

 

(ではまた。)

 

 


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May 23, 2010

ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版

(TIPSの追記あり:2010/05/24 9:19、13:18)
(スキャンと著作権法の追記あり:2010/05/24 10:00)
(著作権法の解釈について追記:2010/05/26)

 

書籍や雑誌をスキャンして「電子」化する方法について、ツイッター等でのお問い合わせが多いので、ブログの記事としてまとめさせていただいきました。

 

続きを読む "ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版" »

 


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May 22, 2010

今日の提案:「紙プロトコル」

「電子書籍」時代には届いた本はスキャンされて即捨てられる。
ちょっと罪悪感があるので、これからは本や雑誌でなく

紙プロトコル

と呼ぶことにしよう:-)。

つまり「モノ」というより、情報を伝えるための「通信手段」の一形態。

http://twitter.com/isologue/status/14462956478

 

 


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May 21, 2010

「AGORA」:電子出版で「本のコスト」はタダになるか ?

「アゴラ」に記事を書きました。

電子出版で「本のコスト」はタダになるか ?
http://agora-web.jp/archives/1017878.html

ご興味があればご覧下さい。  

(ではまた。)

 


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May 20, 2010

【親バカ系】 長男(中3)が基本情報技術者試験合格しますた

 


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May 19, 2010

ミクシィの監査役を任期満了で退任いたします

先ほどプレスリリースも出ましたが、来月6月の総会をもって、株式会社ミクシィの社外監査役を任期満了で退任させていただくことになりました。

 

ちょうど丸5年務めたのですが、監査役の任期は4年なので、次の任期満了までやると9年でちと長い。
任期の途中で辞めるというのもヘンな感じになる可能性もあるので、独立性(監査役が経営陣から[精神的に]独立していること)を確保する観点からも、5年というのはちょうど区切りがいいかな、と思いまして。

「5年でやめるべきだ」というルールやガイドラインがどこかにあるわけではないと思いますが、公認会計士法のパートナーのローテーションが今は5年になったので、その会計監査人の会計監査の相当性をチェックする立場である監査役も5年で交代というのが、個人的にはしっくり来ます。

 

就任1年目はまだ商法特例法上の「小会社」(つまり資本金が1億円以下)で、当然まだ上場もしていない時点。

上場で大会社になっても変更1年目の監査は小会社扱いで、上場後初の株主総会の時までは会計監査人もおらず、監査役が会計監査の(会計監査を含む)監査報告書にサインをしました。(当然、監査法人さんには監査はしていただいてはいたわけではありますが、ちょっとドキドキ。:-)

 

取締役の方々も、この5年でほとんど入れ替わりました。

学生時代から当社に関わってたイキのいい人達の役員会も面白かったですが、現在は、他の会社等で経験を積んだ一線の方々が取締役に加わって、非常に頼もしい取締役会に成長したのではないかと思います。

 

また、総会後は、ハートワース・パートナーズ株式会社代表取締役/公認会計士の青柳 立野(あおやぎ たつや)氏に社外監査役にご就任いただく予定。こちらも大変頼もしい方です。

 

投資家や顧客のみなさん、お取引先、役員、従業員のみなさん、お世話になりました!

今後ともよろしくお願い致します。<(_ _)>

 

(ではまた。)

 

 


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May 17, 2010

週刊isologue(第59号)ベンチャー企業の株主を「追い出す」方法(第2回)

今週の週刊isologueも、先週に引き続いてベンチャー企業の株主を「追い出す」方法について考えてみます。

 

先週も書きましたが、株式会社の経営者や大株主は、少数株主の利益に十分配慮して経営をすべきです。
株主に報いるように行動するのが株式会社ですから、株主の権利をないがしろにするなんてことはとんでもないですし、ましてや、将来上場を目指すようなベンチャー企業ならなおさら、株主の権利を軽く考えるなんてことは許されません。

一方で、そうは言っても、やはり人間がやることですので、特に非上場の小規模な企業においては、反りが会わない株主などいっしょに会社をやっていくのは、結局誰も幸せにならない、ということもあるかと思います。

 

先週考えたのと同じ、「スクイーズアウトされる株主と違う会社で事業を行う」という(「クラウンジュエル」的な)考え方をベースに、上記のような問題を改善する工夫をしてみたいと思います。

 


201005172234.jpg

 

今週の目次&キーワードは以下の通り。

  • 株式交換を使って別会社に移す方法
  • 株式移転を使って別会社に移す方法
  • 持株会社に株式を譲渡する方法
  • 貸株を使う方法
  • 現物出資を組み合わせる方法

 

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  (ではまた。)

 

 


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May 10, 2010

週刊isologue(第58号)ベンチャー企業の株主を「追い出す」方法(第1回)

今週の週刊isologueはベンチャー企業の株主を「追い出す」方法、について、です。

 

「株式会社は株主のものだ」かどうかはさておき、株式で調達した資金を「自己資本」と呼ぶように、株主は同じリスクを負う「仲間」です。

上場を目指すベンチャー企業は、株主に報いる経営をする気があるかどうかが上場審査等で問われますし、上場を目指さない企業であっても、この「株主の権利」を粗末に扱うなんてのは、もってのほかであります。

つまり、一度株主になってもらったら、後から「出て行ってくれ」と言うことは非常に難しいですし、どんな株主に何株持ってもらうかという「資本政策」は、設立当初から慎重に考えて策定することが重要です。
資本政策をやり直すことは、後になればなるほど難しくなるということは、この「週刊isologue」でも繰り返し申し上げてきました。

 

しかし、そうは言っても、日本の場合、設立した直後に上場までを考えてアドバイスしてくれる専門家というのは少ないし、ベンチャー企業側もそういった相談をすることを思いつかないことも多い。
だから、一番重要な初期の段階で、知識がないばかりにヘンな株主をヘンな具合に入れてしまって後から後悔するというケースは多いはずです。
また、知識があっても、人間がやることですので事前にいくら考えても完璧なんてことはないわけでして。

 

このため、後から「この株主に出て行っていただけないかなあ」と思うことは、まま発生するかと思います。

株主に出て行っていただくことやその手法は、スクイーズ・アウト(squeeze out)と呼ばれます。
今週から何回か、未上場のベンチャー企業が行うスクイーズアウトの手法について考えてみたいと思います。

 

会社法を勉強された方は、

商法時代と違って、会社法では「全部取得条項付種類株式」や「現金対価の合併」等が認められるようになったから、議決権の3分の2以上を押さえて特別決議さえすれば、株主を追い出すことは簡単なのでは?

と思われるかも知れません。

しかし、ベンチャー企業の実務となると、株主総会の決議が通るだけではなく、

  1. そのスキームを実行するのに、リーガルフィーはいくらかかるのか?
  2. 裁判所が関与するスキームか?話がこじれて訴訟になっても裁判所を納得させられるか?(つまり「フェア」か?)
  3. 株主に出て行ってもらうために、いくら「お金」を用意すればいいか?
  4. 出て行く株主に税金がどのくらい(どう)かかるか?
  5. 残る株主達に税金がかかったりしないか?

等、いろんなことを考えないといけません。

つまり、スキームの公正性(「フェア」かどうか)の問題、各株主の取得価格と現在の株式の時価の差額等、いろいろな要素を考慮する必要が出て来るわけです。

 

そこで今回は、

  • 比較的時価総額が小さいベンチャー企業で、
    (VC等からのファイナンスが行われておらず、企業価値が1億円前後くらいまで)
  • 出て行っていただきたい株主の持株比率合計は、10%未満くらい
  • 出て行っていただきたい株主の株式の価値は、せいぜい数百万円レベル
  • その株主が得るキャピタルゲインも百万円単位

というケースに絞って考えたいと思います。

つまり、株主とこじれたといっても、まだ「初期症状」で「病状も軽い」ケースですね。


201005102349.jpg

 

というわけで、今週の目次&キーワードは以下の通り。

  • ベストな方法は?
  • 「全部取得」が創業期ベンチャーに向かないわけ
  • 対象となる株主が少ない場合の問題(「端数」処理)
  • 会社を「やりなおし」したらどうか?

 

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May 3, 2010

週刊isologue(第57号)HFTを含む電子ビジネスと国境について考える(後編)

みなさん連休いかがお過ごしでしょうか。

連休にふさわしいとはまったく言えないテーマで恐縮ではありますが、今週の週刊isologueは、先週の前編に引き続き、いよいよ本題の「HFT」について考えます。

 

■HFTとは何か?

HFTは「High Frequency Trading」の略で、コンピュータを証券取引所のコンピュータに「直結」し、ミリ秒 (milli second、ミリセック)、つまり千分の1秒オーダーかそれ以下で自動で売買を行なうこと、またその手法を指します。

欧米で盛んになってますが、日本でも東証の新システム「arrowhead(アローヘッド)」が稼働しはじめてから、一般にも脚光を浴び始めています。

こちらの東証さんのプレスリリースによると、

「arrowhead」では5ミリ秒…の注文応答時間、3ミリ秒の情報配信スピードを実現します。売買・市場情報の両面でミリ秒レベルのスピードを実現することで、素早くマーケット動向をキャッチして取引を行うことが可能となり、流動性の向上とともに、新たな取引スタイルやビジネスモデルを生み出すものと考えております。

とのことです。

(引用部、下線・強調は筆者による。以下同様。)

 

■みずほ証券-東証(ジェイコム株誤発注)裁判の影響は?

1000分の1秒というと、素直な方は「速い!」と感嘆されると思いますし、「そんなに急いでどうするのかねえ」と縁側で茶をすすりたい気持ちになる方も多いかもしれません。

しかし、欧米ではすでに取引の中心は「ミリ秒」を切って「数百マイクロ(μ)秒」の世界に突入しています。
(1マイクロ秒は、百万分の1秒です。)

加えて、上記の東証さんのプレスリリースをよく見ると、「注文応答時間」が5ミリ秒と書かれていますが、注文が「」に乗ったり実際に約定するまでの時間が書かれているわけではありません。

 

また、日本の今後を占う上で、昨年12月4日に出た、みずほ証券のジェイコム株誤発注の判決の影響も気になるところです。

東証が負けて、(にもかかわらず)みずほ証券が控訴してるわけですが、こちらのITPROの記事によると、

松井英隆裁判長は東証の責任を認め、次のように述べた。
「取消処理ができない不完全なシステムを提供した。価格と数量が通常でない注文を認識しながらも売買停止権限を行使しなかった。過失は重大であるといわざるを得ない」。
一方で、誤発注をしたみずほ証券にも過失があったとした。その根拠として「初歩的な入力ミスをした」「警告表示を無視した」「発注管理体制にも不備があった」ことを挙げた。

とあります。

みずほ側では取消注文を入れたのに、東証のコンピュータの反応がノロくて取り消しができなかったことが「大事故」につながったわけですから、非常に高速な「アローヘッド」が稼働したことによって、今後、そうしたことは発生しなくなるようにも思えます。

しかし、ジェイコム誤発注時には「なんだ?この注文?」と(人間の)デイトレーダーの方々等が(速くても数千ミリ秒といった、HFTに比べれば千倍ノロいレスポンスで)反応していたのが、取引相手の反応が今後何千倍にも速くなるとすると、誤発注して数十ミリ秒後には、すべて取引は終了している可能性も出てきます。

このため、判決で「価格と数量が通常でない注文を認識しながらも」と、東証側に注文が正常かどうかを判断する義務があるとしていることからすると、アローヘッド時代になっても、注文が正常かどうかを認識させるアルゴリズムをかませる必要はあるかも知れません。

そして、そうしたコンプライアンスチェックのプログラムをかませればかませるほど、当然、注文が「板」に乗るまでの時間は長くなってしまうでしょう。それが数十ミリ秒かかるといったことになると、海外の証券システムに比べて数十倍から数百倍ノロい、ということになるかも知れません。

(アローヘッドになって、「速過ぎて東証では責任持てないから、誤発注は発注者の責任でね」という契約に変更されたりしてるのでしょうか?よく存じませんが。)

 



201005032239.jpg

 

というわけで、今回の目次&キーワードは、

  • 「デイトレーダー」は滅びる運命か?
  • ダイレクト・マーケット・アクセス(DMA)
  • HFTと税に関わる報道(WSJ、日経)
  • HFTのサーバーは恒久的施設(PE)にあたるか?
  • 「独立代理人」を使ったスキームの可能性
  • 問題は税だけか?(ネイキッド・アクセスとHFTの「生態系」)
  • 証券市場は国際的なシステムの戦いに突入している(日本はどうする?)

 

 

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April 26, 2010

週刊isologue(第56号)HFTを含む電子ビジネスと国境について考える(前編)

今週の週刊isologueは、ネットビジネスの国際課税のお話です。

昨年7月発行の週刊isologue第17号「アマゾンとネットビジネスの未来」で、アマゾンの追徴課税のことを若干取り上げましたが、今回はより一般的に、電子商取引や電子証券取引における国際的な課税(平たく言うと、ネットの時代に国家間でどのように税金=ショバ代をブン取り合うか)について検討したいと思います。

書き始めたらちょっとボリュームが多くなってしまったので、前後編に分けさせていただいて、

今回の前編では、電子商取引における国際租税の基本、及び、サーバー等の実装の違いでどのような視点の違いが生まれるのか?等についてを考え、

次回後編は、OECDモデル租税条約2008年改訂に対するコメンタリーや、金融庁参考事例集をベースに、究極のケースとして、超高速の電子取引「HFT (High Frequency Tranding)」のサーバーを証券取引所のサーバールームにコロケーションした場合や「独立代理人」概念が何か使えないか?等について考えたいと思います。

今後、どの程度外国の投資家がHFTで参入し、注文がどう増加し、日本の株式市場がどうなっていくかについては、投資家のみなさんも大きな関心事かと思います。

報道によると、米国の株式市場での"取引"の5割とか7割は、HFTによるものになってきている、とのこと。
(取引というのが「注文」なのか「約定」なのか、金額ベースなのか件数ベースなのかは不明ですし、元データを見た訳ではないので要検証。)

このため、税務がHFT外国勢の日本進出にどう影響するのかといったあたりを整理しておいて損は無いかと思います。


201004262325.jpg

 

・・・ということで、今週の目次とキーワードは以下の通り。

  • ネット時代にどこが問題になるか?
  • アマゾンの追徴課税のケース
  • 問われる国家の戦略
  • ルールはどうなっているか?
  • OECD条約モデルにおけるPE概念
  • 技術的な実装とPEについて考える

 

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April 24, 2010

「AGORA」:「クラウド」時代のビジネス、国家権力、犯罪を想像してみた

「アゴラ」に記事を書きました。

「クラウド」時代のビジネス、国家権力、犯罪を想像してみた
http://agora-web.jp/archives/991064.html

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April 19, 2010

週刊isologue(第55号) 「外資」はホントにライブドアでボロ儲けしたのか?

今週の「週刊isologue」は、 「『外資』はホントにライブドアでボロ儲けしたのか?」について考えてみます。

 

---

産経新聞社(株式会社産経デジタル)のサイト「ZAKZAK」に、

外資310億円ボロ儲け衝撃テク…ライブドア売却の深層

という記事があって、ツイッターの一部でちょっと盛り上がりましたので、今週はこのライブドアの件を取り上げてみたいと思います。

「外資」は本当にライブドアで「ボロ儲け」をしたのでしょうか?

 

ライブドアについては、昨年5月11日発行の「週刊isologue」第6号

「『ライブドア』は今、どうなっているか?」
http://www.tez.com/blog/archives/001362.html

で、その時点までの状況をまとめました。

それ以降、株主や堀江氏をはじめとする旧経営陣や会計士との和解があり、先週は韓国のインターネット最大手NHNの日本法人への(新)ライブドア社の売却も決まりましたので、以下、ライブドアの現在までの流れを整理してみたいと思います。

 

今回の目次&キーワードは、

  • 旧ライブドアの上場廃止、商号変更
  • 株式併合で株式数は約100分の1に
  • 「新ライブドア」の会社分割
  • 配当の実施
  • 「セシール」の売却
  • 次々に和解が成立
  • (新)ライブドアの譲渡
  • 「外資」はどのくらい儲かったのか?
    (LDH大株主の変遷)
等です。

 

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April 13, 2010

週刊isologue(第54号)(意外にも)急速に盛り上がりつつある日本の起業

今週の「週刊isologue」では、日本の起業をデータから考えてみます。

---

 

今朝起きて最初に目にとまったのが、Market Hack編集長の広瀬隆雄さん(@hirosetakao)の下記のツイートです。

#markethack 世界標準から余りにかけ離れている日本の起業意識 http://bit.ly/9dX8HX
(http://twitter.com/hirosetakao/status/12007562402)

広瀬さんが書かれた

終わってる国日本 起業動向から見た危機感の欠如
http://markethack.net/archives/51537824.html

というMarket Hackの記事を紹介しています。

 

同記事の冒頭の部分を一部引用させていただくと、以下の通りです。 

日本オワタ、、、

『グローバル・アントレプレナーシップ・モニター 2009グローバル・レポート』を読んだ僕の率直な気持ちです。

ギリシャの直面している問題を見て、(明日は我が身)と感じている投資家も多いかと思います。
(中略)

ギリシャが成長できないのは活気溢れる産業活動が無いからです。

ビジネス・チャンスは時代とともに変わり、必要とされる財やサービスは移ろいで行くものである以上、企業も柔軟にそのような変化についてゆかなけえばいけません。もちろん、既存の企業が変化に対応するということも大事ですけど、やっぱり新しいビジネス・チャンスには新しい企業が取り組むというのが自然な姿だと僕は思います。

つまりアントレプレナー(起業家)を巡る環境というのは、その国の活力や将来の潜在成長力というものを考えた場合、極めて重要な問題だということです。

その起業を巡る環境ですが、日本の状態はハッキリ言ってお寒いです。

 

これに続くMarket Hackの記事本文もぜひご覧下さい。

「起業のチャンスがあると思うか?」
「自分に起業の能力はあると思うか?」
「事業失敗への恐れ」
「起業は自分の進路として良いと思うか?」
「成功した起業家の社会的ステータス」

等のグラフも掲載されていて、どれも「日本が世界の中で最悪」と見えます。

 

私も、これを見た第一印象を、ツイッターに以下のように書きました。

このグラフはスゴい!起業関係者要回覧。(ものすごいチャンスだ、とも言えるw。)
(http://twitter.com/isologue/status/12010600590)

ご参考:viratterというツイッターの発言をまとめサービスに、他の方々の反応も載っています。
http://viratter.jp/t/12007562402

 

しかし、日本って本当に起業に最悪な環境なのでしょうか?

日本の起業環境に改善の余地がたくさんあるのは確かにその通りだと思いますし、成長戦略無くして日本の財政や将来の国債の償還の懸念が感じられるというのは全くその通りではないかと思います。
政府が「行き過ぎた金融資本主義」なんてことを言ってることに強い警鐘を鳴らすことも必要でしょう。

また、株式上場を目指すような起業というのは決して簡単な話ではないので、私は誰にでも起業を勧めるオッサンでもございません。マクロで起業が増えるのはいいことですが、イケてない人が起業しても失敗するだけ。

 

しかし、冒頭のような記事を読んで
「やっぱり日本では起業に冷たい国なんだなあ」
「日本は起業のチャンスが無い国なんだなあ」
と思ったら、それは大違いじゃないかと思います。

広瀬さんが引用されているレポートその他のベンチャー企業のデータを見ていくと、逆に日本は、世界で最も起業のチャンスがある国とも考えられるのではないかと思います。

 

ということで、今週の目次とキーワードは下記の通り。

 

  • 元レポート(GEM Global Reports 2009)の概要
  • どこまでが「アーリーステージ」か?
  • 「ベンチャー企業で働く人(TEA)の比率」とは?
  • 日本の起業環境は世界最悪なのか?
  • 日本はベンチャー資金が供給されない国か?
  • 日本は世界一ベンチャー投資が受けやすい国?
  • 景気や制度のせいにするな
 

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(ではまた。)

 


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April 8, 2010

牧野洋の「ジャーナリズムは死んだか」

元日経新聞の編集委員の牧野洋さんからご連絡いただきまして、本日から現代ビジネスで、

牧野洋の「ジャーナリズムは死んだか」

という連載を始められるそうです。
第一回目は「第1回 トヨタ問題をリードしたLAタイムズの『調査報道』」 。

 

ちなみに以前ご紹介した牧野さんのブログ、ジャストシステムがブログサービスを停止してシックス・アパートにサービスを移管したために、

第三者が張っていたリンクがすべて消滅するなどで、実質的に読者ゼロからの再スタートになってしまいました。

と、悲惨な状況になってます。

新URLはこちら:http://worklifebalance.typepad.jp/blog/

ジャストシステムさん、旧URLから自動的に新URLに転送するサービスくらい用意すればいいのに・・・。
(そういうコストをかけないから黒字化できたのか・・・というとイジワルな言い方になっちゃいますが。)

 

牧野さんからは、よさげな訳書

 

ウォーレン・バフェット華麗なる流儀―現代版「カサンドラ」の運命を変えた日
ジャネット・タバコリ 牧野 洋
東洋経済新報社
売り上げランキング: 76711

 

も送っていただいておりますが、まだ書評はおろか読めてもおりませんですみません。

取り急ぎ、お知らせまで。

 

(ではまた。)

 


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March 26, 2010

「AGORA」:日経新聞電子版で考える「電子出版物の価値とは何か?」

「アゴラ」に記事を書きました。

日経新聞電子版で考える「電子出版物の価値とは何か?」
http://agora-web.jp/archives/967202.html

ご興味があればご覧下さい。  

(ではまた。)

 


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