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ガス田共同開発、条約交渉入り合意 日中首脳会談

2010年5月31日14時10分

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写真:首脳会談を前に握手を交わす鳩山由紀夫首相(右)と中国の温家宝首相=31日午前10時24分、首相官邸、細川卓撮影首脳会談を前に握手を交わす鳩山由紀夫首相(右)と中国の温家宝首相=31日午前10時24分、首相官邸、細川卓撮影

 鳩山由紀夫首相は31日午前、日本を公式訪問中の中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相と首相官邸で会談。東シナ海のガス田の共同開発について、早急に条約締結交渉入りすることで合意した。2008年6月の両国合意以来、中国側が消極的な姿勢を崩さず、進展がなかった交渉が加速しそうだ。

 日本外務省によると、ガス田開発について、温首相が「できるだけ早急に交渉を開始したい」と発言。正式な交渉入りで合意した。

 ガス田開発をめぐっては、日本側が08年合意に基づき、日中両国の共同開発に向けた条約締結交渉の早期開始を求めてきたが、中国側は応じてこなかった。今回、温首相が交渉入りを明言したことで、近く高級事務レベルで本格的な交渉が始まる見通し。

 また、鳩山首相が東シナ海を「友愛の海」にするとして呼びかけていた両国の危機管理メカニズムの構築に関しても、早期に具体化することで一致。日中首脳が速やかに意見交換できるよう、ホットラインを設けることで合意した。

 一方、会談に先立つ少人数会合で鳩山首相が韓国の哨戒艦沈没事件をめぐって「国際ルールにのっとって北朝鮮は厳しく非難されるべきだ」と発言。北朝鮮に厳しい対応で臨むよう協力を求めた。温首相は国連安全保障理事会への対応などで日中両国が意思疎通を図る必要があるとの認識を示した。

 また、日本の排他的経済水域(EEZ)内で中国調査船が海上保安庁調査船に接近したり、中国海軍の艦載ヘリが海上自衛隊護衛艦に異常接近したりしたことを念頭に、鳩山首相は「最近の日本の周辺海域での中国の行動を懸念する」と苦言を呈した。

 食品の安全については、両首脳立ち会いのもと、長妻昭厚生労働相と中国国家品質監督検査検疫総局の王勇(ワン・ヨン)局長が覚書に署名した。覚書では、日中両政府間で食品の安全の情報交換や安全対策を進めるため、担当閣僚が年1回定期会合を開くとともに、行動計画を策定することを決定。この日午前、長妻、王両氏が第1回会合を開催し、2010年度行動計画を決めた。

 食の安全を脅かす問題が発生した場合、相手国の同意のもと関係施設への立ち入り調査を行うことも確認。食品をめぐる事件を防止するため、日本の先進的な食品検査の技術や機器を提供することも明記し、中国の食品安全管理の水準向上を目指す。(倉重奈苗、峯村健司)

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