日本の小惑星探査機「はやぶさ」が、7年にわたる宇宙の旅を終え、13日夜、地球に帰還します。太陽系の誕生当時の姿をとどめるとされる小惑星の石を持ち帰ることができれば世界初の快挙で、その帰還に注目が集まっています。
「はやぶさ」は、地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に着陸し、7年ぶりに帰還するもので、大気圏に突入する際に小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルをオーストラリア南部の砂漠に落下させる予定です。太陽系の誕生当時の姿をとどめるとされる小惑星の石を持ち帰ることができれば、世界初の快挙で、地球誕生の謎の解明につながる手がかりが得られると期待されています。現地では、日本から派遣された40人規模の回収隊がカプセルが出す電波を頼りに、落下地点を特定し、回収に当たることになっています。「はやぶさ」は、相次ぐエンジンの故障や通信の途絶など、絶体絶命のピンチに何度も見舞われ、一時、帰還が危ぶまれましたが、そのたびに危機を乗り越えた姿に多くの人たちが共感しました。現地には、日本からも多くの人たちが観測に訪れていて、30代の男性は「はやぶさの技術者たちの努力に頭が下がる思いです。ぜひ最後を見届けたいと思い、現地に来ました」と話していました。このあと「はやぶさ」は、日本時間の午後8時ごろカプセルを切り離し、午後11時前に大気圏に突入する予定で、本体は燃え尽き、カプセルだけが地球に帰還することになっています。