ストーカー男と娘を逮捕　金銭目的で犯行か　千葉

　千葉県八街市の農業、中村行夫さん（７６）が刺殺され、自宅が放火された事件で、佐倉署捜査本部は２２日、強盗殺人と現住建造物等放火の容疑で、中村さんの孫娘の知人で、同市八街、土木作業員、平野重治容疑者（４７）＝別の器物損壊容疑で逮捕＝を再逮捕。両容疑で、平野容疑者の無職の娘（１５）を逮捕した。

　逮捕された娘は、中村さんの孫娘（１６）と小中学校時代の同級生で、中村さんとも顔見知りだったといい、調べに対して犯行当時の状況を詳細に説明しているとされる。一方、平野容疑者は「何も話をするつもりはない」などと供述しているという。

　捜査本部の調べによると、平野容疑者らは１１日午前６時５０分ごろから午後２時半ごろまでの間、同市小谷流の中村さん方に侵入。中村さんの背中を刃物で刺して殺害し、現金十数万円を奪った上で自宅を放火した疑いが持たれている。

　中村さんは、自宅を放火された翌１２日、焼け跡から遺体で発見されていた。

　背中には、右肺に達する刺し傷があり、死因は出血性ショック死。遺体には油のようなものがかけられていたという。

　捜査本部は、現場付近に乗り捨てられていた自転車から、平野容疑者らのＤＮＡを採取し、娘の証言に基づいて千葉市内で凶器となりうる刃物と、２人が逃走のために利用した中村さんの軽自動車を発見。２人が金目当てに中村さん方に侵入し、犯行に関与した可能性が高いと判断した。

　平野容疑者は昨年６月、同市内の中学校などの窓ガラスを壊した器物損壊の疑いで、中村さんが遺体で発見された１２日に逮捕されていた。

　捜査本部によると、平野容疑者は中村さんの孫娘に、交際を求める電話や脅迫めいたメールを複数回送っていたという。

　このため孫娘は４月中旬、佐倉署にストーカー被害を相談していた。