沖縄負担減へ全力 菅内閣発足

「賛成してもらってない」

2010年6月9日 09時55分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【東京】菅直人首相は8日、官邸での就任会見で、米軍普天間飛行場移設への姿勢について「(5月の)日米合意に基づいて進めなければいけないが、閣議決定で述べた沖縄の負担軽減も真摯(しんし)に全力を挙げて取り組む」との認識を表明した。沖縄側の受け止めに関しては「現時点で(日米合意に)賛成してもらっていると思える状況にない」と述べ、仙谷由人官房長官の下で関係省庁を含めた体制づくりを急ぐ考えも示した。

 菅首相は、8月末までに名護市辺野古での代替施設の建設場所や工法を決める方向性について「日程上の約束になっているが、日米間で決めれば自動的に沖縄の皆さんが了解してもらえることではない」と指摘。

 「大変困難な課題だが、しっかりと一つの方向性を持って取り組む」と述べ、詳細合意に向けた日米の事務方協議と並行して沖縄の理解を求めるとした。

関係閣僚が再任 知事「まずまず」

 菅内閣の決定を受けて仲井真弘多知事は8日、「政策を展開していくには、それなりの期間がなければ意味のあることはできない。そういう意味ではまずまず」と述べ、沖縄担当相や防衛相、外相など沖縄問題に関係する大臣らが再任された内閣人事を評価した。

 一方、菅首相が米軍普天間飛行場移設問題で、日米共同声明を踏まえていく方針を示していることについて「どんな具合に進めていくつもりなのか。時間的な展開がよく分からない」と不快感を示した。「ただ2国間の政府で決めたことを簡単にやれると思っているなら違う。工法を8月末に決めるというが、なぜ8月なのか。何を決めるのか。状況が全く分からない」と語気を強めた。

対米交渉の見直し要求
名護市長

 【名護】稲嶺進名護市長は8日に発足した新内閣について、「変わったというところを示してほしい。(政府は)対等な日米関係と言ってきたので、新しい首相がそれをやるということがあってもいい」と述べ、対米交渉の見直しを求めた。

 名護市辺野古移設を記した日米共同声明については「海にも陸にもだめだと言ってきたので全く受け入れられる状況ではないし、実効性からいうとゼロ」との立場をあらためて強調した。

 また、再任された岡田克也外相ら普天間問題の関係閣僚に対し、「海兵隊の抑止力というのはそんなに大きなウエートを占めているものではない。もう一度考え直してみることは(可能性としては)ゼロではない。そのことに気をつけてほしい」と注文を付けた。

 仙谷由人官房長官については「官房長官がリードすることで、新しい方向付けができたらいい。沖縄の心を真摯(しんし)に受け止めるということから始めてほしい」と期待した。

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