普天間 民意届くか 菅内閣発足

「貧困の連鎖断って」 農家への支援注文

2010年6月9日 09時55分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 「民意を大事にする政権に」―。菅新内閣が発足した8日、県内からは米軍普天間飛行場の移設問題で名護市辺野古への移設を明記した日米合意にかかわった外相と防衛相の留任に落胆する一方、菅新政権の要役となる仙谷由人官房長官への期待も聞かれた。また、家庭の貧困対策や厳しい経営環境が続く農家への支援を求める声もあがった。

 平和市民連絡会の当山栄事務局長は「外相と防衛相が残り、最悪な状況だ」と批判。一方で「民主党内には普天間飛行場の県外・国外移設を求める多くの議員がいる。県内移設や地域の分断を進めた平野官房長官から、名護市長選挙で稲嶺さんの必勝を願う為文を送った仙谷さんに変わった。移設反対という名護市長選で示された民意と民主主義を大事にすることを期待したい」と話した。

 子育て支援に取り組む県ファミリーサポートセンター連絡協議会の与座初美会長は「全国に比べて県内は家庭の貧困が根深く、世代を超えて子どもたちに連鎖している。虐待や非行などから子どもを守るだけでなく、家族ごとに救う仕組みをつくってほしい」と期待を込める。

 子ども手当について一定評価しつつ「義務教育の完全無料化や待機児童を減らすために予算を使うべきだ。待機児童を解消すると言っていた前少子化担当相の姿勢を引き継いで」と激励した。

 やんばる和牛改良組合の西平賀盛組合長は「農家の担い手を支援する事業や経営に直結する分野での事業費が削減され、経営環境はますます厳しくなっている」と指摘。「口蹄(こうてい)疫の対策を万全にするのと同時に、競りを一日も早く再開できるようにしてほしい。農家が安心して経営できる政策を実施して」と要望した。

閣僚に期待と落胆
参院選投開票、7月11日?それとも25日?
選管、作業ギリギリ
美ら島総体に影響も

 「今日、明日にでも決めてほしい」―。菅直人新内閣発足で国会会期が延長含みとなり、参議院選挙は「7月11日投開票(6月24日公示)」とともに「7月25日投開票(7月8日公示)」も浮上。投票日が決まらないため各市町村の選挙管理委員会では期日前投票入場券の印刷や、啓発の広報活動を控えている。また、投開票が同25日になった場合、3日後に開会する全国高校総体「美ら島沖縄総体2010」への影響も心配されている。

 24万人余りの有権者を抱える那覇市では、8日から沖縄選挙区の候補者のポスターを張る掲示板の設置を始めたが、投票日は記載しなかった。市内で386カ所に設置する予定のため、これ以上遅らせられないとの判断があった。投開票日が7月11日の場合、有権者名簿の確認や期日前投票の入場券発送作業を考えると「印刷業者への発注は本当にギリギリ。今日か明日には決めてほしい」と担当者は悲鳴を上げる。

 糸満市では、開票所の市西崎総合体育館が全国高校総体でバドミントン主会場になっている。7月25日は空調設備の工事を行う予定が入っていた。工事を26日以降に延ばすと練習が競技本番の直前になり、24日以前だと既に入っている市民の予定を取り消さなければならず、頭を抱えている。

 宜野湾市では、開票所の市立体育館は7月25日は押さえることが難しいと判断、代わりの施設を予約したが、場所が狭く開票作業への影響を心配する。

 名護市では7月24、25日に漁港で名護夏祭りがある。開票所の名護市民会館は例年祭り客の車でいっぱいになるが、各投票所から投票箱を運ぶ職員のため祭り客の駐車を制限することを検討。懸垂幕の発注も控えている。担当者は「啓発用なので日付を間違えるわけにはいかない。ギリギリまで見守りたい」。

 県選管は「『投票日がいつになるのか』という問い合わせが相次いでいるが、こちらでは答えられない。いつ選挙になっても、万全の対応ができるよう備えてほしい」と話している。

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