私は昨日のエントリで、民主党の小沢一郎前幹事長による党費の使い方について書きました。で、今朝の通勤電車で、文藝春秋七月号を読んでいたところ、ジャーナリストの松田賢弥氏が、同じ問題を取り上げつつ、さらに深く突っ込んでいろいろ追及していたので、それを紹介しようと思います。詳しくは原文を読んでいただきたいのですが、ちょっと関心をひかれた「さわり」を記しておきます。
《「組織対策費」とは、政治資金規正法上の「組織活動費」の中の項目の一つだ。支出を受けた議員側の手書きの領収書さえあればそれ以上の使途の説明は不要とされる。議員個人の所得ではなく政治資金のため、議員側には税務申告をする必要もない。
つまり、政党のカネを政治家個人にいったん流すことで、使途を明らかにせずに済むカネが、いくらでも合法的に作り出せるのだ》
《「組織対策費」による公党のカネの機密費化は小沢が代表になる前の民主党にはまったくなかった手法である。
愛知県出身の参院議員で07年8月から山岡の後任として党財務委員長を務めている佐藤泰介には、08年3月から11月までのわずか8カ月の間に計5回、総額5億3000万円もの「組織対策費」が支出されていた。ちなみに佐藤は元々愛知県の教員で、愛知県教員組合の執行委員長を務めた。山梨県教職員組合の元執行委員長で小沢側近の輿石東参院議員会長とは関係が深く、そのラインで財務委員長に抜擢されたようだ。》
※この表の下3人がみな、日教組の組織内議員であるところが笑えますね。
《07年1年間分だけで山岡への支出は16億円余にのぼる。これは同じ年の政府の官房機密費、約14億円6000万円をも優に上回っている。いったいこのカネはどこに消えたのか。》
《小沢は新進党から自由党に至るまで、計5人に総額76億5767万円の組織対策費を支出。さらに民主党になってからの22億8810万円を加えると総額は99億4577万円。これだけのカネが使途不明になっているのだ。》
《民主党幹事長室に、こうした「組織対策費」について尋ねたところ、「答えられない」と回答した。》
…この組織対策費の闇については、私も過去のエントリで何度か書いてきましたね。不思議なことに、31億円も支出を受けたことになっている藤井裕久元財務相は昨年3月、朝日新聞の取材にこう答えています。
「僕はもらっていない。幹事長である以上は名前も出したが、よく知らない」
この問題は今年1月ごろ、新聞各紙が取り上げていましたから、ご記憶の方もいるでしょうが、いい機会なのでここで再掲しておきます。1月8日付の毎日新聞によると、4億円余を受け取ったはずの新進党幹事長だった米沢隆氏は
「そういう金額の大きいものを出し入れしたのは記憶にない。(領収書への)サインもしていない」
と答えています。また、同じく新進党幹事長として29億円以上の支出を受けたことになっている西岡武夫氏は
「まったく知らない。本人が受け取っていない金が(収支報告書に)載っているというのは変な話。(使途の)想像はできない。それだけ(資金が)あったらグループを作ってますよ」
とコメントしています。さらに、自由党幹事長だった野田毅氏も10億円余が支出されていますが
と述べています。いやはや、消えた金はどのようにロンダリングされ、どこに飲み込まれていったのでしょうね。恐ろしい話です。私は、今度の鳩山前首相による小沢前幹事長との「道連れ辞任」で、小沢氏や小沢の威を借る人たちはかなり苦しい立場に追い込まれているはずだと考えているのですが、参院選後は9月の党代表選に向けて、小沢氏が黙っているはずがないと見ている人たちも多いようです。
でも、私は小沢氏は日本社会にとっても政治の世界にとっても有害無益であり、二度と表舞台に登場してほしくないと思っています。この人がどういう人であるかは、普通に目を開けていればいくらでも見えることだろうに、なんでこんな人にこれだけ強く支持する人が多いのかと不思議でなりません。
by 阿比留瑠比
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