「アクセス回線会社」構想については不可解な部分が多いが、松本さんの記事でやっと少しはっきりしました。
或る方から、「新会社は、計画経済に基づく会社なのか、市場原理に基づく会社なのか」というご質問を頂きましたが、その答えは当然前者です。この会社の筆頭株主は政府で、その事業計画は「国が作る」とのことですから、アクセス回線会社は明らかに「民営」ではなく「国営企業」です。
そして松本さんも認めるように
NTTの構造分離は検討に値する議論ですが、全世帯を強制的にFTTHにするには、事業計画まですべて政府が決め、利用者の意思も無視する計画経済(国営化)が必要です。計画経済が非効率的でイノベーションを阻害することは、電電公社の時代に十分わかったはずです。それを民営化して成功した日本がNTTを国営化するのは時代錯誤であり、そんな法案が国会を通るはずもない。もう非現実的な話はやめて、来月にも最終決着が出る周波数割り当ての議論をしたほうが生産的だと思います。
最終的に国が作る事業計画がどうなるかは現時点で推測することは出来ません。しかし、はっきりしていることは、この事業計画が見込みのないものであれは、国はこの方向に進む決定はしないだろうという事です。したがってソフトバンクの提案は、論理的に成り立たない。彼らがいくら全世帯にFTTHを敷設する計画が望ましいと主張しても、新会社の経営陣(政府)が「見込みがない」と判断したら実行されないからです。ソフトバンクの計画を実現するには、NTT法で「取締役会の判断にかかわらず全世帯に光ファイバーを敷設する」と定めなければならないが、さすがに松本さんもそこまでは主張しておられないので、この話はここで終わりです。ソフトバンクの計画は、よしあしをいう以前に、法的に実現不可能なのです。
NTTの構造分離は検討に値する議論ですが、全世帯を強制的にFTTHにするには、事業計画まですべて政府が決め、利用者の意思も無視する計画経済(国営化)が必要です。計画経済が非効率的でイノベーションを阻害することは、電電公社の時代に十分わかったはずです。それを民営化して成功した日本がNTTを国営化するのは時代錯誤であり、そんな法案が国会を通るはずもない。もう非現実的な話はやめて、来月にも最終決着が出る周波数割り当ての議論をしたほうが生産的だと思います。
次にこの会社を国営会社というなら、現在のNTTも国営会社です。NTTがそのステータスから脱するためには、自らをばらばらに分割して、国には持ち株を全部売ってもらい、もう国からは一切何も言われない「普通の会社」になるしかありません。
会社の出発点として、オーナー(株主)が経営のルールと事業計画を明確にし、その遂行を経営者に求めるのは、全然おかしいことではありません。私が100%出資してある会社を作ったら、私はそうしますし、この場合は国がそうすればよいのです。
ソフトバンクの計算では「メタルを全廃して全てを例外なく光にすれば、経済的に経営が成り立ち、そうしないと成り立たない」という結果が出ていますが、池田先生がそうでないとおっしゃるなら、その計算根拠を出してください。NTTにも数字を出して議論に参加して欲しいと思います。
世界の全ての国がやっている「一部の分野に計画経済的な手法を入れる」方策の可否も、政権党が決めることであり、池田先生が決めることではありません。徹底的な市場原理主義者の池田先生がご意見をおっしゃるのはよいことですが、根拠となる数字がなければ、説得性は全くありません。国の政策に影響を与えるのも無理でしょう。