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「暴力的ビデオゲームはほとんどの子供には無害」と研究者

暴力的ビデオゲームは大多数の子供には無害で、ある種の性格的特性を持つ少数の子供に悪影響を及ぼす可能性があると科学者らが報告している。(ロイター)
2010年06月10日 15時20分 更新

 暴力的なビデオゲームは一部のプレイヤーの攻撃性や敵意を増幅するかもしれないが、多くのユーザーは視覚・空間スキルや社交能力の向上という恩恵を受けられると、科学者が報告している。

 米心理学会が発行する「Review of General Psychology」の特別号で、研究者らは、ビデオゲームは糖尿病や疼痛のコントロールにも役立ち、心理療法を補完するツールにもなると述べている。

 「暴力的なビデオゲームはピーナツバターのようなものだ」と米テキサスA&M大学のクリストファー・J・ファーガソン氏は言う。「大多数の子供には無害だが、もともと性格に問題があったり、精神的な問題を抱えている少数の子供には害がある」

 同氏は、これまでの研究で、暴力的ビデオゲームが多くの問題児を作り出していないことが示されていると付け加えた。

 「最近の研究では、ビデオゲームの人気が高まるにつれて、欧米の子供の問題行動は減り、暴力性も低下し、共通テストでの成績が上がっていることが示されている」とReview of General Psychologyの客員編集者であるファーガソン氏は話す。

 米ペンシルベニア州ビラノーバ大学のパトリック・マーキー氏は、118人のティーンを対象にした調査で、特定の性格特性によって、どの子供がビデオゲームに悪影響を受けるかを予測できることを発見した。

 すぐに怒ったり、落ち込んだり、感情的になる子供や、他人の感情に無関心な子、ルールを破る子、約束を守れない子は、暴力的ビデオゲームをプレイした後で敵対的になる傾向があるという。

 「暴力的ビデオゲームの影響を予想する材料となるのは、これらの性格的特性の組み合わせだということを研究結果は示唆している」とマーキー氏。「悪影響を受ける子供はもともとある種の気質を持っており、そのために暴力的なメディアに影響されやすくなっている」

 もっと明るい面としては、蘭ユトレヒトの大学医療センターのパメラ・カトー氏の研究で、特別に作成したゲームがぜんそくの発作を防止したり、疼痛を和らげたり、糖尿病を治療するのに役に立つと示されたことがある。

 米ボストンのマサチューセッツ総合病院のT・アティラ・ツェラノグル氏はリサーチレビューで、ビデオゲームを子供の心理学的アセスメントにも利用できることを発見した。

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[ニューヨーク 9日 ロイター]

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