県境6カ所の通行止め開始 鹿児島県曽於市

(2010年6月13日付)

 都城市の農場の牛が口蹄疫の遺伝子検査で陽性となったのを受け、隣接する鹿児島県曽於市は12日、県境を通る道路6カ所を三角コーンなどで通行止めにし、封鎖する作業をした。

 しかし地域住民のためとして車が通れるスペースは開けており、完全には封鎖しなかった。感染拡大を阻止するための取り組みとしては、効果に疑問符が付きそうだ。

 鹿児島県曽於市財部町の市道での12日の封鎖作業では、市の職員らが道路に三角コーンを並べ「口蹄疫の侵入を防止するため通行をご遠慮ください」と書いた看板を立てたが、車の多くは開いたスペースを通り過ぎていった。

 曽於市によると、封鎖の6カ所は、畜産関係者のトラックなどが消毒ポイントを避ける抜け道として使っているとの声が寄せられたため選んだ。ほかに都城市との境をまたぐ道路20カ所は、消毒剤をまいた上で地域住民の通行は認め、一般車両を近くの消毒ポイントに誘導する看板を週明けに設置する予定。

 池田孝・曽於市長は12日夜に記者会見し「今後、都城市でさらに発生例が出れば完全遮断も考える」と述べた。