国、責任回避か 官房長官名で「指示書」

(2010年6月13日付)

 本県の口蹄疫問題に絡み、仙谷由人官房長官名で「口蹄疫対策に関する指示書」という文書が出されていたことが12日、分かった。「県や町の瑕疵(かし)等の問題は脇に置いて、汚染源の解消に注力すること」と、国の責任を回避するかのような表現もあり、県や発生自治体の反発も予想される。県庁内に設置されている政府現地対策チームは「そのような文書はもらっていない」と否定している。

 文書は11日付で指示は三つ。まず「今や国の責任による危機管理のステージに入ったとの認識に立って」対策に当たるよう求め、続いて「県や町の瑕疵…」としている。

 3番目の指示は「川南地域の全頭殺処分・埋却を遅くとも6月20日を目途に終えることができるよう、実質責任者を定め、具体的な状況分析と解決策のロードマップを早急にまとめること」と記している。

 国は5月17日、首相を本部長とする対策本部を立ち上げ、県庁内にも農林水産副大臣を本部長とする現地対策チームを置いている。これ以来、国の責任で殺処分を前提としたワクチン接種や、家畜の全額補償といった対策を進めている。

【写真】官房長官名で出された口蹄疫に関する指示書のコピー