買い物自転車(ママチャリ)後輪のパンク修理 2005/8/27製作 |
【もくじ】 ・はじめに ・使用するパンク修理キット ・バルブの取り外しと虫ゴムの確認 ・タイヤが外れるしくみ ・タイヤレバーを使わない方法 ・タイヤレバーを使う方法 ・チューブに空いた穴を探す ・タイヤに刺さった異物の除去 ・パッチの貼り付け ・チューブの装着 ・タイヤをはめ込む ・タイヤに空気を入れる ・道具について |
【参考にさせて頂いたサイト】 ・YouTube おかもとまさのり氏製作「パンク直し」(切り絵アニメーション) ・YouTube KURUMANDARA氏「タイヤのパンク修理・WO編」(動画 2分10秒) ・マルニ工業株式会社 チャレンジ!パンク修理! ・パナレーサー(ナショナルタイヤ株式会社) パンク修理方法解説 ・寿サイクル 「いろいろなパンクの種類」 ・Sunnyside feelin' パンクの原因と予防について ・サイクルショップ ヒラガ パンク修理法 ・林サイクル商会 「自転車パンクの修理」ですよ〜! <参考文献> 永井隆正『MTBメンテナンス改訂版』(えい)出版社2008 |
買い物自転車は車軸がナットで固定されており、ここにはスタンドや変速機、泥除けの支持棒などが共締めされています。これらの部品を外すのは手間が掛かりますので、車輪を装着したままパンク修理するのが一般的なやり方となります。 マウンテンバイク等のスポーツ自転車は、レバーを倒すだけでロックされる「クイックリリース方式」(quick release)が採用されているので容易に車輪を着脱できます。万が一パンクした場合は車輪を一旦外して作業する方法が効率的のようです。 |
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使用する道具 | |
・プラスチック製タイヤレバー2本 ・紙やすり ・パッチ3枚 ・ゴムのり |
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バルブの取り外しと虫ゴムの確認 | |
また、タイヤの全周をチェックし、異物が刺さっていないか確認します。さらに、異物をすぐに抜いてしまわず、バルブの位置を基準に車輪の何処の辺りに刺さっていたかを確認しておきます。そこからチューブに空いた穴の位置を大まかに推定する事ができます。 |
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自転車屋さんにパンク修理依頼する前に、虫ゴムだけでもチェックしておくと余計な手間が掛からずに済むかもしれません。虫ゴムは少なくとも1年に一回は交換しておくと安心です。 または虫ゴムを使用しない「スーパーバルブ」に交換してしまうのもひとつの手段です。スーパーバルブについては当サイトの「自転車用新型バルブ」でご紹介しています。 さらに、チューブ自体を交換し、自動車やオートバイにも使われている米式バルブにする方法もあります。「自転車 米式バルブチューブの使い方」 |
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バルブ本体の凸を乗り越えるまで虫ゴムを入れるのがポイントです。 |
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次にバルブ口を固定しているナットを外します。一切工具を使用しないつもりだったのですが、ナットが指で緩まなかったので、止むを得ずプライヤを使用しました。 プライヤは自動車の車載工具になっていた安価なものです。 |
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チューブを取り出す | |
タイヤがなかなか外れず、力を入れてタイヤレバーをグリグリやっていると、いつの間にかチューブに穴が空いているというパターンです。 買い物自転車(ママチャリ、シティサイクル)のタイヤならば、ホイールと接する「ビード」(耳)部分はそれほど固くありません。慣れてくるとタイヤレバーを使うのは最初と最後の一押しだけになります。 闇雲(やみくも)に作業するのではなく、タイヤとホイール(リム)の関係を頭の隅に入れておくと、力を使わずにスムーズなタイヤ着脱が出来るようになります。 |
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しかし、空気を抜いて「ビード」をホイール中央の溝に「落とす」と、反対側のビードには隙間ができます。この隙間を利用してタイヤの着脱をしていることになります。 買い物自転車では「ビード」が軟らかいので、何も考えずに力ずくで作業しても外れてしまいます。ところが、オートバイのタイヤ交換になると、しっかりと「ビードを落とす」事なしにタイヤは外れないことになります。 |
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<参考リンク> サイクルベースあさひ > リムについて |
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永井隆正『MTBメンテナンス改訂版』(えい)出版社2008 69頁を参考にさせて頂きました。 |
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タイヤレバーを使わない場合 | |
タイヤレバーを使う場合 | |
この時の注意点はタイヤレバーでチューブを傷つけないようにすることです。 左手でタイヤを引っ張り上げ、タイヤの耳(ビード部分)とリム(ホイール)の間に隙間を作ります。 |
倒したタイヤレバーは、先端の切り欠きをスポークに引っ掛けて留めておきます。 |
車軸の手前側に来るスポークと、奥側に行くスポークがあります。タイヤレバーは手前側に来るスポークに掛けることになるので、手前側の隣りのスポークに掛けると、タイヤレバーの間隔はおのずと10cm程度になります。 |
タイヤレバーが3本あればこのまま3本目を差し込めるのですが、このセットは2本しかありません。そこで、1番目もしくは2番目のレバーを抜き、3番目の位置に差し込みます。 慣れない方は1番目のレバーを抜いて3番目を差し込もうとしているうちに、"2"の部分が「ポコッ」と戻ってしまうかもしれません。 |
実際に触ってみると十数年経過しているにも関わらず全体に「しなやかさ」が残っており、一般的なチューブより厚みを感じます。 |
「ママチャリ用タイヤ/チューブはどれも同じようなものだろう」と思っていましたが、最近は耐パンク性、耐磨耗性を打ち出したタイヤが販売されているようです。 パナソニック ポリテクノロジー株式会社(Panaracer) スーパーハードシリーズ 通勤・通学で毎日自転車に乗っている方は、信頼性を少しでも高めるという意味でも、タイヤ交換の折にこうした製品を装着すると安心感が増すかもしれません。 |
チューブに空いた穴を探す |
尖っている部品などには当てないよう、チューブを避けておくなり、布で養生しておくなりしておきましょう。 釘(クギ)などで大きい穴が開いている場合、この段階で「プシュー」という音がしますので容易に修理箇所を特定できます。派手な穴が(1箇所だけ)開いてくれた方が修理が楽だったりします。 手間取るのは微細な穴から数時間かけてゆっくり空気が抜けるパターンです。この場合穴を目視で発見するのは困難になります。 |
・紙やすり ・ゴムのり ・パッチ |
表面がベチャベチャのままパッチを貼っても、なかなか接着してくれません。初めての方は半信半疑になるかもしれませんが、数分乾かしてしまって大丈夫です。チューブ側のみならずパッチ側にもゴムのりを塗るやり方もあるようです。 |
なお、ゴシゴシと圧着する際にデコボコのコンクリートの上などで行うとチューブに傷を入れたり穴を開けてしまう恐れがあります。古雑誌の上などがちょうど良さそうです。 左の画像では下に置いた木材にトゲや「ささくれ」が無いことを確認した上で行っています。 |
紙やすりで十分表面を整え、適量のゴムのりを塗り、乾くまで待ってパッチを貼り付けたのにどうしても付かない!という場合があるかもしれません。私も一度経験したのですが、パッチがあまりに古く劣化している場合(10年前など)、パッチのゴムに「しなやかさ」が乏しくなり、微妙に接着力が落ちるようです。 |
左の画像は1998年式のマウンテンバイクを2010年にレストアしたときの様子です。空気が抜けた状態から4.5kgf/cm2(約450kPa)まで空気を入れたところ、矢印の箇所が裂けてしまいました。リムのニップルやリムテープは点検済みです。 触ってみるとゴムの弾力が失われており、カチカチに固くなっています。 |
調べてみると矢印の箇所が2mmほど裂けています。それだけではなく、白い丸で囲んだ部分全体にわたって細かいひび割れが生じています。 このように、チューブ自体が劣化している場合、パッチで穴を塞いで修理しても遅かれ早かれ別の箇所がパンクする可能性があり、信頼性を確保することが難しくなります。 |
チューブの装着 |
ゴムの輪になっている「リムバンド」や、左の画像のような粘着テープ状の「リムテープ」があります。 「リムバンド」はひとつの輪になっているため、取り付けるにはホイールを一度外す必要があります。しかし、リムテープは貼り付けるだけなのでホイールを外す必要はありません。 |
長さは5m、幅は12mmとなっており、解説によると28×1-3/8(28インチタイヤ) 2本分まで対応とされています。 |
スポークニップルに鋭利なバリがあり、なおかつリムテープが劣化して十分にニップルを覆っていない場合、チューブのリム側がパンクすることがあります。 ヤスリで尖ったバリを落とし、位置がずれにくい粘着テープ式リムテープでしっかり覆うというのが現実的な対策となりそうです。 |
これは絶対に必要な作業とはいえませんが、余裕があればやっておくと安心でしょう。ベビーパウダーは薬局で数百円で販売されています。平たい缶入りのものもありますが、左の画像のような容器に入っている製品は、コショウを振り掛けるようにして使えるので内部にゴミが入りにくく、使いやすいかもしれません。 |
つぎに、人差指でリムのバルブ穴を通します。 |
空気を入れすぎてしまうと、タイヤはめ込みの際に空気を抜く必要が生じます。 |
その後、バルブ穴を中心に、左右均等にチューブをタイヤに入れていきます。 |
このパナレーサーのチューブはイボイボとツルツルの箇所が分かれています。これを目安に入れていくと捻れを防げます。 |
タイヤをはめ込む |
パナレーサーの「タイヤの取りつけかた(pdf)」によると、タイヤの耳(ビード)を入れていく作業は「バルブと正反対の側」から入れ始め、タイヤレバーを使用する最後の作業をバルブ側で行うそうです。 理由につきましては、自転車自作研究会 タイヤの取付にて解説されています。 |
繰り返しになりますが、先に解説させていただいた「タイヤが外れるしくみ」です。これの原理を頭の隅に入れておくとを、タイヤを入れやすくなるかもしれません。 空気を抜いた状態ではタイヤの内周部分にあるビード(耳)がリム中央の凹に落ち込みます。 すると、落ち込んだ長さだけ、タイヤの反対側にあるビードには余裕が生まれます。この余裕分を利用してタイヤを着脱を行っていることになります。 なお、ビードは鋼鉄製ワイヤーが主に用いられています。しかし、グレードの高いタイヤにはケブラー繊維のビードも採用されるようになりました。 |
その場合、バルブを押し込み、チューブを浮かせた状態にします。それからタイヤのビード(耳)を定位置へ送り込みます。 |
バルブを押し込むことでチューブを奥へ押し込みます。そこへタイヤのビードを通すという手順です。 |
タイヤレバーを使う場合 |
差し込む場所はバルブから少し離れた場所がやりやすいかもしれません。 |
タイヤに空気を入れる |
個人的にこの圧力を表現してみると、両手の親指で押して軟らかく感じる状態はまだ少なめでしょう。成人男性が「グッ」と力強く押してやっと凹むくらいです。普通の人からすれば、こんなに入れてしまって大丈夫だろうかと不安になるかもしれません。 自転車屋さんに行く機会があれば、一度「適正空気圧」のタイヤを親指で押させてもらうと参考になると思います。 |
タイヤのビードが収まる位置には線が刻まれています。また、タイヤの銘柄の文字が全て見えていることも目印になります。 こうした文字が半分隠れてしまっているのならば、タイヤがホイールの定位置へ収まっていないことになります。 |
手動空気入れに関しましては、「タイヤに空気を入れる 手動空気入れ編」をご覧下さい。また、エアコンプレッサを利用した空気の入れ方に関しては「タイヤに空気を入れる エアコンプレッサ編」をご覧下さい。 |
<Takaよろず研究所内の関連リンク> ・タイヤに空気を入れる 手動空気入れ編 ・タイヤに空気を入れる エアコンプレッサ編 ・自転車用新型英式バルブ(スーパーバルブ) |
<参考にさせて頂いたサイト> ・寿サイクル 「いろいろなパンクの種類」 ・ナショナルタイヤ株式会社 パンク修理方法 ・自転車自作研究会 タイヤの取付 ・マルニ工業株式会社 チャレンジ!パンク修理! ・Sunnyside feelin' パンクの原因と予防について ・サイクルショップ ヒラガ パンク修理法 ・林サイクル商会 「自転車パンクの修理」ですよ〜! |
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/ 2005/8/27製作 2006/8/4一部更新 2007/6/15補足 2007/8/7補足 2007/9/28補足 2007/10/7修正 2007/10/8リンク追加 2008/4/4修正 2009/2/5加筆修正 2010/2/16補足 2010/2/22改訂 2010/5/7補足 |