岡田日本、高地トレ失敗!?「超回復」で勝て!
超回復で勝つ―。日本代表は12日、1次リーグ初戦のカメルーン戦(14日)が行われるブルームフォンテーンに入り、市内のグラウンドで練習を行った。ここへ来て選手が調整面に苦戦していることが判明。初戦、3戦目のデンマーク戦(24日・ルステンブルク)が高地開催となるため順化に取り組んできたが、疲労感を口にする選手が続出。休養後に訪れる「超回復」に一縷(いちる)の望みを託す。
一様に足取りが重かった。1トップ起用も考えられるMF本田は、ジョージ空港でうつむいて飛行機に乗り込んだ。複数の選手が「疲れがとれない」「結構つらい」「結構苦しい」と証言。初戦を2日間後に控え、コンディション面での不調を訴える選手が相次いだ。
高地対策の影響だ。初戦のブルームフォンテーンは標高1400メートル、第3戦デンマーク戦(24日)のルステンブルクは同1500メートルと、酸素が薄くなる高地。日本は離日前から低酸素マスクを選手に配布。標高1800メートルのスイス・ザースフェーで1週間の事前合宿で対策を練った。だが、低地に移動してから約1週間を経てもだるさを訴える選手が減らない緊急事態に直面している。
原因はさまざまだ。低地に戻ったら体力の回復を優先するのが定石と言われる中、岡田監督一日2回の練習、対外試合を組むなど、連日ハードなメニューを課した。また、出場チームの半数以上が標高1753メートルのヨハネスブルクをベースキャンプ地とする中、日本は治安を優先して、低地ジョージに下り、調整の難しさが増した。
ただ、策がない訳ではない。岡田監督は11日を休養日とした。試合3日前の完全オフは初めて。「超回復」を狙ってのことだ。筋力トレーニングに例えると、トレーニング日は筋肉を破壊するため一時的に筋量は減る。だが、翌日を休養とした場合、トレーニング日から24~48時間後に筋量が元の数値以上にはね上がる。この「超回復」で初戦に備える。
現在、動きが良いDF闘莉王、長友、FW大久保はメンバー発表前、けがにより休養、リハビリで筋トレなどに取り組んでいた「超回復」組。ザースフェー合宿で契約満了だった高地対策の専門家・杉田準教授(三重大)は、現在も期間を延長してチームに帯同し、対策を施している。初戦まであと1日。「超回復」に望みを懸け、カメルーン戦に臨む。
[2010/6/13-06:03 スポーツ報知]