スポーツ報知

[本文へ]

文字サイズ100%

速報

2010 FIFAワールドカップ

ギリシャを圧倒!世界の朴智星弾…韓国

 ◆南アW杯1次リーグ ▽B組 韓国2─0ギリシャ(12日・ポートエリザベス) 韓国は強かった。1次リーグB組の韓国がギリシャに2―0で快勝した。前半7分、左サイドのFKからDF李正秀(30)=鹿島=が右足ボレーで先制すると、後半7分には大黒柱のMF朴智星(29)=マンチェスターU=がW杯通算3得点目となる追加点を挙げた。

 アジアの英雄が、元欧州王者をなで切りした。1―0の後半7分、MF朴智星は敵陣中央で相手DFからボールをかっさらうと、一気に加速。DF2人を引き連れてエリア内までドリブル突破し、最後はGKの位置を見極めて、左足で右隅のネットに突き刺した。

 堅守を誇るギリシャをしても、なすすべもない圧倒的なスピード、技術。「この結果は幸せだ。ギリシャは高いが、我々はボールをキープして守備のすき間を探していた」。英プレミアリーグの名門・マンチェスターUで主力の地位を確立した実力は、紛れもなかった。

 これで、アジア人で初のW杯3大会連続ゴール。大舞台ではいつも輝きを放つ。圧倒的な運動量から「酸素ボンベ」の異名を取ったJリーグ京都時代に迎えた日韓W杯。1勝1分けで臨んだ1次リーグ最終戦で、ポルトガルから値千金の決勝点。4強進出への道筋を作り、優勝候補を1次リーグ敗退に追い込んだ。活躍が認められ翌03年からオランダ・PSVに加入すると、05年にはマンUへステップアップした。

 悪夢を振り払った。06年ドイツ大会はフランス戦で1得点。だが、右もも故障の影響で満足なプレーができず、1次リーグ敗退に終わった。今回も5月30日の親善試合・ベラルーシ戦で同じ個所に違和感を覚え、今月3日のスペイン戦を欠場。ギリシャ戦も出場が危ぶまれていた。

 目標に向け体調を整えるのも一流の証し。「韓国サッカーを発展させるには、若手の成長が欠かせない。出場機会を与えないと」と大会後の代表引退も示唆しているアジアの英雄。最後のW杯には間に合わせ、試合を決定づけてみせた。

 8度目のW杯となる韓国。日韓大会では4強入りも、その他の大会では1次リーグ突破はない。次戦は17日、アルゼンチン戦。「きょうのようなプレーをすれば、結果を出すことも可能だ」。スーパースターに引っ張られ、アジアの虎は再び世界を席巻する。

 ◆アジアの対欧州2点差勝利 W杯で2度目。最初も02年6月4日の日韓W杯1次リーグの韓国で、ポーランドに2―0で勝った。このときはホーム開催だったため、ホーム以外での対欧州2点差勝利は初だ。

 ◆朴 智星(パク・チソン)
  ▽生まれ 1981年2月25日、韓国・ソウル。
  ▽プロデビュー 2000年、韓国・明知大2年で休学し、京都入り。同年6月24日のJ1市原戦でデビューした。国際Aマッチは00年4月5日、アジア杯予選ラオス戦。
  ▽欧州移籍 03年にPSVへ移籍し、05年にマンチェスターUへステップアップ。年俸は推定6億円。
  ▽欧州チャンピオンズリーグ 03年に初出場し、計40試合3得点を記録。08―09年大会ではアジア人として初めて決勝戦に出場し、準優勝。
  ▽タイトル 01年J2優勝。02年度天皇杯優勝。04―05年オランダリーグ優勝。06―07、07―08、08―09年、プレミアリーグ優勝。
  ▽国際Aマッチ 89試合13得点。
  ▽日本語 京都時代、大阪経法大へ入学するなど、熱心に勉強。現在も日本語で対応できる。日本代表MF松井は友人。
  ▽体 175センチ、72キロ。独身。

 試合詳細

[2010/6/13-06:03 スポーツ報知]

livedoor この記事をlivedoorクリップに登録 Yahoo! この記事をYahoo!ブックマークに登録

ページTOPへ