【上海=奥寺淳】鳩山由紀夫前首相は12日、菅直人首相の特使として上海を訪問し、上海万博のジャパンデー開幕式典に出席した。鳩山氏はあいさつで、1日まで訪日した中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相と両首脳間のホットライン開設で合意したことに触れ、「その矢先に総理を辞任することになり、大変申し訳ない」と述べた。
鳩山氏はホットラインについて「何か問題があったら、2人で連絡を取り合おう」と温首相と意気投合したことを紹介。今後は菅首相と緊密に連絡を取り合って欲しい、との考えを示した。
首相在任中に上海万博への出席方針を中国側に伝えていた鳩山氏は、幸(みゆき)夫人とともに上海入り。「上海は妻が生まれた場所でもあり、(菅首相から)総理を辞めても、お前が行ってこいとの配慮を受けた」と説明した。中国側は、中国共産党政治局員の劉延東・国務委員が開幕式典に出席し、鳩山氏と会談。日本館などの視察にも付き添った。