全建総連系の11国保組合は入院時の自己負担を実質ゼロとするなど、手厚い医療サービスを提供している。組合の元幹部は「特別調整補助金なしには、入院費の無料化は不可能」と話す。
特別調整補助金の額は事実上、前年度実績に準じている。厚労省国民健康保険課は「補助額を急に変えると組合の運営に影響が出るため、大幅な減額はできない。過去に経営難などで増額されたものがそのまま続いているのだろうが、そもそもの根拠をさかのぼるのは困難」としている。
全建総連は毎年度、特別調整補助金の予算要求分の満額獲得を与野党の政治家に働きかけている。保険行政に詳しい厚労省幹部は「特別調整補助金は純粋に政治裁量に基づくもの。政治家の働きかけで増額されてきたものが、そのまま存続している」と話している。(太田啓之)