本ウェブサイトでは、JavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。
お客さまがご使用のブラウザではスタイルが未適応のため、本来とは異なった表示になっておりますが、情報は問題なくご利用いただけます。
2010年5月7日
日本電気株式会社
NECはこのたび、インターネット上で違法にアップロードされたコピー動画を、瞬時に自動検出可能な映像識別技術を開発しました。
本技術は、オリジナルの動画から映像を識別するための指紋情報(ビデオシグネチャ)を生成し、他の動画と照合するものです。これにより、単にコピーした動画だけでなく、テロップ挿入やカメラ撮影、アナログコピーなどデータ改変を伴っている動画でも、高速、高精度に検出可能です。
現在、違法なコピー動画の流出防止には、目視による確認、予めコンテンツに埋め込んだ特殊コードをもとにした自動識別(電子透かし)、色配置状況等を勘案した類似検索などの方法が利用されています。しかしこれらの方法では、膨大な量のコンテンツの確認及び、短く切り出した動画や改変された動画の発見は困難でした。
本技術を用いることでコンテンツ権利者や配信サービス事業者は、オリジナルの映像を予め登録しておけば、違法コピー動画の自動検出や違法アップロードの事前ブロックが可能になります。これにより、従来は目視に頼っていたコピー動画の流通監視を自動で行えるため、高精度、大規模な監視を効率的に実現します。
なお本技術は、ISO/IEC JTC 1/SC 29(注1)から、動画の識別方法に関する国際標準規格MPEG-7 Video signature Tools(注2)として規格化されます。
このたび開発した映像識別技術の特長は以下の通りです。
NECでは今後も本技術の研究開発を進め、制作者の権利を尊重したコンテンツ流通機構の確立に努めるとともに、本技術を活用した様々なアプリケーションの開発を目指します。
本技術は、4月19日から23日にドイツのドレスデン(Dresden, Germany)で開催された第92回ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11(通称MPEG)会議においてISO/IEC 15938-3/Amd.4最終規格案として承認されました。今後、ITTFによる加盟国投票を経て、9月頃正式な規格案として発行される予定です。
なお本技術は、本年5月12日から14日まで東京ビックサイトで開催される第13回組み込みシステム開発技術展に出展します。
以上
ISO(International Organization for Standardization, 国際標準化機構)とIEC(International Electorotechnical Commission, 国際電気標準会議)との合同技術委員会の中で、音声、画像、マルチメディア、ハイパーメディア情報符号化を担当する分科会。
(注2) MPEG-7 Video Signature Tools映像コンテンツの内容記述方式を定めたMPEG-7 Visual規格の追加補足として、ビデオコンテンツの識別技術を国際標準として定める。国際規格番号は、ISO/IEC 15938-3/Amd.4
(注3) アナログキャプチャディスプレイ等に映し出された映像を、ビデオカメラなどの機器で記録するカメラ撮影や、AV機器を使ったアナログコピーのこと。画像の一部の箇所が削除されてしまったり、色や輝度がオリジナルとは大幅に変わってしまったりすることが多い。
(注4) 再エンコードデジタルビットストリームを一度復号(デコード)した上で、再度符号化(エンコード)記録すること。データ量の圧縮を伴うため、フレームレートの削減、画素数の削減、符号化品質を落とすなどが行われることが多い。
(注5) テロップ重畳字幕やロゴマークなどをオリジナルの画像の上に重ねること。
(注6) 識別率オリジナル動画に対し、そのコピー動画を正しく検出できる確率。
(注7) 誤検出率誤って別の動画のコピーであるとみなしてしまう確率。
(注8)3GHzのシングルコアCPUで検証。シグネチャはメモリ上に読み込んで識別処理を実行。
私たちNECグループは、 「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現する グローバルリーディングカンパニー」を目指しています。 |
NEC 知的資産R&D企画本部 広報グループ
URL: http://www.nec.co.jp/contact/
このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。