6月8日、9日にJAXAのプレスリリースが相次いで出ました。その情報をもとに「はやぶさ」最後の1日をまとめます。
「はやぶさ」は再突入の約3時間前に、高度約6万kmでカプセルを秒速10cmという遅い速度で分離します。その後ウエスタン・オーストラリア州上空からオーストラリア大陸上空へ。現在の予定では6月13日23時(日本時間)ころに、高度約200kmで大気圏へ突入します。
その時の速度は秒速12kmにも達します。高度100km以下になると大気との摩擦で急激に表面温度が上がり、カプセルの周囲は高温のプラズマに包まれ、地上からは明るい流れ星として見ることができます。高度100km以下でしか光りませんので、残念ながら日本から見ることはできません。カプセルと「はやぶさ」本体はほとんど同時に大気圏に突入してきますので、ほとんど一緒になって見えるでしょう。高度60kmくらいで最大の明るさになります(マイナス5等くらいといわれています)。
その後、急速に速度を減じて流れ星としての発光は終わります。「はやぶさ」本体は高度60kmまでにばらばらに破壊されて溶融消滅します。カプセルは高度約10kmでパラシュートが開傘、ゆっくりとウーメラの砂漠地帯に降下してきます。
「はやぶさ」の7年にも渡る旅の終わりです。
*時刻は日本時間で示します
6月13日4時頃
6月13日16時頃
6月13日20時頃
地球突入の3時間前、地球から約6万kmでカプセルを分離する
日本時間
暫定値
参考:2006年 STARDUST探査機カプセル
地球大気突入画像
参考:2008年 ESA Jule Verne(ATV)衛星本体
地球大気突入画像
パラシュート開傘からのフェーズについてはJAXAのプレスキットを参照してください。
なお、突入後の状況は2006年に彗星のサンプルをもって地球に帰還した「Stardust」カプセルの突入状況から再現したものです。