◇職
江戸っ子の遊び心を 交え……
加藤 佐貴子さん
着物意匠家
どのような柄にしたいかを入念に打ち合わせ、肌の色や顔立ち、体形を見て、一人一人にあった着物をデザインする。「柄は、名前や思い出など、その方にちなんだことを連想ゲームのように考えて描きます。立ち姿が美しく見えるようにデザインします」
着物が出来るまで多くの職人が関わり、30もの工程を経る。「イメージ通りに仕上がるよう、職人とのチームワークを大切にします」という。
染繍(せんしゅう)工芸の名門「大羊居(たいようきょ)」に生まれた。22年前に家業に就いたが、3年前に独立。生家で培った心得を生かしながら、「江戸っ子ならではの粋な遊び心を交え、柄には丸みを帯びさせます」と、独自の作風を追求する。若い人や初心者には、品質を落とさず、シンプルな柄にすることで、手ごろな値段の着物を提案するなど工夫を凝らす。
幼いころから着物に慣れ親しみ、ほぼ毎日を着物で過ごす。日本舞踊の師範の資格を持っているので、月に1度は京都で教える。着物や踊りを通して、「日本文化を伝えるよう頑張りたいですね」。
(小原啓樹撮影)
(電)03・3641・8819
(2006年2月15日 読売新聞)