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[19427] マブラヴ x ACfaの主人公が引き込まれてしまったようです「習作」
Name: once&Forever◆80cffd6a ID:138fbb10
Date: 2010/06/10 16:49
厳重注意:マブラヴオルタの白銀が同じ時間軸を繰り返してしまうように、ACfaの主人公も同じ時間軸を繰り返していると過程した作品です。
 そして原作で、純夏は死にましたが、今作品では、純夏ではなく白銀が死んだことになっています。

備考:白銀 だいたい15週ほど
   首輪付き君 数え切れないほど ゲーム総プレイ時間に換算すると800時間

  首輪付き君は自分のガレージごと移動するようです。 


       Are you れでぃー?


硝煙の世界、終わりのない繰り返し、それが僕に相応しい罰

自分の意思もなく、他人に流された上、怒りまかせにクレイドルを落とした、その罰
それを否定するように来た師匠、霞を殺し、人形を壊し・・・
世界を壊した。

そして始まった繰り替えされる世界なにも変わらない世界。

‘答えを見つけていないからだよ‘

世界を壊した後、僕はこんな結末を望んじゃいなかった。もう最初に一度戻りたいと、願った

そして戻った世界で、信念の下、エーレンベルグを放出したあと、その後に起こった戦争で、圧倒的な暴力が現れ、同じ惨劇な喜劇の続き、こんなの認めたくなかった。

ORCA旅団を倒し、人々に笑顔を取り戻してもつかの間のこと、結局は変わらない、ただ、変わったとすれば空にあるクレイドルの住民は全員・・・死んだことだろう
そしてエーレンベルグが火を噴く。
こんなのは嫌だった。

そして数多くの可能性を試し、試しためしためしタメシタメシタメシタメシ・・・

結局


なにもかわらなかった



ウィンD、君が言ったことは間違ってないよ、狂っているよこの世界も、僕も。

今回の世界、イレギュラーとして企業連の全てを掌握して、権力をもった。
けれど、そのときには世界はもう終わっていた。

汚染がクレイドルに届いた。

まだ成し遂げられていない、ハッピーエンドを目指したのだが・・・結果全て失敗

「この世界は袋小路、どうしようもないじゃないか。」

そうあきらめて銃のトリガーを引き、こめかみに当てる。

ドンッ!


意識が黒くなり、どうせ繰り返すのだろう?っと最後の瞬間考えていると頭の中にフラッシュバックのように映像が流れ込んでくる

『そ・・・んなたける・・ちゃん?』

泣き叫び、女性は誰かの名前を叫ぶ

『・・俺はたぶん4度目です・・全ての力を貸します。世界を救ってください夕呼先生・・!』

白衣を着た女性に土下座をしている青年

「タケルちゃん、白銀 武っていうんだよ?」

真っ暗な空間に女性が一人浮かんでいた。

その姿は先ほどの泣いていた女性にそっくりだった。
正直生きていたのなら驚き、畏怖を覚えただろうが、一応死んだのだ、感情
も沸かなかった。

「そっくりじゃなくてあれは、わ・た・し!」

・・・?・・あの人と?

「そう!純粋の純に真夏の夏で純夏ね!」

青年が救いたい女性らしい。
この空間で彼女は口を開いていない、ただひざを抱えてうずくまる彼女がいるだけ、そして僕も身動きをとれず、浮かんでいるだけ、なんなんだこれは。

「なんなんだろうね?」

目の前の少女にもわからないらしい。

『・・何度しんだって!袋小路だってかまわない!俺は純夏が笑って、みんなが笑える世界を・・!』

おそらくは最後瞬間の記憶、僕とは正反対の台詞をはいて死んだらしい

入り組んだ洞窟のようなところに一人、とても大きいネクストのような機体に乗っており、読み取れる情報から、残弾表示が0000・・・弾が尽きている、そして奇妙な生物にむかって突進し、視界が白で塗りつぶされた。

「馬鹿みたいでしょ?あきらめたほうが楽なのにね。」

・・・

「・・・ねえ貴方も‘白銀 武‘なんでしょ?」

久しぶりにそう呼ばれたよ・・・けど君の知ってる武とは違う

状況から察するに、僕が彼女の世界の記憶をみて、彼女が僕の記憶をみた・・・のか?

「正確には、ちょっと違うかな? でもでも、大体あってる!流石タケルちゃんだ!」

ちょっとまて。だから僕は君が知ってる武じゃ・・・

「同じだよ」

・・・理由は?

「姿が違ったって、タケルちゃんは変わらないもの、私が言うんだから、貴方が見たタケルちゃんと、ここにいる貴方も同じタケルちゃん!まちがいないっ!」

・・・頭が痛くなってきた。

「ねえ、貴方はあの世界で何がしたかったの?」

・・・わからない

「ちょっとお!それでも貴方タケルちゃん!?」

・・だから・・彼とは違うんだ。
僕はなんなに強く輝けない。

「・・あんな世界にいたからこうなっちゃったのかなあ?」

はは・・ごめん、でも違うんだ、彼とは。

「目的もないなら」

・・・ん?

「彼と会ってみない?」

なんでいきなり。

「彼と会えば答えも見つかるかもしれないよ?だって彼も貴方だもの」

・・・

「どうどう?良いかんがえじゃない?」

彼があそこまで強く輝ける理由、答えか。

「よし、そうと決まったらおいでよ、こっちに」

引き込まれる感覚を覚える。

ちょっとまて、まだ行くわけじゃ・・・

彼女の世界に近づき共有したとき、彼女の感情と記憶、知識が一部だが、自分の中に流れてきた。

彼女は彼が傷つくこんな世界、終わらせたい、だから、別世界の並列であり比較的に遠い世界に当たる、彼と同じでもあり、似て非なる存在である僕をあちらの世界に呼ぶことにより、彼が傷つく世界を変えたいのだ。

そして、僕の世界でコジマとよんでる物質、それはこの世界のG元素と呼ばれる物質とほぼ同じであり、空間を捻じ曲げる力まであるらしい、その影響により、僕は因果律量子論?で語られている因果導体らしい。

いきなりなにがなんだか・・・

「ごめん、でも因果導体である貴方にしか頼めないから・・」

視界に光が満ちはじめた。

彼と会えば答えは見つかるのだろうか?
まだそのことに確証はない、しかし、あの世界で闇雲に探すよりも、効率的に思えた。

自分に会うのか・・

「彼と貴方は同じで違う。」

だんだんと意識が覚醒してきた。

「がんばってね、タケルちゃん・・」

彼もここにいるのだろうか、そんな考えが浮かんだ時、僕はこの死の世界に目覚めた





[19427] 一章:圧倒的な暴力 ---Links 修正版
Name: once&Forever◆80cffd6a ID:138fbb10
Date: 2010/06/12 21:04
自分の視界に光が満ちてくる、目の前に広がるのは、電源が落ち安全灯だけついた自分の愛機の中だった。

「うぅ・・首が・・」

愛機といえども寝るためには作られていない、さらに、これはLinksのもうひとつの体、ネクストと呼ばれるものだ。
Linksはこの機体に自分の神経をつなぎ、視界を共有し、自分の体のように扱う、故に彼はLinks、接続者と呼ばれている。

いきなり戦場に起きることはないとおもうが・・・本当に僕は違う世界に飛ばされたのならそんなこともありえてしまう。

まずはどこにいるのか、それを確認しなければならない。
ディスプレイにタッチしていき、機体の電源を立ち上げる、そして軽快な指使いでパスワードを打ちこみ、起動設定をしていく。

「OB・・不可 PA・・不可 QB・・許可 サポートシステム・・許可 対Gジェル・・排出 AMS・・2」

AMSとは機体と自分の体の神経をつなぐシステムだ、これの設定をあげていくと、機体と自分の区別がつかなくなってくる、精神汚染速度があがるので注意が必要なのだ。

戦闘があるとしても、これだけの設定ならば、ネクストが3機こなければ倒せる。

そして最後に起動ボタンにふれる。

---…設定確認…設定完了、ネクスト、ホワイト・グリント起動します。
無機質な声が機体に響いた。

一瞬視界にノイズが走る、

ノイズが終わると、機体の視界を自分が共有していた。

視界を左右に確認すると、何の変哲もない、見慣れたガレージだった。
この機体、ホワイトグリントは、あの世界で衛星掃射砲エーレンベルグを発射した後の未来の戦争でアブ=マーシュが自分のために作ってくれたワンオフ機体だ。
こいつはとんでもない暴れ馬で、扱いが難しい、PAを暴発させ、AA(アサルトアーマー)を使ったものならば、半径数キロは吹き飛ぶ。
なんせ、汚染に気にする必要がない世界なのだから。
企業連が作ったアンサラーの小型版人型兵器ともいえるが、速度、重火器等全てが常識離れしている強さを誇る。
そのため、汚染がとんでもないはずなのだが、内部のLinksへの汚染はまったくといってない、そして、この機体にはまだ自分もしらない、ブラックボックスが多数存在しているため、まだ完全に扱いきれてるとはいい難い。

周囲の確認をしなくては…
ガレージの扉を外部操作で開け、周囲を確認する。
そこは廃れた町並み、木もなにもない、壊れた家、壊れたノーマル…いや、彼女からもらった知識が、戦術機・撃震だということを語る。

撃震は形半分を残して崩壊しており、コクピット・・・いや92式戦術機管制ユニット?らしい物も、消えてなくなってしまっており、そこは空洞になっていた。

「なるほど。」

彼女からもらった知識は自分が見聞きしたものではなく、強制的ともいえるほど、頭の中に叩き込まれた知識だ。
それゆえなのか、その物を見、聞きしないかぎり、その情報が自分の知識として認識されることはないらしい、もともと目次がない辞書の索引を引くことができないように。

つまりいまの自分にはこの世界の知識はないに等しい。

「どうしたものか…」

正直なにをすればいいか、思い浮かぶことはない。
何もかんがえずに、撃震が倒れているところまで歩いていくと、なにかふとわからないものに導かれるように行くべき道がわかっていく。

この家は純夏の家、そしてこちらが白銀の家。
この道を行くと最前線基地・・・横浜基地?につくらしい。

ふむ、記憶の関連づけによっても、彼女からの知識は認識されるらしい。

家→だれの?→白銀 道→どこに?→横浜基地
のような関係で。

いまわかることは横浜基地に行くことが重要だろう。
それ以外にわかることはない。

自分の腕がふと軽いことに気がつく、手を見てみると、何ももっていなかった。
戦闘しに行く必要はないとはいえ、なにも持たないということは心もとない。

ガレージに戻り、両手にアブ・マーシュが設計した 突撃銃を2丁。
肩にあの全てを焼き尽くすと思われ、通称、圧倒的暴力と名称された、謎の機体から奪い取った炎の翼、ブラックボックスの多い物を装備する、これはさまざまな変形をし、熱を常に帯びており、鉄を一瞬で溶かすことも可能、これをコイルのようにまわして、馬鹿みたいな高火力の炎を飛ばすこともレーザーを放つことも可能、さらに移動時にはメインブースターの補助をしVOB(速度2000~3000KM/時)に近い速度すら出せる化け物じみた装備だ。

勝てたのは、奇跡だった。

しかし、今、思い出してる時間ではない。

一応ひと時といえどもガレージをを空けてしまうことになってしまう、そのため、ガレージの防衛システムを遠隔操作で起動させる。

第5世代自立ネクストをPAなしで起動させる、3機いれば十分であろう。

この防衛システムはガレージの物を触ろうとしたり、物を盗もうとすると作動し、ガレージ内の味方識別がないものをすべて破壊する。
また、ネクストの攻撃すら防ぎきってしまうガレージの扉も閉まってしまうため、中では逃げられない殺戮ショーが繰り広げられることとなる。


Linksはガレージの防衛システムの起動が終わると、ガレージを出て、炎の翼の補助を受けた速度で、横浜基地へと向かった。



---

今日も暇だ。
空を見上げ横浜基地の門兵は心の中でぼやく、こんな後方の基地にBETAがいきなり現れるはずもなく、とくに暇なのだ。
なので一日の仕事は門に立ち、桜を眺めるか、空を眺めるかになる。
今日はサイコロが奇数なので空を眺める。

「…いっ!前を見ろっていってるだろ!!!」

同僚の声に驚き、前方を向きなおすと炎を撒き散らしながら純白の戦術機がこちらに向かってきていた。

しまった・・・!

彼は心の中で自分の失態を知った、もう既にかなり接近されている、そして無線機は自分が持っていたのだ。

無線機を持ち、司令室に連絡をいれる。

『な、謎の戦術機が接近している!』

その通信にたいし、司令室のHQは失笑を漏らした。

『何を寝ぼけてる、レーダーには何も映っていないぞ。』

おい、外を確認してこい、私がですか?、お前意外にだれがいる…などの会話が無線機から漏れてきた。

上はなにをやっているんだ!!!!

純粋に自分の失態とを恥じ、上の対応に苛立ちを覚える。

そして謎の機体は既に基地の目と鼻の先で空に浮かんでおり、停滞飛行をしていた。
背中の何本も赤く光っている棒の群を前面に向けてぐるぐるとまわし始めながら・・・

そのとき無線からやっと声が返ってくる。

『て、敵襲ーーー!『敵襲ぅぅう!』警戒態勢発令!』

おいおい!敵はそこにいるのに警戒態勢だって?!
ここはどうなってるんだ・・・!

このとき門兵は苛立ちを覚えずにいられなかった…


----

「そうか、ここは平和ボケをしている…と」
彼女の記憶からそのことが関連づけられた。

もうすでに、基地についてから一分は経過している。

やろうと思えば基地を60回破壊できるな~
そう思いながら、炎の翼を回しながらがちょーんがちょーんと開いたり閉じたりして遊んでいた。
なにげにこの翼が回るおとがとても好きなのだ。ウィイイイイインなんて音が心地いいなんて病気だろうなー
などとかんがえているとやっとこさ、撃震が2機だけ飛び出してきた、さらに手には74式近接戦闘長刀だけしか持っていない。

「なんだこりゃ・・・」

なめている…と思ったが整備具合をみるに、現状で出来る精一杯の機体構成らしい。
ここまでくると笑えるね。

そしてLinksの無線はオープンで設定されてるため、その言葉は相手にも届くのだ…。





『なんだこりゃ・・・。』

整備途中の機体を緊急時なので引き出してきたため、装備など、とてもいいと言えたものではない。
その様子を眺めていた敵の戦術機がわざわざオープン回線でこちらを馬鹿にしてきた。

お前さえこなければこんなことにはならなかったんだ!

『ちきしょう!!やればいいんだろ!やれば!』


一機の撃震が74式近接戦闘長刀を振りかざしLinksに向かっていく、おそらく彼は新兵なのだろう。


あの馬鹿!

『やめろ!ブラック05!相手は重火器をもっている!できるだけ時間を稼ぐだけでいい!』

もう一機のほうは動じず74式近接戦闘長刀を構えている、そして彼の構えを見ると戦う気などなく、こちらが動き出したら障害物に逃げる気なのだろう、その体勢は戦闘慣れした古参の空気が漂っていた。

しかし、少し言葉が遅いのか、興奮状態なのか知らないがブラック05と呼ばれた新兵らしき撃震は愚かなことにブーストジャンプをし、上空から74式近接戦闘長刀をLinksに向かって振り下ろした、そして刀が迫ってきているのにも関わらず、その光景をLinksはゆっくりと観察する。

なんだ良い的じゃないか。

それが彼に対する精一杯の評価だった。
だがあの刀の威力は不明であり、情報がない分、PAもなしに受ける気はLinksには少しもない。
前面に出していた炎の翼の棒を一本だけ前面残し、残りは背中の方で翼のようにする。
そしてその棒を器用に74式近接戦闘長刀が振りおらされる軌道上に置く。

すると、74式近接戦闘長刀はその棒に触れる前に溶けてしまい、あたりには鉄のとけた嫌な臭いがした。

そして、ブーストから着地した、ブラック05は目の前の光景が信じられないのか、振り下ろした体制で2秒ほどとまっていた。

Linksは彼に対する評価をさらに下げる。

こいつはただの鉄くずだ。戦場にいるべき者ではない。

こちらはPAも起動せず、さらにはAMSも戦闘体制から3つしたの設定である。

いや、正確に言うとPA(プライマルアーマー)を戦闘でも起動する気は毛頭にない。
PAとは機体を中心に張られる球体状の半透明の膜の事を指す、これはあらゆる実弾攻撃、レーザー攻撃を弾く。

しかし、弾くレベルまでPAを強めてしまうと、コジマ汚染レベルがとんでもなく高まり、自機が通ったところは全て不毛の土地と化す。
Linksの世界を滅ぼしたのもこのコジマ汚染だ…
そんな代物をこの世界で使う気は毛頭としてない。

2秒とまっていたブラック05はふと我に帰ったように後方にブーストジャンプを始めた。

ほんとうにこの子隙だらけ、廃品にしてほしいのかしら。

Linksはもう少し様子を見ようと遊び心が目覚め、棒を全て後ろに戻し、翼状を保った。

それですこしこれじゃ格好がつかないことに気がつき、右手を前に突き出し、下からクイクイっと、すくいあげるように挑発をする。

そして腕を組み様子を眺めた。

---
司令室には、司令である、パウル・ラダビノッドを含め、仕官が全員そろっていた。

「香月博士、貴官はあの戦術機を存じているかね?…いやあれは戦術機なのか…?」

香月と呼ばれた白衣の女性は自分の記憶をたどるように、あごに手を当て、考えはじめる。

「いえ、私はあの機体を存じません、どこかの最新鋭の戦術機ではないでしょうか」

そう、いいつつ彼女は内心舌打ちをした。

--あんな戦術機この世界には絶対に存在しないわよ!、いえ、あれは戦術機ですらない、常に浮遊できるエネルギー、レーダーに映らない機体、あの翼状の熱を帯びた武器といい、この世界の技術では到底不可能・・・!

あれは、恐らく別世界から来たとしか考えられない。
そう過程するなら彼が攻撃してこない事を含め、彼の目的は何・・・?かんがえるのよ!、彼の目的は…


皆があの機体に注目を集めているうちに彼女は自分の副官、ピアティフに耳打ちで命令をする。
 
『A-01出動、あの機体に通信をつないでもらって頂戴。』

『通信を…ですか?了解しました。』
ピアティフは少し不可思議な表情をしたのち、A-01に連絡を入れる。

A-01---彼女・・、副指令の子飼いの特殊な任務を目的とした部隊である。

そして、彼女は皆が見ていぬ間に司令室を抜け出した。

----

戦う意思は僕にはない、しかし、向こうからの通信があるまでこの場で、またなければならない。

僕が会うべき人物は国連の仕官ではないのだ、しかし、ネクストはオープン回線しか所持しない、そのため、夕呼先生?・・からの連絡がはいるまでここで待機ということになってしまう。

しかし、先生?・・・ああ、副指令ね。

この知識、もっとパッパッっと頭に入ってこないものか、関連付けが遅く、疑問がわいてから答えが出る。

ん…?そうか、疑問が出ないと記憶が出てこないのか。

いままでの状況からそういえるであろう。
そんなことを考えてられるほど、彼には今、余裕があった。
 



『ブラック05!大丈夫か!?』

正直あの翼が前面に残ったときは肝を冷やしたが、なによりも、今は初陣である後輩が生きていたことに感謝した。


『は、はい、平気です、勝手に飛び出して申し訳ありません!』

『謝るのは後だ!今は目の前に集中しろ!!』




後ろに下がり戻って行った撃震をもう一機の撃震が自分の後ろに隠して庇う。
その意思に感服し、彼と同じ機体だったら、お相手したいものだと真剣に思った。

けれども今は戦いに来たのではない。

暇なのでエンジンの位置と型番を調べる、ホワイト・グリンドには情報戦を制するための機能として近くの機体や、データーバンクのデーターをハッキングして、引き抜いてくる機能がついている。
しかし、その機能を無線接続で使うとするならば、あの戦術機のように比較的プロテクトが薄いものでなければならない、基地など、厳重なプロテクトだけならまだしも、プログラマーやエンジニアがいるところにハッキングをしかけて、情報を盗んでくるのは少し無謀だ。

暇だから調べるといったが、実際撃破するさいにエンジンの位置を知っておけば、一撃で相手を粉砕できる。

『検査完了しました。機体名・撃震(TSF-TYPE77/F-4J)跳躍ユニットエンジン型番・・FE79-FHI-17A開発元、富嶽重工、能力250kM/h。位置、背中、ブースターの位置。駆動エンジン…燃料電池 位置、背中側、首接続部 燃料、マグネシウム 胸を狙うことをお勧めします。』

最後についてきたホワイトグリントからの言葉に戦闘する気はないっちゅうにっ!と心の中でつっこみをいれた。

エンジンがふたつ・・なるほど。調べて正解だったな。

まあ、しかし、跳躍ユニット?まったく違う呼称だな。



データーサーチが終わると6体もの撃震が基地から飛び出してくる。手には銃…87式突撃砲や87式支援突撃砲、
92式多目的追加装甲、はたまた、92式多目的自立誘導システムまで出てきた。
さすがにこれはまともに食らうのは不味いかもしれない。

戦闘はさけられないか・・・そう確信を得たとき通信がはいってきた。

『こちらA-01中隊に所属している、伊隅 みちる大尉だ、そちらの方に話がある。』

秘匿回線で通信が来た、内心喜ぶ、しかし、検索結果、目の前の戦術機たちから発せられたものではないようだ。

内心舌打ちをし、回線を解読、秘匿回線に回線をあわせる。

「時間がない、単刀直入にいう、目の前の部隊を止めてくれ。こちらに戦闘の意思はない。」

みちるは苦虫を噛んだ表情をした。

『それは、できない。』

体面上味方と説明することもできないので、当たり前の話か。

『副指令が君に話がある。』

そういった後に画面の顔が切り替わり、白衣の女性が表示される。
目の前の様子を眺めていると、小隊がそろそろ攻撃してきそうだ、手に所持した、突撃型ライフルを握り締めて確認をする。

『単刀直入にいうわ、少し暴れなさい。話はそれからするわ。』

「つまり…目の前の撃震を倒せと?」

『・・そーいうこと。』

なぜか、相手からの返答にすこし間が空いたな
意味がわからない、目の前の撃震を倒して彼女に利益があるのだろうか。
これを倒したら結構な損害がでるはず、
その責任は…

なるほど、そういうことか。

「ならば遠慮なく…」

2段QBを連続して使い、距離をつめる。

『敵に動きあり!ブラック01よりHQ!発砲許可を!』

『HQ了解、発砲を許可する』

弾幕が前方に張られる、AMSを5まで引き上げ、反応速度を高めた、背中の翼を前方に、花のように開きそれをくるくる回して円にし、自機の盾にする、それに向かって120mm銃弾が放たれるが、無意味だ、5000℃を越す火力の前では触れる前に劣化ウランなどは溶けてしまう。

『くそ!奴は化け物か!?』

『は、はやい!!』

一瞬の内に彼らの小隊に近づく。

「こんにちわ、そしてさようなら」

近づいたなら彼らに勝算はまったくない、僕を捕らえることはできないだろう。

『散開!!散開!!!!』

--判断が遅かったな。

一瞬のうちに彼らの背中全体を92式戦術機管制ユニットに届かない威力で炎の翼を使い焼き尽くす。それが彼らとの勝負だった。

戦術機からは蒸気や煙がでてくるだけで動くことはない。

再び副指令からの秘匿回線が入ってくる。

『…流石、お見事ね、地図を送るわ、話はそこでしましょう。』

記憶どおり夕呼先生は話がはやいな、関心しながら地図を確認する。

去り行くLinksの後に残っているのは暴力の痕だった。




----
彼が去っていったのを確認すると魔女はすぐに仕度をはじめた。
彼との通信での会話や、戦闘を見、違和感を覚える部分がいくつかあった。

なぜ
彼は戦術機をしっているのか。
なぜ
彼はこちらの通信が来ることを知っていたような雰囲気なのか。
なぜ
彼は戦術機の構造を知っているのか。

これは慎重にならざるおえない。

「ああ、ピアティフ、A-01に出撃命令を出して頂戴、そうね、場所は、ここ」

そこは彼に送った地図の待ち合わせ場所周辺だった。

なにも彼がないならよし…
どうしても後手に回るわね。
…仕方ないか。

魔女は燃え盛る撃震の映像を眺め細く微笑む。

いまはこの光景がみれたことでよしとしましょう。

「ざまーみろ。」








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