氏名 | 金 富子 (KIM,Puja) |
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所属 | 大学院総合国際学研究院・国際社会部門 | |
職名 | 教授 | |
生年月 | ||
HP | ||
hanul27@ | ||
専門 | ジェンダー論・ジェンダー史、韓日社会文化論、朝鮮教育史 | |
自己紹介 |
韓国籍の在日朝鮮人二世です。2005年9月から3年半、韓国にあるハンシン大学校につとめながら念願の韓国生活を満喫したあと、2009年4月に本学に着任しました。本学では、ジェンダー論・ジェンダー史を担当します。 最近の日本社会では、ジェンダーという言葉・概念がかなり普及してきました。しかし「女はこう、男はこう(あるべき)」という規範意識は、まだまだ根強いものがあります。社会的・文化的につくられる性別としてのジェンダーは、あらゆる社会現象、社会制度、個人の生き方やアイデンティティなどを構成している重要な要素ですが、ジェンダーは性別に関わる権力関係、序列関係を示す概念であり、そうした関係をなくすためのツールとして活用できます。さらにジェンダーは単独ではなく、人種民族・階級など複数の序列関係をつくる構成要素に結びついて社会秩序を構成し、時代とともに変化します。 わたしのめざすジェンダー研究は、性別にまつわる差異の政治学を批判的に読み解くとともに、それにとどまらず、さまざまな歴史現象・社会現象を人種民族、階級との関係性もふくめて複合的・重層的に問い直していくことです。 |
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最終学歴 | 北海道大学文学部東洋史学科卒業 東京学芸大学大学院教育学研究科社会科教育アジア研究専攻修士課程修了 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学ジェンダー論講座博士後期課程単位取得 |
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取得学位 | 学術博士(gender history、お茶の水女子大学大学院) 2002年 | |
現在の教育活動 | 学部 ジェンダー論基礎、ナショナリズム・植民地主義・ジェンダー ジェンダー研究演習、卒論演習 大学院 博士前期課程 専門特殊研究(ジェンダー研究)、比較社会論研究(ジェンダー関係論演習) 大学院 博士後期課程 比較社会論(ジェンダー研究演習) |
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最近5年間の研究 | 最近は、2010年に韓国併合100年という節目をむかえることもあり、ジェンダーがナショナリズム、植民地主義とどのような関係(共犯関係)をもってきたかを朝鮮半島と日本との歴史現象・社会現象のなかで批判的に検証することに関心があります。 | |
所属学会 | 韓国女性学会 韓国社会史学会 ジェンダー史学会(日本) 歴史学研究会(日本) 日本教育史学会 |
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主要研究業績 |
【単著】 『植民地期朝鮮の教育とジェンダー~就学・不就学をめぐる権力関係~』世織書房、2005年 第1回女性史学賞受賞(2007年1月) 【共著】 『「慰安婦」・戦時性暴力の実態Ⅰー日本・台湾・朝鮮編』VAWW-NETジャパン編、2000年 『裁かれた戦時性暴力』VAWW-NET ジャパン編、白澤社発行・現代書館発売、2001年 『性と権力関係の歴史』歴史学研究会編、青木書店、2004年。 『継続する植民地主義』岩崎稔・大川正彦・中野敏男・李孝徳編著、青弓社、2005年 『消された裁き』VAWW-NETジャパン編、凱風社,2005年。 『証言 未来への記憶 アジア「慰安婦」証言集Ⅰ 南・北・在日コリア編<上>』 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」編、明石書店、2006年 『沖縄の占領と日本の復興ー植民地主義はいかに継続したか』中野敏男・波平恒男・屋嘉比収・李孝徳編著、青弓社、2006年 『歴史と責任―「慰安婦」問題と1990年代―』金富子・中野敏男編著、青弓社、2008年。(韓国語版は선인) 『한일간역사현안의 국제법적 재조명(韓日間歴史懸案の国際法的再照明)』동북아역사재단、2009年 【論文】 「植民地期朝鮮における普通学校『不就学』とジェンダー-民族・階級との関連を中心に-」『歴史学研究』2002年7月号・№764、 「女性国際戦犯法廷が乗り越えたものと乗り越えなかったもの」『現代思想』Vol29-6、2001年 (韓国語に翻訳され、『당대비형(当代批評)』2000年特別号に掲載) ‘GlobaI Civil Society Remakes History: The Women’s International War Crimes Tribunal 2000’ ”Positions” (by Duke University Press) Vol9-3,Winter 2001. 「植民地期朝鮮における普通学校『就学』とジェンダー規範の変容-1920年代の女子教育論と『賢母良妻』という規範の構築をめぐって」『青丘学術論集』第22集、2003年 「国家を棄てる日-在日朝鮮人の社会保障・戦後補償問題を中心に」、『現代思想』Vol29-6、2004年 「植民地教育とジェンダー」『現代思想』Vol33-10、2005年 「ジェンダー史として植民地朝鮮教育史を書き直す」『女性史学』第17号、2007年 「HARUKO-재일여성・다이스포라・젠더」、『황해문화(黄海文化)』2007年冬号 「식민지시기 조선 보통학교 취학동기와 인본어 -1930년대를 중심으로」韓国社会史学会『사회와 역사』第77集、2008年 |
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過去10年間に取得した科学研究費補助金・その他の競争的研究経費 | トヨタ財団・研究助成A(個人研究、1999年度)「植民地期朝鮮の識字とジェンダー―1920~1930年代の初等教育機関への就学を中心に 』 」 韓国文化研究振興財団(個人研究、2000年度)「植民地期朝鮮における識字とジェンダー~1930年代の初等教育機関への就学を中心に」 韓国文化研究振興財団(出版助成、2003年度)前掲『植民地期朝鮮の教育とジェンダー』に対して。 トヨタ財団・共同研究(2003-2004年度)『 20世紀の朝鮮半島における軍隊と性暴力 』 (代表:金栄)共同研究者 (韓国)동북아역사재단”일본군'위안부'문제와 '2000년법정-국가관여와 '강제성'을 중심으로" (東北アジア歴史財団共同研究「日本軍『慰安婦』問題と『2000年女性国際戦犯法廷』―― 国家関与と『強制性』を中心に」)共同研究者、2007年。(成果は前記 『한일간… 재조명』所収) |
last updated on 2009/11/19