近事片々

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近事片々:はやぶさ、イカロスに倣うべし

 小惑星探査機「はやぶさ」が明日地球の大気に抱かれ、長い旅装を解く。入れ替わるように宇宙ヨット「イカロス」は帆を広げた。太陽の光の力を帆に金星へ。「太陽がいっぱい」「夕日に赤い帆」なんて名曲の調べが空から降ってくるよう。

    ◇    ◇

 ギリシャ神話のイカロスは、人工の翼で戒めを破って空高く飛びすぎ、太陽の熱に翼の蝋(ろう)が溶けて墜落した。現代の宇宙のイカロスは神話を超えた。

 だが下界に目を転じれば、永田町などには落ちた蝋と翼の山。なおその中から羽ばたきが。

 その意気やよしとしよう。はやぶさ、イカロスに倣うべし。

    ◇    ◇

 <星涼し一億年は幼しと> 大井戸辿(たどる)

毎日新聞 2010年6月12日 11時59分

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