ペンタックス初の撮像素子一体型中判デジタル一眼。センサーには有効約4000万画素、44×33mm(画素ピッチは6.0X6.0μm)のコダック社製CCDセンサーを搭載するのが最大の特長だ。一眼レフカメラに多く搭載されているローパスフィルターがないため、撮像素子本来の解像力を最大限に生かした撮影が可能になっている。
また、ボディーには、軽量で頑丈なマグネシウム合金を採用。画像素子一体型はほこりやゴミが弱点だが、70カ所に施されたシーリングが本体を守ってくれる。中判カメラには珍しくダストリムーバルIIを装備しているのも工夫されている点だ。さらに、マイナス10度での動作も保証されており、過酷な条件下で撮影するユーザーにも最適。中判デジタル一眼ならではの豊かな階調性能と圧倒的な解像感を楽しむことができるだろう。
操作感に関しては、同社のデジタル一眼を使ったことのある方なら違和感なく使える。基本的な設定はメニューで行える上、各機能のショートカットボタンなども多く、初めて中判デジタル一眼に触るユーザーでも扱いやすいはずだ。同時に発売されるレンズ「D FA645 55mm F2.8 AL [IF] SDM AW」は、645Dに装着すると35m判換算で約43.5mm相当になる。標準域をカバーしており、使い勝手は良好だ。このレンズにもボディー同様に7カ所のシーリングが施されており、本機と組み合わせることにより最高のパフォーマンス発揮する。
画質に関しては、遠景の木々の一本一本まで確認できるほどシャープでコントラストも高い。大きなセンサーから得られるボケは大きく、立体感も素晴らしい。その解像力はJPEGでも十分に高いが、筆者のオススメはRAWデータから現像することだ。実際に比較してみたところ、違いは一目瞭然だった。また、ISO感度も、ISO400までは全くノイズが気にならない。ISO800でも十分実用可能だ。ISO1000以上になるとノイズリダクションが原因で画像がモヤっとしてしまうので注意しよう。
今回掲載した拡大画像はすべてオリジナルデータなので、645Dの実力をじっくり見定めてほしい。