畜産農家の視察後、宮崎県庁に入る菅直人首相(中央)=12日午前11時37分、宮崎市、伊藤宏樹撮影
畜産農家を視察する菅直人首相=12日午前11時、宮崎市佐土原町、代表撮影
菅直人首相は12日、家畜の伝染病・口蹄疫(こうていえき)の被害が全県規模に広がっている宮崎県を訪問した。首相の同県入りは、1日の鳩山由紀夫前首相に続き2回目。菅首相は就任の翌日から全閣僚で構成する口蹄疫対策本部を開催、さらに東京を出て初の現地視察を宮崎にすることで、対策に全力を挙げる姿勢を示した。
菅首相は12日朝、自衛隊機で羽田空港を出発し、宮崎空港に到着。鳩山前首相は県庁を訪問しただけで帰京したが、今回は到着後すぐに宮崎市内の畜産農家を訪れた。その後、首相は県庁で東国原英夫知事や関係する市長らと意見交換し、「国家的危機と認識している。必要なことはヒト、モノ、カネ含めて対応していきたい」と述べた。現地対策本部も視察した。
口蹄疫被害は、9日に全国屈指の畜産地域である県南部の都城市でも感染を確認。11日までに県北部の日向市、宮崎市を含む全県規模に拡大した。11日現在、県内での感染疑い・確認例は5市5町の287カ所。殺処分対象の家畜は19万4366頭。隣接する鹿児島、熊本、大分の各県も警戒を強めている。