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韓露が責任なすり合い ロケット打ち上げ失敗で '10/6/12

 【ソウル共同】韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老ナロ号」(KSLV―I)が10日の再打ち上げに失敗したことをめぐり、韓国と技術提供を行ったロシアが責任のなすり合いを展開している。

 韓国側は、失敗の原因はロシア側が開発した1段目ロケットにあると主張。ロシア側はこれを認めず、韓国側の責任に言及している。韓ロ両国は11日、原因究明の調査委員会設立で合意したが、具体的な設立見通しは立っていない。

 韓国の安秉萬アン・ビョンマン教育科学技術相は10日、打ち上げの約2分後にロケットが爆発し、地上に落下したと発表。爆発が1段目ロケットで起きたとし、原因がロシア側にあるとの考えを示した。

 これに対し、ロシア側は再打ち上げ失敗後の専門家会議で韓国側の見解を認めず、資料を検討して判断するとの姿勢を示した。韓国メディアは11日、原因について「(韓国が独自開発した)2段目ロケットが早く分離したため」とするロシア専門家の意見を伝えた。

 韓国教育科学技術省によると、韓国はロシアに1段目ロケットを約2億ドル(約183億円)で発注しており、欠陥が証明されればロシアはもう一つ製造しなくてはならない。同省関係者は「ロシアは金銭的負担を逃れるつもりではないか」といぶかるとともに、3度目の打ち上げが困難になることを懸念する。

 羅老号は昨年8月の1回目打ち上げでは、軌道に入れず失敗。再打ち上げに際し、韓国メディアは「(成功が)先進国入りの重要な鍵」(東亜日報)と位置付け、テレビで生中継するなど高い関心を示していた。




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