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韓国に拡声器破壊を警告 北朝鮮の軍総参謀部
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【ソウル=水沼啓子】北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部は12日、哨戒艦撃沈事件をめぐる対北制裁措置の一環で、韓国軍が南北軍事境界線の付近一帯に対北宣伝放送用の拡声器設置作業を進めていることに反発し、「全面的な軍事的打撃行動に入る」と改めて拡声器破壊を警告する「重大布告」を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
重大布告は、拡声器設置を「わが方に対する直接的な宣戦布告」と非難し、「(拡声器を)全前線において痕跡もなくなくす」と主張。さらに「わが方の軍事的対応は、逆賊一味(李明博政権)の牙城であるソウルの火の海まで見越した無慈悲な軍事的攻撃だ」と強調した。
韓国の拡声器設置について、北朝鮮の軍当局は「(拡声器に対して)直接照準撃破射撃を開始する」などと繰り返し警告している。重大布告を受け、米韓軍が北朝鮮軍に対する監視態勢を強化しているが、軍事境界線一帯で異状はないという。
韓国軍はこれまで拡声器を11カ所に設置した。韓国軍関係者らによると、対北宣伝放送の開始時期は未定で、南北情勢などを総合的に判断して決定されるという。
“ソウルが火の海”という表現は、北朝鮮の核開発疑惑をめぐり朝鮮半島が一触即発の危機的状況に陥っていた1994年にも、北朝鮮代表が「戦争が起きればソウルは火の海になる」と発言した際に登場している。