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故郷の「指定文化遺産」も 聖市では「違法」、アカラジェ屋台
 バイアでは文化遺産にも指定されているのに、サンパウロに来れば違法で摘発、「そんなのってない」と声を上げている女性たちがいる。バイア州伝統料理、「アカラジェ」を屋台で売るバイアーナたちだ。

 サルバドールでは街角の至るところに立つといっていいほどの同屋台。黒目豆の粉で作った団子をデンデ椰子油で揚げ、「バタパ」と呼ばれる干し海老やカシューナッツ入りのペーストを中に挟んだ料理で、聖市でも2年ほど前から屋台が見かけられるようになった。

 豊かな体つきのバイアーナたちが伝統の純白衣装に身を包み、冗談を飛ばしながら目の前で団子を揚げる。見かけはパンのようでも重量感はずっしり。ホクホクの団子にペーストの風味が乗り、先住民文化とアフリカ文化が融合したような素朴な味を楽しみにやって来る常連客も増えた。

 聖市内ではセー、レプブリカ、ラモス・デアゼベド広場やアグア・ブランカ公園、イピランガ大通りや5月13日街、高級街のフレイ・カネッカなどにあった屋台はしかし、当局の取締りにより一斉に姿を消した。

 「サンパウロは冷たい」と口を揃える売り子たち。出身のバイア州では、アカラジェ売りは国立歴史美術遺産院(Iphan)の文化遺産に指定されるほどの職業。聖市では、ホットドッグ屋台などと比べても規制が厳しいというのが言い分だ。競争の激しい地元から、チャンスが多いサンパウロまで遥々やって来て軌道に乗り始めたところでこの始末、とした不満が高まっている。

 こうした声がバイア・アカラジェ協会(Abam)に届き、同協会は改善を求めて聖市の行政区に掛け合ったが、「バイアはバイア、サンパウロはサンパウロ」という答えが返ってきた。

 5月13日街で摘発された女性は、「誇りを持って仕事をしているのに」と落胆した様子。Abam会長も、「サンパウロの行政は取り合おうともしない。アカラジェ屋台の強制撤去は、国の文化遺産をなくすようなもの」と非難ごうごうだ。

 Iphan院長は、「バイアのアカラジェ売りはブラジルを代表するもの」とし、聖市はその文化的価値を認め、屋台の衛生管理を規制するサルバドール市に倣い、「法整備により特別許可を出すべきだ」と話している。

2010年6月5日付
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