菅内閣は11日、鳩山内閣時代の今年4、5月に計3億円の内閣官房報償費(官房機密費)を国庫から引き出したとする答弁書を閣議決定した。政権交代した昨年9月から今年2月までは毎月6千万円だったが、鳩山由紀夫前首相が退陣する直前の2カ月間で急増したことになる。
共産党の塩川鉄也衆院議員が提出した質問主意書に答えた。
答弁書によると、機密費を担当する平野博文前官房長官は4月2日、同28日、5月25日に各1億円ずつを引き出していた。支出が増えた理由について、平野氏の後任の仙谷由人官房長官は11日の記者会見で「聞いていないので分からない」と述べた。平野氏から引き継いだ機密費の残額についても「答えないことになっている」と言及を避けた。
鳩山氏は在任当時、4月から1年かけて機密費の使途の妥当性を検証する方針を示した。だが、平野氏は退任にあたって使い道の記録を後継内閣に引き継がない考えを表明しており、検証できない状態になっている。