隣県緊張防疫を強化 道路封鎖や消毒個所増

(2010年6月12日付)

 本県での口蹄疫感染拡大を受け、隣県でも緊張が高まっている。各県境で消毒ポイントを増設したほか、鹿児島県曽於市が一部道路を封鎖するなど、防疫態勢を強化。えびの市の清浄化確認を受け、再開に向けて検討が始まっていた各県の競り市は、再び中止か延期の方向となった。

 鹿児島県の曽於市、霧島、志布志市は11日、県境を通る道路の封鎖について鹿児島県と協議した。3市のうち曽於市は一部道路を封鎖する方針だが、霧島市と志布志市は封鎖を見送った。

 曽於市によると、都城市との間に道路は32本あり、うち6本を通行止めとし、残りは消石灰をまくなどして消毒するという。10日には消毒ポイントを2カ所増設している。

 県などによると、霧島市の道路は生活道路のため封鎖が難しく、消石灰での消毒で対応。志布志市の道路は、既に市が自主的に消毒ポイントを設置しており、封鎖の必要性がないと判断した。

 北野良夫県畜産課長は「3市を含めた周辺地域は畜産が基幹産業なので、できる限りの検疫態勢をつくって口蹄疫の侵入を防ぎたい」と話した。

 熊本県は、4日のえびの市の清浄化宣言を受け、同県内の移動・搬出制限区域が解除された。しかし、その後も厳戒態勢を解いておらず、県境を中心に21カ所の消毒ポイントを設置。大分県は、すでに設置済みの国道3カ所に加え、新たに県道など12カ所の消毒ポイントを増設した。
 一方、競り市の再開は見通しが立たない状態だ。熊本、鹿児島県は今月いっぱい中止か延期を決定。大分県は今月末にも再開を予定していたが、開催は極めて厳しい状況になった。各県とも来月以降は白紙で、近いうちに関係者が協議する予定。出荷できない家畜を抱える畜産農家には、石灰や消毒薬が配布され、さらなる消毒の徹底を呼び掛けている。

【写真】鹿児島県が県境近くの県道に設けた消毒ポイント=11日午後、鹿児島県曽於市