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支援船襲撃 イスラエル首相謝罪拒否 国連が調査団派遣へ

6月4日0時8分配信 毎日新聞

支援船襲撃 イスラエル首相謝罪拒否 国連が調査団派遣へ
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ガザ支援船団を急襲したイスラエルに抗議してジャカルタ市内をデモ行進する市民ら=インドネシアで2010年6月3日午後5時、佐藤賢二郎撮影
 【エルサレム花岡洋二、ジャカルタ佐藤賢二郎、カイロ和田浩明】パレスチナ自治区ガザ地区へ支援物資を運んでいた国際支援船団が公海上でイスラエル軍に襲撃され少なくとも9人が死亡した事件で、イスラエルのネタニヤフ首相は2日、「命が失われたことは遺憾だが、自らを守ったことで謝ることは絶対にない」と正当防衛だったとの主張を譲らなかった。イスラエルには国際的非難が高まっており、国連人権理事会は2日、国際法違反を調べる「独立した調査団」を派遣する決議を採択した。米国は反対、日本は棄権した。

 強制送還された466人と遺体9体は3日までにトルコ・イスタンブールに帰還した。地元メディアによると、9遺体のうち8体はトルコ国籍、1体は米国籍という。活動家らは「英雄」として迎えられた。トルコの検察当局は今後、負傷者を中心に事情聴取し、訴訟または外交交渉での資料を集める。

 活動家のうち7人が重体でイスラエルの病院で治療中だという。

 各国の非難はより強まっており、世界最大のイスラム教徒を抱えるインドネシア・ジャカルタでは3日、イスラエルへの抗議デモに約15万人が参加した。

 アラブ連盟(22カ国・機構)は3日、事件についてトルコ政府と連携し国際司法裁判所(ICJ)へ提訴するとの声明を発表した。ICJが扱うのは国家間の紛争で当事国双方が付託に合意した案件しか取り扱えない。

 ロシアのメドベージェフ大統領と欧州連合(EU)首脳は1日、会談し、事件の徹底調査を求める共同声明を採択した。

 ◇「戦争のようだった」

 【エルサレム花岡洋二、ベルリン支局】ガザ支援船団襲撃事件で、各国に帰った活動家は、襲撃当時の様子を「戦争のようだった」(ドイツ連邦議会議員)「イスラエル軍が一方的に発砲した」と証言を始めた。イスラエル側は襲撃時の新たな映像を公開、「正当防衛」を主張している。

 ロイター通信によるとイスラエルに強制送還され、3日までに帰国したトルコのイスラム系慈善団体の責任者は「軍は無抵抗の医師に射撃してきた」と語った。また英国人男性は「兵士にカメラを向けた男性は額を撃ち抜かれた」と述べた。

 1日に記者会見した独野党・左派新党議員らによると31日午前4時半ごろ、船団の「マビ・マルマラ号」に重武装でマスクをした兵士を乗せたゴムボートが近寄ってきた。続いてヘリが近付き、2回の爆発音がした後、兵士が甲板に強制的に降り立った。乗船していた9割は自室にいた。

 イスラエル軍の説明によると、兵士は最初に大音量と光を発する非殺傷の手投げ弾とペイント銃で鎮圧を試み、命の危険を感じてから拳銃を撃ったという。イスラエルのメディアに証言した兵士は「船上には(活動家ら)数十人がいて95%がナイフやこん棒などを持っていた」と述べた。活動家らはナイフは船上で調理するためのもので「武装していない」と強調している。

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最終更新:6月4日11時31分

毎日新聞

 

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