「市長弁」で国に陳情するのはやめて――。名古屋市の河村たかし市長が管理者を務めている「名古屋港(名港)管理組合」の議会で9日、組合議員の愛知県議が市長にかみついた。組合は国に対し、四日市港(三重県)とペアで「国際コンテナ戦略港湾」に指定するよう要望中。河村市長が「何が失礼なのか」と応戦し、議場は荒れた。
「国際コンテナ戦略港湾についての国への説明は標準語でやってもらいたい」。この日の一般質問でそう訴えたのは立松誠信県議(自民)。どこに行っても独特の名古屋弁で話すのがトレードマークの市長に「『市長弁』では、成就するものも成就しない」と言い切った。
今月中の選定を控えて国に猛烈なアピールをしている市長は激怒。「(自分の言葉は)小さいときからの言葉だ」「伊勢湾が選ばれなかったら(国の選定は)八百長だ」などとまくし立てた。
河村市長は今月、組合議員の報酬は県議や市議の報酬との「二重取りだ」として、組合議員報酬を廃止する方針を表明しており、今回の県議の質問は、こうした市長の姿勢に対する反発もあるとみられる。興奮気味の市長は、組合とは関係がない市民税減税にまで言及。「(減税の)公約は裏切れない。否決されるなら私に不信任を出してもらいたい」と憤ったところで、議長にいさめられた。(塩原賢)