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有名マンガ家が描いた隠れた名作・力作が勢ぞろい! この「宗教マンガ」を読め!

サイゾー6月10日(木) 22時14分配信 / 国内 - 社会
──書店やコンビニで売っているものだけがマンガじゃない。新宗教が布教のツールとして出版している宗教マンガをご存じだろうか。一般の書店ではなかなか手に入らない、知られざるその一見“トンデモ”な世界観に触れてみると、あなたの宗教観が変わるかも!?

 かつてオウム真理教が教祖・麻原彰晃を異常なまでに美化したマンガやアニメを制作していたことが話題になるなど、一部の新宗教が布教のツールとしてそれらを利用していることが世間に認知されることになった。とはいえ、生半可なアニメ通・マンガ通の目にはまず触れることがないであろう宗教マンガ。そもそもこれらは、街の書店ではなかなか取り扱っておらず、壮大な物語展開や、圧倒的な描写力、泣けるストーリーなど、一般的なマンガに匹敵するクオリティを持った名作が数多く生み出されていることは意外と知られていない。

 宗教マンガをわかりやすく大別すると、大きく2つに分類できる。

「教え」系……教団の教義をわかりやすくマンガにしたもの。代表作としては、幸福の科学による『マンガ 太陽の法』(幸福の科学出版)や立正佼成会による『まんが立正佼成会入門』(佼成出版社)など。

「教祖」系……教祖や教団にまつわる偉人の生涯をマンガ化したもの。創価学会による大河マンガ『劇画人間革命』(聖教新聞社)や統一教会教祖である文鮮明の自伝作品『再臨のメシヤ』(光言社)など。

 このほかにもイタリア・ローマを舞台に創価学会の思想である『人間革命』を盛り込んだ恋愛系マンガ『永遠の都』(潮出版社)や、食堂を切り盛りする女将さんを中心に、日常にあるちょっといい話を描いた、『いきいき食堂の人びと』(佼成出版社)など、一見普通の読み物のように見えて、実は教団の教えを軸にオリジナルストーリーを展開する作品もある。

 これらのほとんどが、教団施設か教団関係者から直接購入するしかなく(一部はネットでも入手可能)、一般人にはなじみもないため、その実態は謎に満ちている。はたして、宗教マンガとは、いったいどんなものなのか?

 今回、興味をもった読者の宗教マンガ選びの参考にしてもらうべく、多数の宗教マンガを読破してきた大川興業総裁・大川豊氏の協力のもと、宗派を超えた「宗教マンガ大賞」を決定した。選定の基準としては、マンガとしての「ストーリー」、読者を引きつける「画力」、そして設定や物語のブっ飛び具合や強引な説法、教祖礼賛など、「トンデモ度」が基準となった。

 そこで栄えある大賞に選ばれたのが、幸福の科学の『マンガ太陽の法』だ。『太陽の法』(幸福の科学出版)は、教団の中でも聖典と呼ぶべき書物。それを大胆にマンガ化したのがこの作品だ。幸福の科学出版が発行する月刊誌「ザ・リバティ」に創刊号から4年にわたって連載され、00年にはアニメ映画化、興行収入15億円、興行収入ランキングでも21位を獲得した。幸福の科学の本尊「エル・カンターレ」の活躍を中心に、ビッグバンから始まり、10次元にまで及ぶ惑星の成り立ちや、金星人に作られた人間など、トンデモ指数がズバ抜けて高い!ほかにも幸福の科学では、『金田一少年の事件簿』(講談社)で知られるさとうふみや先生が描き、今では入手困難となっている『タイムラフティング』(幸福の科学出版)などの作品やマンガ雑誌も刊行しており、マンガに懸ける教団の思いは強い様子。大川総裁が、最大の賛辞を送る幸福の科学は、"宗教マンガ界のジャンプコミックス"と呼べるほどの圧倒的なクオリティとポップさを誇っている。

 そして新宗教といえば、もちろん創価学会も負けてはいない。こちらは信者に『キン肉マン』(集英社)の作者のゆでたまごの中井義則先生を擁している団体。出版する『劇画人間革命』は、世界で4000万部を売り上げたといわれている『人間革命』の劇画マンガ版だ。作画には、青春マンガ『750ライダー』(秋田書店)の作者・石井いさみ先生を起用し、その画力は宗教マンガの中でも群を抜いている。また、創価学会設立から、2代目となる戸田城聖元会長の活躍を描く全56巻は「大河マンガ」と呼ぶにふさわしい超特大スケールだ。このほかにも名作ギャグマンガ『風雲児たち』(潮出版社)で知られるみなもと太郎先生の『人類み〜んな「十界論」』(第三文明社)で、ギャグを交えながらわかりやすく教義を解説するなど、バラエティ豊かなラインナップだ。

 そのような「教え」系、「教祖」系が主流を占める中、大川総裁も「経済と宗教という異例のコラボ」と太鼓判を押すマンガが『劇画ヤオハンの挑戦』(日本教文社)だろう。ヤオハンの経営者一族が信仰していたという宗教団体「生長の家」によるこの作品は、一見「課長島耕作」シリーズのようなビジネスマンガの体裁を取りながらも、要所で生長の家の教えをゴリ押し!ビジネスマンにとって“聖典”となるかもしれない一冊だ。かつては世界を股にかける企業だったヤオハンの歴史がわかり、生長の家の教義もわかる、一冊で二度おいしいマンガだろう。

 さらに、マンガ家・里中満智子先生の『ブッダをめぐる人びと』(佼成出版社)は、宗教マンガ入門者にオススメの一冊だ。宗教マンガとしては数少ない少女マンガタッチで描かれるブッダは、腐女子たちの雄叫びが聞こえてきそうなほど美形。教団への勧誘シーンもなく、トンデモ度は低いが、普通のマンガとしても楽しめる。

 これらは、大型の書店やなぜかブックオフなどで、ごくまれに見かけることがある。しかし各新宗教の教団施設や新宗教専門の書店に行けば、現在刊行されているものなら確実に手に入るので、もしも興味を持ったなら、のぞいてみてはいかがだろう。熱心な書店員さんや受付の方がやさし〜く、ていね〜いにレクチャーしてくれますよ!

(構成/加茂 萩太)

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  • 最終更新:6月10日(木) 22時14分
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