複数の力士が野球賭博をしていたと公表した陸奥広報部長。左は八角親方(岸本隆撮影)
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またも角界の不祥事が発覚した。日本相撲協会は11日、数人の現役力士が野球賭博をしていたことを発表した。しこ名は公表しておらず、暴力団の関係も不明。週刊誌で疑惑を報じられた大関琴光喜は含まれていない。協会は自発的に申告してきたことを情状として酌む方向を示唆するとともに、再発防止を呼びかけた。ここ数年、力士暴行死事件や大麻疑惑、一般人への暴行などが相次ぎ、最近では暴力団関係者の観戦問題で木瀬部屋が閉鎖された直後。この際、うみを全部出し切れ−。
衝撃の公表だった。東京・両国国技館に89人の親方衆、68人の現役関取を集めて開いた生活指導部特別委員会の講習会後。協会は、複数の力士から野球賭博をしたことがあると自己申告があったことを、報道陣に公表した。先に週刊誌で疑惑が報じられたが関与を否定した大関琴光喜ではないという。陸奥広報部長(元大関霧島)は人数を「数人」としたが、「まだくる可能性がある」という。
力士の不祥事の処分は通常、協会の理事会で決まるが、今回は“自主性”を重視して情状を酌む方針。この日までに申告してきた「数人」には、武蔵川理事長から口頭で厳重注意が与えられた。野球賭博が組織だったものか、それとも仲間内でのものかについて、八角広報部副部長は「本人たちは仲間内でやっていたと言っている」と説明した。
この日の講習会後、参加者を前に武蔵川理事長は、ほかにも賭博にかかわっていたならば名乗り出るよう、異例の通達を行った。それを受けて名乗り出た力士も数人いたとみられる。さらに理事長は、各部屋にファクスで上申書を送付。全協会員に対しアンケートを行うことにした。(1)過去5年間に賭博をやったことがあるか(2)賭博の種類は何か−など複数の質問があり、14日をめどに回収する。実名での回答で、そこに記入した場合は自己申告扱いになる。
その一方で、警視庁は週明けにも協会から報告を受け、必要と判断した力士を事情聴取する。琴光喜が2度目の事情聴取を受ける可能性もある。
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