笑顔でストレッチする森野=札幌ドームで(榎戸直紀撮影)
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セ界最強の左打者がジャパンの最強右腕を打ち砕く。12日から札幌ドームで行われる日本ハム戦に向けて、中日の森野将彦内野手(31)が11日、ダルビッシュ打倒を誓った。相手は難敵中の難敵だが、森野は過去の対戦で攻略している。ダルビッシュは12日に先発予定。森野が敵のエースを攻略し、残り3試合となった交流戦のラストスパートをかける。
相手が強ければ強いほどバットマンの心は燃え上がる。攻略至難の右腕を恐れるどころか、森野は笑みさえ浮かべていた。「楽しみですね」。パ・リーグ勢と公式戦で対戦する機会は年に4試合ずつの交流戦に限られる。ダルビッシュとは今シーズン最初で最後の真剣勝負になる可能性が高い。闘志に火がついた。
北京五輪では日の丸を背負ったチームメート同士。ダルビッシュの実力は熟知している。「すべてのボールがいい」。ストレートも変化球も一級品と素直に認める投手。打者として、これほど勝負しがいのある相手はいない。
データでは森野に分がある。日本シリーズを含めた通算成績では16打数6安打、打率3割7分5厘。森野は「いい当たりはあまりないんだよね」と振り返る。「得意」という意識まではないだろうが、ヒットが出ていてイメージが悪かろうはずはない。
チーム全体ではダルビッシュに過去の交流戦3試合で防御率1・16とほぼ完ぺきに抑えられてきた。
加えて、ダルビッシュを交流戦で打率5割、日本シリーズを含めると同3割6分と打ち込んできた井端が、故障で11日に出場選手登録を抹消。不動の3番打者への期待はひときわ高まる。
仙台からの移動後に札幌ドームで行われた練習ではフリー打撃を行わず、ストレッチなどでじっくり体をほぐしてコンディションを整えた。「打つしかありません」と森野はきっぱり語る。ダルビッシュの力量も苦しいチーム状況も百も承知。
主軸として、チームリーダーとして。相手が誰であれ一歩も引かない。 (木村尚公)
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