日本振興銀行が行内の電子メールを削除し金融庁の検査を妨害したとして銀行法違反容疑で家宅捜索された事件で、警視庁捜査2課が、メール削除の経緯などについて木村剛前会長(48)から任意で事情聴取したことが12日、捜査関係者への取材で分かった。
一方、メールには削除に必要なパスワードが設定され、行内の2、3人しか把握していなかったことが12日、振興銀関係者の話で判明。パスワードを知る立場にない当時の役員が削除に関与しており、不正にパスワードを入手した可能性があるという。
捜査2課は同日までに、この役員を含む数人も任意で事情聴取しており、組織的な関与の有無を慎重に捜査する。関係者によると、木村前会長は自らの関与を否定したとみられる。
銀行法違反容疑で刑事告発した金融庁は「重大な事実を記したメールが意図的に削除された」と指摘。西野達也社長は、役員らによる削除を認める一方、木村前会長の関与については「調査中」などとしている。