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南ア杯、285億円つぎ込み超厳戒開幕

 開幕式典でピッチ上に現れた、サッカーシティー競技場を模したオブジェから上がる煙(共同)
 開幕式典でピッチ上に現れた、サッカーシティー競技場を模したオブジェから上がる煙(共同)

 4年に1度、世界を熱狂させるサッカーW杯の南アフリカ大会は11日、ヨハネスブルクで開幕。第19回W杯はアフリカで初の大会となった。マンデラ元大統領が「南アおよびアフリカ全土に融合と誇りをもたらす」と熱望した巨大イベント。人々は南アの黄色いユニホームを着て喜び合った。一方で、開幕前に外国の代表選手や報道陣が強盗などの被害に遭い、治安の悪さを改めて印象付けたためヨハネスブルクは朝から警察官多数が厳戒態勢を敷き、物々しい雰囲気に包まれた。

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 多くの人種や民族が彩る「虹の国」に世界最大級の祭典がやってきた。サッカーのワールドカップ南アフリカ大会は11日、ヨハネスブルクで開幕した。9万人以上を収容できるサッカーシティー競技場が開幕戦の舞台に。アフリカ大陸初の歴史的瞬間を見届けようという大観衆で埋まり、興奮は頂点に達した。

 南アのズマ大統領が開幕を宣言。「アフリカのW杯です。アフリカの時代がやってきました」と力強くスピーチ。欠席したマンデラ元大統領からのメッセージも代読し「試合を開催して、楽しんで下さい」と読み上げると会場は大歓声に包まれた。

 開幕セレモニーが始まった午後は快晴。観客席の屋根越しに、透き通るような青空が広がった。競技場内は南ア代表のユニホームで黄色く染まり、赤や緑など原色の南ア国旗も振られた。

 応援グッズのブブゼラの「ブブブブッー」という大音量と、歓声が競技場内に響き渡った。会場に流れる音楽に合わせ黒人も白人も体をくねらせた。

 開門前、早朝から最前列に並んでいた南ア人で銀行員フィリップ・プラットさん(28)は国旗を額にペイント。「ずっと開幕を待っていた。全世界が南アに注目していることを光栄に思う。興奮しすぎておなかが痛くなってきたよ」と話した。

 華やかなお祭り気分に包まれる一方、開幕戦が行われる最大都市ヨハネスブルクのサッカーシティー競技場では、朝から警察官多数が厳戒態勢を敷いた。

 殺人発生率が日本の50倍とも言われる同国。南ア政府はW杯に向け、治安対策に24億ランド(約285億円)以上を費やし、高圧放水砲など最新機器を購入した。警察官約4万4千人も新たに採用した。

 しかし、W杯間近になって、外国人が巻き込まれる強盗事件などが多発。ドイツから来たサポーターは「ほかの観光客がいるところに行くようにする」と笑みを浮かべながらも緊張した面持ちで話した。






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