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【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 韓国、また泣き寝入り? (3/3ページ)
このニュースのトピックス:韓国
北朝鮮の“戦争脅迫キャンペーン”に興味深いものがあった。最高権力機関の「共和国国防委員会(金正日国防委員長)」のスポークスマン声明(5月20日)にはこうある。
「わが方が遂行する全面戦争は(略)全民族が強盛する統一大国を打ち立てる全民族的で全人民的、全国家的な戦争になるだろう」
報復や制裁には全面戦争で応えるが、それは南北統一戦争になるというのだ。ちょうど60年前に失敗した、武力による南北統一戦争をまたやるといっているのだ。
韓国も、実は有事に備えた米韓連合軍の「作戦計画5027」があり、そこでは北進および平壌占領を含む“統一戦争”が視野に入っている。ということは、南北とも口では平和統一をいっているものの、具体的な統一イメージではやはり“武力統一”なのだ。
脱北者の話に「北では人びとが生活苦からいっそ戦争になればいいといっている。南と一緒になれば暮らしがよくなりそうだから」というのがよくある。
しかし韓国人は「統一より平和」を望んでいるようにみえる。「しばし“平和”を犠牲にしてでも北の同胞を解放してあげたい」といった考えはない。
選挙結果もこれありで、韓国では哨戒艦事件の北朝鮮糾弾はしだいにトーンダウンしつつある。戦争の覚悟がなく、平和志向の韓国は北に何度やられても「泣き寝入り」するしかない。