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首相、きょう宮崎入り 口蹄疫拡大防止を強調 '10/6/12

 菅直人首相は11日、政府の口蹄こうてい疫対策本部の会合で、12日に宮崎県を訪れることを明らかにした。同県では日向市や宮崎市などにも感染が広がっており、政府全体で被害の拡大を防止する姿勢を示す考えだ。

 菅首相は11日夜、「(東国原英夫宮崎県)知事の話を聞く中で、やらなければならないことがあれば、それをしっかりと取り組みたい」と強調。東国原知事は「国が責任を持ち万全を期すことを現政権も引き継ぐようお願いしたい」と語った。

 対策本部は、被害が集中する川南町などで埋却場所が確保できずに殺処分には至っていないことが、感染拡大の主因であると分析。ウイルスの拡散を防ぐため、埋却場所を見つけ、殺処分を急ぐことを確認した。

 感染拡大で、鹿児島などの隣県に飛び火する恐れも強まっているため、国道や主要な地方道で通行車両に対する消毒を強化。都城市と隣接する鹿児島県の曽於市は県境の一部道路を封鎖する。

 政府は、感染拡大で殺処分を行う獣医師などの人員が確保できず、封じ込めに支障を来す恐れが出てきているため、全国の大学の獣医学科から獣医師の資格を持つ教員らを動員することを検討。

 農水省によると、宮崎県では現在、殺処分を行う獣医師が約30人、家畜の扱いに慣れた補助要員が約20人不足。政府は週明けにもこれらの要員を追加派遣する方針だ。

 宮崎県は、写真で感染疑いがあると判定された宮崎市や日向市などの牛や豚の遺伝子検査結果が陽性だったと発表、殺処分を進めた。

 宮崎県は肉用牛と豚ともに鹿児島県に次いで全国2位の産出額で、口蹄疫の流行が長引けば全国的にも影響は避けられない。




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