エリちゃん、初の大仕事−。薬害肝炎訴訟の原告だった民主党新人、福田衣里子衆院議員(29)が今国会成立を目指す「肝炎対策基本法案」が30日に成立する見通しとなった。国会審議中断で衆院通過も危ぶまれたが、26日の衆院本会議で可決にこぎつけたのだ。肝炎訴訟で国の無策を叫び、先の総選挙では「命をつなぐ政治」を訴えて初当選した福田氏は満面の笑みをみせた。
「(肝炎被害は)政治の悪が結集した、国民よりもメンツ、命よりも商売、癒着、天下り、隠蔽体質、被害の過小評価、そういうものが詰まった事件。(法案成立の目途が立ち)政治への希望を取り戻すことができた」
衆院本会議に先立つ党代議士会。福田氏はこう心境を語り、声を詰まらせた。
法案は肝炎患者全員の治療費負担の軽減が柱だが、ここに至るまでの道のりは平坦ではなかった。まず7月の衆院解散で肝炎関連法案が廃案に。政権交代後の今国会でも、中小企業金融円滑化法案の強行採決で与野党が激突、審議中断が直撃するなど政争に翻弄された。
それでも「どんな暴風雨が吹こうとも成立させたい」とあきらめなかった。議員立法に向けた準備を進めるため、小沢一郎幹事長に直談判し、了承を取り付けるなど新人議員らしからぬ度胸と行動力もみせた。この熱意を評価したのか、「剛腕」小沢氏も国対幹部に「早くやってやれ」とハッパをかけ「溺愛する福田氏」(民主党関係者)を援護射撃した。
「国に命を区切られ、傷ついた心が法案成立で回復することを願っています」
衆院通過後、自らのブログに初仕事の感想を記したエリちゃん。次は「婚活」にも全力投球か?
【福田議員 涙のあいさつ】(26日、肝炎対策法案の成立を目前に控え、民主党代議士会)
みなさん、お疲れさまです。長崎2区の福田衣里子です。初登院以来2カ月余りですけれども、先輩の先生方、山岡国対はじめ三井先生、多くの先輩方に温かくご指導いただきながら、そして、新人の同期のみなさまに暖かく、温かいお言葉をかけていただきながら、これまで頑張ってくることができ、本当にありがとうございます、感謝申し上げます。(拍手)
薬害肝炎事件というものは、本当にこれまでの政治の悪が結集した、国民よりもメンツ、命よりも商売、癒着、天下り、隠蔽体質、被害の過小評価、そういったものが詰まった事件だったと思っております。(会場から『そうだ!』の声。福田氏は目に涙をため、声をつまらせながら…)
今回、この法案が成立することは政権交代が成し遂げられた本当の意味だと、国民の方々は政治に対して希望を取り戻すことができたと思います。体だけではなく、国に裏切られ、国によって命を区切られた、そういった方たちの思いの、不幸の回復が成し遂げられると思っています。基本法案なので実のあるものにしていくため、これからも頑張っていきますので、どうかよろしくお願いいたします。(拍手)