みなさんは「ビオトープ」というのをご存知でしょうか?
「色んな動植物が生息する場所」のことなんですが、おととい、北九州市に国内最大のビオトープがオープンしました。
絶滅危惧種に指定されている貴重な生き物も見ることができるんだそうです。
「ナミテントウです」「楽しくておもしろい。いっぱいいて嬉しい」(参加した子供たち)
おととい、北九州市若松区にオープンした「響灘ビオトープ」。
東京ドーム10個分にあたるおよそ48ヘクタールあり、国内のビオトープでは、最大の広さを誇ります。
そして、そこに生息する動植物は、500種類以上に上ります。
こちらの池には、絶滅危惧種に指定されているメダカがいます。
この他にも、十数種類の絶滅危惧種がいます。
市民ガイド岩本光徳さんノイズ「水がピチピチしてる。あれ全部メダカ。(メダカの)卵が鳥の足に付着して飛んできて、ここでメダカが発生しました」(市民ガイド・岩本光徳さん)
「あっ、ミサゴ、ミサゴ。準絶滅危惧種のミサゴです。場内ではちょくちょく見かける」(岩本さん)
ビオトープは案内員と一緒に回ります。
いまは、仮オープンで、月に1回、指定された日に、20組ほどの見学を受け付けます。
北九州市では今後、遊歩道や観察小屋などを整備しながら、案内員も育成し、見学会の回数を増やす計画です。
仮オープンの前日、市民ガイドの岩本さんに、とっておきの場所を案内してもらいました。
「今から、トンボがいっぱいいるところに案内します。いっぱい映像撮ってくださいね」(岩本さん)
「あなた達が見えないとこを、今から見せます。草触って。いっぱいトンボが出てきます。これが、アオモンイトトンボ。これはメス。日にちがたつと、ちょっと青っぽくなってくる。これは、今日羽化したばかりのショウジョトンボ。日にちがたつと段々色が付いて、真っ赤になる」「こういうのを子供たちに見せたい。いっぱいいる。昆虫関係、どれくらいいるか分からない。生物調査に入れば入るほど、いろんなものが出てくる」(岩本さん)
この響灘ビオトープ、一見、もともと自然豊かな場所であったかのように見えます。
しかし、実は汚泥や建設廃材など、産業廃棄物の埋め立て処分場でした。
1986年に埋め立てが終了し、20年以上にわたって放置された間に、でこぼこした土地に雨水がたまり、湿地や池ができました。
周囲の山からは、種が飛んできて、植物が育ち、そこに動物たちが集まってきたというわけです。
「ここは人が持ち込んだものではなく、手付かずの動物、鳥、昆虫が自然に発生したもの」(北九州市環境局・山口新一自然共生係長)
響灘ビオトープで確認されている絶滅危惧種には、ほかにもタカ科のチュウヒやカモメ科のコアジサシ、さらにベッコウトンボや多年生植物のリュウノヒゲモなどがあります。
おとといの見学会では、子供たちが、間近で見る生き物に目を輝かせ、園内を駆け回っていました。
「自然がいっぱいで楽しかった。鳥とか虫が見れて楽しかった」(参加した男の子)
「またいっぱい来て、調査とかしてみたい。ベッコウトンボやチョウトンボを見たい」(参加した男の子)
「日常生活では、こんなたくさんの鳥や植物、虫を見ること出来ないので、とてもいい」(参加した保護者)
国の環境モデル都市、北九州市の生き物の楽園は、市民が自然と触れ合う貴重な場所となりそうです。