羅老号失敗:事故原因、共振現象説が有力(上)

 韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」の再打ち上げが2分17秒後に失敗に終わったことを受け、原因究明に関心が集まっている。羅老号プロジェクトには2002年から8000億ウォン(約590億円)の事業費が投じられ、うち2億ドル(約180億円)がロシアに渡った。しかし、今回の打ち上げがむなしくも爆発という結果に終わったことから、正確な原因究明と責任の所在確認が必要だとの指摘が高まっている。

1段目ロケットで異常発生

 最大の関心事は爆発原因だ。専門家によると、今回の打ち上げ失敗の原因は1段目ロケットの異常が有力視されている。打ち上げ後2分17秒後という爆発時間は、1段目ロケットで発射体が上昇する段階だ。事故直前に観測された黒煙や閃光(せんこう)が走る映像なども1段目ロケットに異常が発生した可能性を裏付けている。

 延世大の尹雄燮(ユン・ウンソプ)教授(機械工学)は「ロケット打ち上げ失敗の56%が発射体を打ち上げる推進部分(1段目ロケット)の異常によるものだ」と指摘した。

 だとすれば、1段目ロケットの異常はなぜ起きたのか。専門家は二つの可能性を指摘する。一つ目はいわゆる「共振現象」の発生だ。

 建国大の李昌鎮(イ・チャンジン)教授(航空宇宙情報システム工学)は「ロケットの火炎噴出口では激しい化学反応が起き、さまざまな周波数(の振動)が発生する。この周波数にロケットの燃焼室が共振して爆発する。それがロケット打ち上げの失敗例の大半を占める」と指摘した。共振現象の防止法こそ各国のロケット開発のカギだという。

 二つ目はターボポンプの異常だ。ターボポンプとは燃料と酸化剤を燃焼室に送る加圧装置だ。李教授は「ターボポンプに入る燃料と酸化剤は常に速度と量が一定でなければならない。量や速度が一定でなかったため、爆発を起こした可能性がある」と分析した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る