メジャー団体と呼ばれるための必要条件

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須山浩継(すやまひろつぐ)
1963年広島県出身。大学卒業後、5年間のサラリーマン生活の後に「趣味で食えたらラッキー」と、プロレス&格闘技を主に取材対象とするフリーライターに。 プロレスに関してはもっぱらインディー系と女子が専門分野で、メジャー団体や選手の取材経験は非常に少ない特殊マスコミ。 現在はサムライTVの怪番組「インディーのお仕事」の企画構成、大日本プロレス中継の解説などを担当。

メジャー団体と呼ばれるための必要条件

2010年06月09日アダルト

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「メジャー団体の基準って何ですか?」
たまにこんな質問を受けることがあります。ひと昔前なら地上波全国ネットで中継が行われているか否かを、比較的わかりやすい基準として挙げることができましたが、昨今ではその条件を満たすのは新日本プロレスのみとなっています。

プロレス団体を何をもってメジャー、何をもってインディーと分けるかは、けっこう厄介な問題だったりします。私は単に団体の活動規模や試合数だけの問題でもないと思っていますし、さらにはインディーとマイナーは別物であるとも考えています。ただ数年前のある経験から、メジャー団体であるための必要条件は一つ挙げることができるようになりました。

数年前、ある興行のお手伝いをしたことがあります。その興行には様々な団体から選手が参戦していたのですが、大会後にはほぼ全選手が率先してリングを解体して、トラックに運びこみました。普段は別々のリングに上がっている選手たちが、力を合わせて一つの作業をしている光景はなかなか感動的で、様々な人たちの力が結集されてプロレスの興業が作り上げられていることを再認識させられました。

そんな撤収作業も終わって場所を移しての打ち上げパーティーとなったのですが、そこでメジャー団体からその大会に参戦していたある選手と、じっくり話をする機会がありました。そこで彼は申し訳なさそうにこんな話を始めたのです。

「大会後にみんなでリングの撤収をしてたじゃないですか。でも、僕は手伝えなかったんですよ。今まで一度もリングを組み立てたことも解体したこともなかったし、そんな僕が下手に手伝うと邪魔になっちゃうと思って」

その言葉はけっこうなカルチャーショックでした。なぜならインディーや女子団体ばかり取材してきた私は、リングは選手が組み立てて撤収するのが当たり前と思っていたからです。しかし改めて考えてみれば、それは必ずしも当たり前のことではなかったのです。さらには誰がリングを組み立てて撤収するかは、実はメジャー団体とそうでない団体を分ける、けっこう明確な分岐点のように思えてきたのです。(次回に続く)


※こちらとは別に「須山浩継伯爵の身勝手日記」というブログの方もご愛読頂ければ幸いです。またhirotsugukunというアカウントでツイッターもやっております

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