(1)「水谷建設」元会長が特捜部の任意の事情聴取に対し、「'04年10月と'05年春に計1億円を小沢氏側に渡した」と供述
(2)資金管理団体「陸山会」が’04 年に購入した東京都内の土地を翌年に購入したように政治資金収支報告書に記載。元秘書で同会の会計事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員から事情聴取する方針
(3)「小沢一郎政経研究会」が'00~'04年分の政治資金パーティー券収入について、政治資金収支報告書に実際より少なく見せかける虚偽記載をしていた疑惑
(4)小沢ガールズ・である青木愛代議士の元公設秘書が「小沢氏の秘書から秘書給与の一部を青木氏が代表を務める政党支部に寄付しろと強要された」と証言
〔PHOTO〕堀田 喬
臨時国会閉幕を待って、特捜部はその本気度を表出させた。西松建設が二階俊博前経産相(自民)の政党支部に、社員らの個人献金を装って900万円を提供していた問題で、特捜部は12月9日、二階氏の長田武敏政策秘書を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で略式起訴したのだ。無論、二階氏が本命なわけではない。なにせ来る12月18日には、小沢氏の秘書・大久保被告の初公判を控えている。
「西松建設の事件で、検察は小沢氏本人の事情聴取も検討した。しかし、どの公共工事についてカネが支払われたのかという具体性がなかった。だから、小沢氏は余裕綽々で、公設秘書の公判を前にしても『故人献金問題で鳩山は持たない』などとフィクサー面を決め込んでいました。しかし、検察が水谷建設の元会長の釈放を延期し、一度は盛り上がって沈静化したはずの二階氏の捜査を9ヵ月も経った今になって再燃させたことで、一気に緊張感が高まったのです」(自民党幹部)
特捜部の本気度を示す状況はそればかりではない。前出の捜査関係者が語る。
「今年4月、小沢氏の地元である盛岡地検から3人の検事がそろって東京地検に異動。それに先立つ1月には、盛岡地検検事正の谷川恒太が東京地検のナンバー2である次席検事に着任した。秘書一人を有罪にするために敷く布陣ではない」
無論、百戦錬磨の”独裁者”も手をこまねいているわけではない。
「死刑反対の立場を貫き、小沢氏からも距離の遠い千葉景子氏が法務相に任命された際、法務・検察官僚はみなクビを傾げましたが、その理由が判明しました。反権力の立場で、小沢氏の傀儡になる千葉氏とともに来年1月、捜査に関わる検察首脳を一気に入れ替える気なのです。樋渡利秋検事総長のほか、最高検次長の伊藤鉄男氏、最高検刑事部の大鶴基成氏という特捜部長経験者、そして谷川氏まですべて外そうという前代未聞の人事を練っているのです」(別の検察関係者)
米軍基地移転問題で空中分解寸前の民主党に決定的な亀裂を入れるのは、vs.検察という熾烈な闘争なのかもしれない。
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