インターネット上の児童ポルノサイトへの接続を強制遮断する「ブロッキング」をめぐり、警察庁が公募していた、ブロッキングの対象にする児童ポルノのアドレスリストを作成する調査研究事業を、財団法人「インターネット協会」が受注したことが十一日、分かった。
事業では来年二月にかけてリストを作成。リスト作成のためのマニュアル作りや、リストを利用するプロバイダー(接続事業者)などとの契約が求められている。
同協会は警察庁から年間一億五千万円の委託費を受け、ネット上の違法・有害情報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター」を運営。リストは同センターからの情報で作成される。
このためリストの提供を受けて、遮断に取り組むことになるプロバイダーなどからは「リストに警察の意向が反映されるのではないか」と中立性を懸念する声も出ている。
児童ポルノサイトの遮断をめぐっては、通信の秘密を侵す恐れがあるとして、プロバイダー各社は「削除や摘発など、ほかに手段がない場合に限り実施する」としているが、警察庁はサイトを発見次第、遮断することを主張している。警察庁の担当者は「今回は単年度の予算で試験的に行う調査・研究で運営上の課題などを探るのが目的」としている。
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