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2010/6/11

「利用者」に代わるいい呼び名はないか  

英語圏では図書館利用者のことをパトロン(patron)と呼ぶ。

Etymonline によると patron の定義はこうなっている。

"a lord-master, a protector," c.1300, from O.Fr. patrun (12c.), 
from M.L. patronus "patron saint, bestower of a benefice, lord,
master, model, pattern," from L. patronus "defender, protector,
advocate," from pater (gen. patris) "father." Meaning "one who
advances the cause" (of an artist, institution, etc.), usually
by the person's wealth and power, is attested from late 14c.;
"commonly a wretch who supports with insolence, and is paid
with flattery" [Johnson].
Commercial sense of "regular customer" first recorded c.1600.
Patron saint (1717) was originally simply patron (late 14c.).


このうちサミュエル・ジョンソンの引用は、とりあえず無視してくれていい。サミュエルジョンソンとは辞書編纂者だが、ここでは「後援者」を辛らつに皮肉って定義している。「金を出すときは傲慢で、お礼にお世辞で返される惨めなやつ」という定義だ。

彼以外の記述を見てほしい。patron は語源から見ても「守護する人」、の意味だ。地位的にも上のニュアンスがある。

Etymonline の最後から2番目の行が示すように、この単語にはその語源のような高貴な意味は薄れた。しかし語源は語源なので、リスペクトするニュアンスは保たれている。

英語圏では図書館利用者のことをこのように敬意を込めて呼ぶのだ。

さて、「DORA−LOG2 どこにでもいるただの図書館司書の戯言」というブログの記事を読んでいただきたい。ここに引用する。

私は、ここで何かを書く時、図書館運営に関与する人が多く読んでいるのだろう、ということを前提にしているので、文章の内容に応じて意図的に「利用者」「貸出し」という言葉を使うことがあります。ただ、個人的には「利用者」という呼び方は大嫌いなので、図書館関係者が内部的に使う場合を除いては、意識して使わないようにしています。それは、図書館で配布する印刷物についても同様で、条例などにより様式が定められている場合を除いて、できるだけ言葉を選ぶようにしています。
しかし、傍から見ていると、場面による使い分けが殆ど出来ていないのです。実に「あちゃー」な事態なのです。例えば実際に何処かの図書館で聞いたものですが、館内放送で「利用者の皆様へ〜」という言葉は如何なものでしょう。こういう場合、「ご来館の皆様へ〜」とか、もっと適切なフレーズがあると思います。
このような言葉の使い分けが自然に出てこない理由は、恐らくは、普段の仕事の中で場面に応じたやり方を考える訓練が出来ていないところに起因する部分が大きいものと考えます。


この方のブログを読んで、人への配慮に関して学ぶところがいくつもあった。この意見もそのひとつだ。昔新聞かなにかで似た意見を読んだことがあった。JRかバスのアナウンスで「○○止め」という表現は、お客様視点ではない。日本語のお客様を大事にする文化が失われてきているという主張だった。

私自身は「利用者」という言葉には何の抵抗もない。しかしお客様のことを大事に考える、職業意識の高い DORA さんだから、こういった思いやりができるのだろう。私はDORAさんは、左京図書館の糸井さんのような、常に利用者の目を見て笑顔で応対し、利用者のことを第一に考える図書館職員なのだろうと思う。図書館を退職した、とも書いていたが、図書館にとっては損失だろう。

さて、DORAさんの提案を受けて、「利用者」に変わる新たな言葉を作るとすると、どんなものがふさわしいだろうか。

日々知識の地平線を広げ将来の構想に備える私としては、「探求者」「冒険者」と呼ばれたい。"patron" に意味が近い日本語にすると堅くなる。だから「保護者」「守護者」は選ばれる可能性は0だろう。サッカー界みたいに「サポーター」では軽すぎる。しかし「冒険者」では「利用者」の意味から遊離しすぎている。

いい言葉があれば紹介してほしい。
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テーマ: 図書館
タグ: 図書館 利用者 行政



2010/6/9

小泉功著『宗教音楽におけるラテン語の読み方』  書評・読書感想

先日書評で絶賛した小泉功著『宗教音楽におけるラテン語の読み方』の続きだ。ぜひ紹介したい記述を見つけたのでお裾分けだ。この本はカワイ楽譜が昭和34年に発行した本だ。古い本ならではのうれしい記述だ。

言語学、特に音声学者を学習したものなら ダニエル・ジョーンズは知っていると思う。Daniel Jones は映画『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授のモデルとなった音声学者だ。

ダニエル・ジョーンズは「音素」を初めて使った学者であり、cardinal vowels の表を考案した人物である。そしてなんといっても「Oh, professor Higgins!」
私がサウンドオブミュージックに次いで好きなミュージカルの主人公だ。

なんと、小泉功氏はあることをジョーンズ博士に尋ねたという。なんだか映画の人物に話しかけたと言っているみたいで、面白かった。

歌唱のラテン語の基礎知識を知らない人にちょっと解説しておこう。ラテン語は現在では死語だ。したがって西ヨーロッパの人は、ラテン語を自分の国の言語の訛りで発音している。ちょうど日本人が中国人の姓を日本読み(蒋介石を「しょうかいせき」と発音するように)するように、だ。

qui をフランス人は ki-, ドイツ人は kvi-, イタリア人は kwi- と発音する。なおここではIPA の記号が使えないのでハイフンで長音記号を代用している。

しかし一応ローマ・カトリック教会お墨付きの発音法というものがある。それはイタリア語式発音とだいたい同じだ。いや、ほとんど同じといっていいかもしれない。

それとはさらに別に、古典ラテン式がある。学者が当時の発音を忠実に再構築してできた発音の体系だ。しかし2千年も前の言語なので、細部の発音については異論がある。

こういった前知識を持って次の箇所を読んでいただきたい。

本来 Rolled r をもたない英語において、歌の場合に限ってそれを用いる理由を、筆者が Daniel Jones 教授に尋ねたところ、イギリス人は200年以上にわたって声楽をイタリヤ人から学んだために、歌の場合に限ってイタリヤ式 r がイギリスに輸入されたというのである。しかし、それは独唱者に限られ(合唱でブルブル震わせる r を用いることはイギリスでは下品とされている)、しかも、アクセントのある位置とかイントネイションの高揚部に限って用いることが望ましいということであった。


この記述は日本の合唱関係者にとっても知らなかった人が多いのではないだろうか。トリビアの泉だったら、へぇーを連発していたところだ。

語句を解説しておこう。イタリヤ式 r とは、英語の語頭の r を震わせた音、と思っていいだろう。日本語のラ行は舌が上口蓋に一回タッチするのでこれとは違う。

合唱関係者にも、私の書評を読んで小泉功さんのこの本を読みたくなった人もいるのではなかろうか。

この他にもたくさん学べる記述があった。もうひとつだけ紹介したい。

なんといにしえのローマの文法家たちは、dark l と clear l とを区別していた!
詳細は Google などで調べてほしい。


dark l  
clear l 
IPA  
三ヶ尻正

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テーマ: 読書
タグ: 書評 言語学 音声学

2010/6/8

公務員にも華がいる!  知る権利と行政

このサイトのメインはレファレンス批評だ。しかし公務員を批判する記事が多いのは事実だ。

たしかにそれは事実かもしれない。しかし批判ばかりしているわけではない。情報公開コーナーの堀さんの有能さ、市民にとってのありがたさはきちんと褒めた。岩倉図書館の仲田館長もついても賞賛している。

どこの世界にもいい人間と悪い人間がいる。確かにいい人間はもちろん公務員にもいる。しかしいい行動をするための誘因 incentives が少ないのも事実だろうと考える。

また社会学的な力も働く。組織の慣性 inertia であったり、組織の同型化 isomorphism などだ。

そんな力をものともせず、自分の職業意識を持ち立派に仕事をしている公務員も多いだろう。

府庁の総合相談窓口の、姓に「笹」のつく職員(小笹だったか?)も、すばらしい職員だった。また旧館の府民総合案内センターの課長(センター長)の中澤弘さんもすばらしい職員だった。

このことは別の日に改めて記事にしたい。
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テーマ: 現場から

2010/6/6

立命館に喝。  レファレンス

立命館大学 ドイツの哲学者Johann Friedrich Herbart(1776-1841)が死亡した当時の死亡記事(Obtuary)を探して欲しい

慶大に地方新聞の記事を見つけてもらって解決したのはいいけど、「なんという検索語」でもヒットしなかったのか、具体的にレファ協に書いてほしかった。それに、 obituary の綴りが間違っている。
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テーマ: 図書館

2010/6/6

KULINE のユーザーインターフェースは改良の余地がある  図書館情報学

KULINE はインターフェイスをもっと使いやすいものにすべきだ。解説も充実させるべきだろう。私は問題を2点見つけた。

「本草綱目」をキーワードに入れて検索すると場所全部で69件ヒットする。
「場所」の「キャンパス」のラジオボタンをどれかにあわせると、たとえその下の「所蔵館」をどれに合わせても、「キャンパス」の条件にオーバーライドされる。さらにその下の「配置場所」を指定して初めて、「所蔵館」の指定の意味が生かされる。

このことはヘルプにも書かれていない。クリックすると元のサイズで表示します

以上のことは知って慣れればいい話だ。しかし何万人もの人が初回に戸惑うことになるので、マクロで見れば時間をかなり無駄にさせている。

さらに不便なのは、「配置場所」がラジオボタンでなくプルダウンなことだ。プルダウンの選択肢が多い場合、非常に使いにくい。さらに、プルダウンはひとつしか選べない。プルダウンメニューから複数選べるようになっていない。だから不便だ。ひとつひとつ、この書庫では、あの部屋では、と調べなければならない。しかし「キャンパス」を「全て」にするとヒット件数が多すぎるのだ。

この使いにくいユーザーインターフェースは、実際に検索して実験しながら作られたとは思いにくい。改良の余地がある。



追記:オーバーライドの件はちゃんとヘルプに書いてあったので引用する。
キャンパスをチェックボックスでチェックするか,所蔵館のプルダウンリストから選択してください。キャンパスの「吉田」「北部」「医」「桂」「宇治」を選択した場合は所蔵館での絞り込みはできません。所蔵館を限定したい場合は、キャンパスの「全て」を選択して、「配置場所」を指定してください。
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テーマ: 図書館
タグ: OPAC 司書 図書館

2010/6/6

SFPL 対 筑波大  図書館情報学

次世代OPACの Encore を採用するサンフランシスコ公共図書館のOPACと筑波大学 Tulips を簡単に比較してみた。一度やったが、 in and out と入れて検索だ。SFPL も筑波大もデフォルトでは関連度でソートして上位から結果を表示する。

Tulips の結果

SFPL の結果

ごらんのように、現状では SFPL のほうが Tulips より優れている。日本のベンダーももっとがんばってもらいたい。
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テーマ: 図書館

2010/6/6

WDLで遊んでみる  

下の画像はザバイカル コサック連隊の cote of arms だ。色使いが寒々している。もっと派手にできなかったのか。
クリックすると元のサイズで表示します
ロシア帝国はコピーライトの国際協定に非加盟だったので、自由に画像を使ってもよさそうだ。
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テーマ: 図書館

2010/6/6

政治家は中央の独立行政法人だけでなく、地方自治体の出資団体もチェックすべきだ  知る権利と行政

札幌市生涯学習振興財団(ちえりあ)は00年度の職員採用試験で、合格した17人中16人に市幹部や市議のコネ採用であったと朝日新聞から報道があった。朝日新聞はよくやった!

同様のことが京都市の出資団体でも行われてこなかったか、京都市の市会議員はチェックすべきだ。

コネ採用を放置容認することは、コネでなく実力で入社した人にとって失礼だし、実力組もそのような色眼鏡で見られかねない。

日本の最後の暗部を明るみにだすことによってしか、日本の再生はありえない。地方分権を実現するなら、その前にやるべきことはたくさんある。出資団体の情報開示を「努力すべき」ではなく義務化したり、コネ採用を根絶したりするのを喫緊の目標とする。それには政治家の努力が不可欠である。
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テーマ: 図書館
タグ: 市会議員 議会 行政

2010/6/5

日進市立図書館の書評機能は日本の公共図書館に広まるだろうか。  図書館情報学

日進市の市立図書館の OPAC は、注目すべき2つの機能をつけている。「今度読みたい本」と「書評」だ。アメリカや一部の日本の先進大学図書館では珍しくはないが、自治体の図書館では先進的だ。データベースの OVIDsp の annotation 機能は個人的なメモだが、OPAC の「書評」機能は当然公衆の目にさらされることになる。

しかしやはり、「書評」を検閲するのは人なのだろうか。というのも、インターネット閲覧フィルターみたいに、ある程度の語句を拾ってブロックをかけるのは当然するだろう。しかしすべての問題書き込みを自動でブロックすることはできないからだ。

だから結局人がチェックすることになる。しかし多くの自治体では余計な労働力投入を拒否するだろう。

したがって、この機能が日本の自治体が運営する図書館に広まるかといえば、その可能性は低いだろう。
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テーマ: 図書館
タグ: 図書館 司書 OPAC

2010/6/4

ハティトラストとは何か  図書館情報学

別に投稿する記事でもないんだけど、ミシガン大学のオフィシャルサイトに続いて「ハティトラスト」でヒットすることになるのが嬉しくて、投稿してみた。HathiTrust はそう発音するのだ。意味はパンジャーブ語で象だ。だからシンボルマークは象なんだ。象にカレー食わせてたらもっと面白いのにね。
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テーマ: 図書館
タグ: Librarian 司書 OPAC

2010/6/4

小泉功さんの合唱ラテン語の解説はすばらしい  書評・読書感想

ラテン語の発音を解説した、古い本を借りた。宗教音楽におけるラテン語の読み方 (1959年) [古書]だ。お奨めだ。

合唱のラテン語といえば三ヶ尻さんの本がすごく使いやすくて(単語の逐語訳がついていて学びやすい)、解説も明快でお世話になった。

今回は「どうせ古い本(昭和30年代)だから難しい表現とか使ってるのだろうな」と思っていたのだが、嬉しい驚きがあった。

アカデミズムの人でなく実際に合唱を教える立場だからなのか、表現がすごく易しい。しかしちゃんと言語学で語っているのである。

巷のラテン語解説書は、入門書であっても難解なものが多い。講談社新書のラテン語入門も、たいていの人は途中で投げ出すだろう。

しかし、この本は発音の解説だけなのだが、とってもわかりやすい。お勧めだ。

新しいことも学んだ。ラテン語でなぜ k を発音するために Q K C の三つの文字を使い分けるのか、説明できるだろうか。

私は知らなかった。うろこが目から落ちた。当初は使い分けていた。直後に来る発音がi や e の狭い発音には C, u や o には Q、その中間の a には K というふうに。しかしどれも似たようなので、結局は C に収斂したというわけだ。

もうひとつ目からうろこが落ちたことがあった。小泉さんはこう書いている。英語の歌唱では、"seat" の "ea" の発音を緩和する。あっかんべ、の「イーだ」と発音するとき、口が横に引っ張られる。これは汚く聞こえる。だから "sit" の "i"を伸ばした音で発音するのだ。(本当は IPA で説明したいのだが、このブログでは多分無理だろう)

確かにそうだ。ラップとか以外、うまい人はそう発音しているようだ。

歌唱に限らず、きれいな発話をする人は、こういった緩和をしていると思う。アーティキュレーションのはっきりした人ですぐに思い浮かぶのは、サッカー解説の松木安太郎さん。サービス産業の人のなかにもこういった人がいる。でも決して心地のいい発音とは思えない。特に「イ」が目立って横に引っ張りすぎだ。

ほかにも濁音を強く発音する人もきれいに聞こえない。小泉さんはすばらしい指摘をしている。"Miserere nobis" の "miserere" の発音だ。問題は、この赤の s が濁るか濁らないか、というものだ。

小泉さんは言う。この s を意識的に濁らせて発音しては汚く聞こえる。この s は母音に挟まれて同化 assimilation で結果的に濁るのであるから、濁らないで発音するようにして結果的に濁ってしまった、という感覚で発音するのがいい、というすばらしい解説をした。これはすばらしい。私は実際に真似てみた。確かにきれいに聞こえるぞ。

この知識はラテン語だけでなく、日本語の発声にも役立ちそうだ。



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テーマ: 合唱

2010/6/4

Peter Pan's nationality  レファレンス

In most of the stories Peter Pan's origin and nationality are left as an open question which is never defined by the author.

Thank you for using ASK NYPL.

なんとありきたりのロマンチックな回答。
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2010/6/4

レファ協データベースから想像される将来の自治体間格差  レファレンス

レファ協へのアップには、香川県立や埼玉県立や福井県立が頑張っている。

われわれはレファ協事例を選んで「喝」を入れることがある。しかしこれは「愛の喝」だ。

本来最も喝を入れなければならない相手は、レファ協に参加していながらアップしない館。さらにレファ協に参加すらしない館。

「忙しい」という言い訳だろうか。下手にアップして力量を晒したくないからだろうか

いずれにせよ、上に挙げた館の県とそれらの館の県との<自治体間格差>はこういった目立たないところから徐々に広がっていくのだろう

レファ協の事例を読んで、香川や埼玉に住みたいと思う人も出てくるだろう。教育に力を入れているイメージがつくかもしれない。埼玉はすでにそういったイメージはある(理研や慶大の付属高校など)が、香川や福井も近い将来、教育県として認知されるようになるかもしれない。(長野県はレファ協でほとんど目立たないネ!)

先日滋賀県立のウェブサイトを訪れた。どこにメルアドがあるのだ?見つけられなかった。滋賀県立は一応ビジネスコーナーがあるそうだけど、メルアドもないのだからレファも力を入れていないのだろうと推測される。

鹿児島県はメルアドはあるけど、あたかもレファレンスをメルアドで受けるのが久しぶりかのような返事を出してきた。広報はちゃんとやっているのだろうか?
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テーマ: 図書館

2010/6/2

メタ図書館は大学に習って OCW を用意すべし、の巻  レファレンス

誰が考案したか知らないが、OCW を考えて実行に移そうとした人は偉大だ。これは UNESCO公共図書館宣言などが謳うアウトリーチサービス (outreach service) にとっても有効なひとつの道具になりそうだ。

国会図書館や都道府県図書館が「メタ図書館」としての役割を担うなら、こういったところからイニシアチブを取るべきだと思う。

通常、大学の OCW は「シラバス」「担当教員」「講義ノート」のオンライン無償公開に限られているようだ。意欲的な大学は、Youtube などの動画サイトに講義まで流しているようだ。ここまでは行き過ぎかもしれない。しかし大学の生き残りに必死な私立大学だから、仕方ないのかもしれない。しかし市民にはありがたいサービスだ。

メタ図書館が、レファレンスサービスやその他のサービスを指導するのに、OCW の取り決めに従って、地方の図書館司書がオンラインで学べる手助けとなるように、コースを公開する。レファレンス演習のコースなどを実施すればいい。

こうした取り組みが、市民へのレファレンスサービスの大きな助けとなるだろう。
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テーマ: 図書館

2010/6/2

京都アスニーの職員の士気を下げる要因について考えてみた  京都市立図書館

山田恒夫氏の講演<第2回GSICセミナー「世界のeラーニングの最新動向と将来像」>のビデオを見ていたら、京都市教育委員会と京都アスニーの職員の関係を思い出した。ビデオのテーマ2の 6:48 あたりから。

この記事では、大学の教育支援センターに関する山田氏のコメントとのアナロジーで、京都教育委員会と京都アスニーの職員人事について語る。

彼によれば、アメリカの大学では、教育支援センターやFD支援センターが充実しているという。そこのセンター長やCIOは、スタッフの中から成るというキャリアパスの流れがある。しかし日本ではそうではない。だからスタッフのやる気がでない、という。

京都市立図書館について言えば、現場をよく知るスタッフがいくら頑張っても、館長として図書館とぜんぜん関係のない部署から、市教委の職員から派遣されてくる。だからアスニーのスタッフのやる気がなくなるわけだ。

これが間接的に、図書館サービスの低下に影響していないだろうか?

市全体の方針は、市から市の出資団体への市職員の派遣を減らしていくというものだ。しかしアスニーに関しては近年その流れが淀んでいる。結局市側はポストを確保し続けたいのではないのか。

アスニー自体も職員の約三分の一が、市の派遣職員だそうだ。管理職だとずーっと割合が高くなるだろう。だからアスニーから公式にクレームがつくことはないだろう。

アスニーの職員の市職員でない職員のなかにも、市職員のコネで入社した者もいるのではないだろうか。これは札幌の似た名前の財団法人とのアナロジーから想像するのだ。

実力で入った職員がもしこれを読んでいたら、気分を害しそうだが、これが私の正直な気持ちだ。




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テーマ: 図書館



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