米国防総省高官は18日までに、米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部移設をめぐり、日本政府が滑走路位置の50m沖合移動を提案した場合、容認もあり得るとの姿勢を示した。「微修正」案で打開を促す狙いとみられる。
◆早期収拾へ焦り 「普天間」米高官発言
<解説>
米軍普天間飛行場移設問題で米国防総省高官が日米合意案の50メートル修正容認を示唆したのは、県外移設を模索する鳩山新政権との交渉で、早期収拾を図ろうという焦りが米政府内にあるためだ。裏を返せば、新政権に反応し始めた米政府に、鳩山政権として強気に県外移設を求める好機とも言える。
「合意が履行されないと現状維持が続く」との「脅迫」とも取れる発言には、予測しにくい新政権の外交交渉へのいら立ちもうかがえる。
これまでの米国流交渉術は、及第点よりも高い要求を日本側に突き付け、脅しと妥協を織り交ぜて要求を確保するというものだ。自公政権との交渉はこの原則で奏功してきた。かつての米軍再編協議でも、グアム移転費の日本負担などで米政府は実を取ってきた。
今回も新政権発足前から、県外移設要求では日米同盟が不安定化する、などの脅しを政府内外の関係者が繰り出してきた。合意案は変更できないとも言ってきた。今回の微修正容認の示唆は従来の発言を覆すもので、「合意案は不変」との言動もブラフ(はったり)だったことを自ら露呈した格好で、高いハードルを示しておいて、できるだけ有利に妥結を図る米国流交渉術そのものだ。
今後も米政府は波状的に妥協案を示してくると見込まれる。鳩山政権がそのブラフに左右されず、ぶれない姿勢を貫けるかどうかが問われる。(滝本匠)
次の記事:コラム「南風」 十五夜祭り>> 今日の記事一覧
今月の記事一覧
最近の人気記事
Photo History
琉球新報掲載写真でつづるオキナワの歴史
しんぽう囲碁サロン
世界中の囲碁ファン会員と対局
ライブカメラ
琉球新報泉崎ビルに設置したライブカメラ
りゅうちゃん商店
ウェブサイトからも購入可能に!
ちょBit
新報パーソナルアド
ウイークリー1
沖縄県内・県外就職・求人情報ニュースサイト
琉球新報の本
琉球新報の本がネットでも購入できます
週刊レキオ
生活情報満載の副読紙。毎週木曜お届け
新報カルチャーセンター
130講座 学ぶ楽しさがいっぱい
新報ローカルブログ
ミニコミ紙連動のローカル情報
〒900-8525 沖縄県那覇市天久905
紙面・記事へのお問い合わせは、読者相談室までどうぞ。
電話098(865)5656 (土日祝日をのぞく平日午前10時〜午後4時)
©The Ryukyu Shimpo
本ウェブサイト内に掲載の記事・写真の無断転用は一切禁じます。すべての著作権は琉球新報社または情報提供者にあります。