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普天間県内移設前提の要請に波紋 背景に下地氏影響力2010年5月18日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

 沖縄からの議員団が、普天間飛行場の一部機能訓練の受け入れを、当該自治体に要請した今回の徳之島訪問。唯一、会談に応じた高岡秀規徳之島町長が「断固反対ということを理解していただくしかない」と答えるなど、受け入れを拒否する徳之島の民意の強さがあらためて示された。
 呉屋宏国民新党県連代表は議員団の構成について「徳之島への受け入れ要請を政党で組織決定したわけでなく、議員の個人レベルの参加だ。政党の名前が躍るのはふさわしくない」と指摘する。
 とはいえ、4・25県民大会の翌日の4月26日にも、国民新党国対委員長の下地幹郎衆院議員と呉屋氏らは、徳之島入りを計画。鹿児島経由で徳之島に渡ろうとする寸前に地元有力者の説得を受け、断念していた。今回は仕切り直しの面があり、同行しなかったとはいえ下地氏の影響力は否めない。
 議員団の来島に島の警戒感は強かった。大久保明伊仙町長は面談を拒否。一行は天城町役場も訪れたが、大久幸助町長は庁内にはいたものの、対応したのは総務課長だった。公開を予定していた地元町議との意見交換は非公開で行われた。
 高岡町長は面談に応じた理由を「沖縄の負担軽減に反対しているわけでない。普天間基地は国外を望んでいるということを正確に伝えたいと思った」と述べ、移設受け入れの余地を完全に否定した。
 「兄弟島」である沖縄と徳之島が基地負担を押し付け合う形となって「対立構図をつくることだけは避けたい」という配慮がにじみ、日米安保の在り方を国民全体で議論していくため連携していくことで双方は一致をみた。ただ、高岡町長が普天間の国外移転を主張したのに対し、現地の記者会見で呉屋代表は「普天間はキャンプ・シュワブに移設されるだろうという中で、機能や訓練の一部でもよそに移すことで、名護の負担を軽減できるのではないか」と述べ、県内移設を前提にした政府原案に基づく要請行動であると主張した。
 徳之島のみならず、沖縄でも県内移設反対の意思が高まりを見せている中で、沖縄の民意の発信の手法をめぐる波紋を広げそうだ。
(与那嶺松一郎)


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