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独立行政法人:お手盛り742億円…98法人、9年間で

 独立行政法人(今年3月31日現在)で、独法制度が始まった01年度から昨年度までの9年間に、職員への食事手当や個人旅行補助などの「法定外福利厚生費」として計742億3171万円が支出されていたことが13日、総務省の調査で分かった。独法の設立目的は行政の効率化だったが、多額の無駄な支出が判明。国の事業仕分けを機に廃止の動きが進んでいるが、同省は今月6日、問題のある手当を廃止するよう通知した。【田所柳子】

 調査は昨年度末時点の全独法98法人を対象に実施。各独法の支出総額は、01年度の3億9325万円(41法人)から、法人数の増加とともに年々増え、ピークの07年度は124億1976万円に上る。その後は微減に転じたものの、昨年度も113億5160万円(82法人は予算ベース)に達した。

 法人別では、設立以来の支出総額は▽鉄道建設・運輸施設整備支援機構85億8427万円▽日本原子力研究開発機構79億1788万円▽労働者健康福祉機構58億1480万円--の順。このうち、労働者健康福祉機構傘下のある施設は現在もホームページの職員募集欄に「(リフレッシュ目的の)宿泊施設などの利用に対する補助」「厚生会(互助組織)が5年ごとに旅行券を支給」などを挙げている。

 同省によると、法定外福利厚生費の中には職員の健康診断費など必要な支出もあるが、レクリエーションなど本来は支出すべきでない費用も多い。同省の政策評価・独立行政法人評価委員会が昨年12月に実施した調査(08年度分)によると、▽個人旅行補助やフィットネスクラブ法人会員費など、文化・体育・レクリエーション関連の支出▽職員への食券交付や食事の実費給付▽慶弔見舞金、永年勤続表彰などの個人への給付▽互助組織への支出--など、内容は多岐にわたっていた。

 独法の運営には今年度予算で、補助金などの国支出が約3兆1600億円投入される。同省は各省庁を通じ、全法人に対し法定外福利厚生費のうち国や他の独立行政法人が設定していない手当を支出しないよう通知した。

 ◇独法の主な法定外福利厚生費◇

▽食事手当

▽温泉旅館など保養施設利用補助

▽子供の入進学時の就学祝い金

▽結婚25周年の結婚記念祝い金

▽遊園地利用補助

▽フィットネスクラブ法人会員費

▽NHK交響楽団コンサート鑑賞への補助

※額や内容は法人によって異なり互助会を通じて支給するものもある。一部は既に廃止

毎日新聞 2010年5月14日 2時33分(最終更新 5月14日 2時33分)

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