「目を覚ましたら、判決言い渡しの時間を過ぎていた」。保釈され、判決を迎えた日に寝坊で出廷しなかったため、保釈が取り消された被告の裁判で、東京地裁は9日、懲役3年3カ月(求刑懲役3年6カ月)の実刑判決を言い渡した。
覚せい剤や大麻を所持したとして覚せい剤取締法違反などの罪に問われた元会社役員(51)の公判。合田悦三裁判官は「当初は家族の監督などを被告に有利な事情として考慮しようと思ったが、被告の行動を見るとそのまま受け入れられない。公判での反省の言葉も受け入れる余地はない」と厳しく非難した。
もともとの判決日は今年1月に指定されていたが、被告は前日に知人とホテルで飲酒したため、起きられなかったという。その後、4月半ばに拘束されるまでの約3カ月間、行方をくらましていた。
拘束後の今月2日、約4カ月半ぶりに地裁に姿をあらわした被告は「(行方をくらましていた間に)自分が連絡すれば家族や知人に迷惑がかかると思った。出頭すべきか考えたが、決心がつかなかった」と逃亡の理由を説明。この日に判決が言い渡される予定だったが、合田裁判官は「前回の結審時とは見方が変わりますよ」とさらに1週間延期した。(山本亮介)