【東京】北沢俊美防衛相、岡田克也外相、平野博文官房長官、前原誠司沖縄担当相は9日、首相官邸で米軍普天間飛行場の移設に関して2回目の非公式関係閣僚協議を行った。ゲーツ国防長官やオバマ大統領の訪日まで日本側の考え方を調整するものの、必ずしも結論を急ぐ必要はないとの方向性を確認した。一方、米政府が5日の日米局長級会談で、2006年の合意に基づく現行計画見直しの可能性について「再交渉するつもりはない」と否定していたことも分かった。鳩山政権や県内で高まる県外、国外移設実現への期待感を警戒し、くぎを刺したとみられる。
北沢防衛相は15日に再提出期限を迎える来年度予算の概算要求で普天間移設を含む在日米軍再編経費について、前年度と同額890億円を「仮置き」する方針を示した。
局長級会談は今月20日のゲーツ長官訪日をにらんだ準備作業の一環。長島昭久防衛政務官が12日から訪米する際も、ゲーツ氏は日米合意順守の必要性を伝える見通し。オバマ政権が信頼醸成を優先した9月の日米の首脳・外相会談から一転し、厳しい対応にかじを切る可能性もある。
閣僚協議では、普天間の日米合意容認を示唆したとされた鳩山由紀夫首相の発言について、連立3党合意の範疇(はんちゅう)と判断し、異論は出なかった。3党首級による「基本政策閣僚委員会」でも普天間問題を話し合うことで一致した。
概算要求では、前政権の下でも防衛省は8月に「仮置き」で提出。普天間関連経費は例年、概算要求時は前年度同額とし、年末の予算編成過程で、事業内容や金額を決定しており、鳩山政権も同じ手法を取る。
北沢防衛相は9日の閣議後会見で「(普天間移設の)方向性は定まらないが、特段の意味を含んだわけではなく、単純に仮置きとする」と述べた。